クロラムフェニコール |
〔効〕主な適応症:腸チフス,パラチフス,サルモネラ腸炎,発疹チフス,発疹熱,つつが虫病,鼠径りんぱ肉芽腫,髄膜炎(注射のみ).他剤耐性・他剤使用不能の場合に限り他の適応症あり.
〔用〕(内)1日1.5〜2gを3〜4回に分割.小児は30〜50mg/kgを3〜4回に分割.
(注)1回0.5〜1gを1日2回静注.小児は1回15〜25mg/kgを1日2回静注.
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〔禁〕造血機能低下,新生児・未熟児,過敏歴.
〔慎〕肝・腎機能障害,経口摂取不良・非経口栄養,全身状態の悪い患者,高齢者.
〔相〕併用禁忌:骨髄抑制を起こす可能性のある薬剤との併用は避けること.
併用注意:ワルファリン等抗凝血剤の作用を増強.血糖降下薬の血糖降下作用を増強.リファンピシン,シクロホスファミドの作用を減弱.メトトレキサートの作用を増減する.
〔副〕〔重大な副作用〕再生不良性貧血,Gray症候群,視神経炎.
〔その他の副作用〕顆粒球減少,肝障害,過敏症,菌交代症,ビタミンK欠乏による出血傾向,ビタミンB群欠乏症症状.
〔高齢〕副作用が発現しやすい.ビタミンK欠乏による出血傾向.
〔妊〕動物実験で流早産・胎児毒性,母乳中・胎児移行.
〔小児〕投与しない.
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〔作用機序〕
リボソームの50Sのサブユニットに作用し,ペプチド結合の形成やペプチド鎖のtRNAからの遊離を阻害することにより,たん白合成を阻害すると考えられる.
〔体内動態〕
Cmax:5.8μg/mL,
Tmax:2hr(500mg p.o.)
t1/2:1.6〜3.3hr
F:60%
Vd:0.94L/kg
CL:2.4mL/min/kg
血漿たん白結合率:57%
尿中排泄率:約10%(p.o.)
主な代謝物:グルクロン酸抱合体,デアシル体
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mw:323.13
mp:149〜153℃
★白色〜黄白色の結晶又は結晶性の粉末で,においはなく,味は苦い.
[α]20D:+18.5〜+21.5°(無水エタノール)
pKa:5.5
★溶けにくい.
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チアンフェニコール |
〔効〕主な適応症:腎孟腎炎,膀胱炎,尿道炎.肺炎,気管支炎及び気管支拡張症.胆管炎,胆嚢炎.
〔用〕(注)1日1gを1〜2回に分け筋注.又は3〜4分かけて静注.小児1日20mg/kg.
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警告:重篤な血液障害,非可逆性の末梢神経障害(経口剤)が現れることがある. |
〔禁〕造血機能低下者,骨髄抑制する薬剤を服用中の患者,本剤過敏歴.
〔慎〕造血機能低下,腎障害.
〔相〕併用禁忌:骨髄抑制誘起薬と併用しない.
〔副〕〔重大な副作用〕ショック,再生不良性貧血,末梢神経炎.
〔その他の副作用〕貧血,顆粒球減少症,血小板減少症,肝障害,下痢,便秘,口内炎,舌炎,過敏症,発疹.
〔妊〕乳汁・胎児へ移行.
〔小児〕類似薬(クロラムフェニコール)により新生児・未熟児でGray症候群→投与しないことが望ましい.
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〔作用機序〕
細菌のリボソーム50Sサブユニットに結合してペプチド転移反応を阻害することによってたん白合成を阻害する.
〔体内動態〕
Cmax:10.2μg/mL,
Tmax:2hr(1g p.o.)
t1/2:3.2hr
血漿たん白結合率:約10%
尿中排泄率:60.4%(1g p.o., 24hr)
主な代謝物:グルクロナイド抱合体,デアシル体
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mw:356.22
mp:164〜169℃
★白色の結晶性の粉末で,においはなく味は苦い.
[α]20D:-21.5〜-24.5°(ジメチルホルムアミド)
★溶けにくい.
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