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うつ病治療薬


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名称及び製剤 治療に関する項目 使用上の注意に関する項目 作用機序と体内動態 化学構造及び物性
塩酸アミトリプチリン(局)

〔効〕〔用〕(内)(1)うつ病・うつ状態:初期1日30〜75mgから150mgまで漸増し食後に分服.1日300mgまで. (2)夜尿症:10〜30mgを就寝前に頓用.(注)1日20〜120mgを1〜数回に分け筋注又は静注.

〔禁〕緑内障,三環系抗うつ薬過敏症,心筋梗塞の回復初期,尿閉,MAO阻害薬・テルフェナジン投与中.

〔慎〕排尿困難,眼内圧亢進,心不全・心筋梗塞・狭心症・不整脈などの心疾患,甲状腺機能亢進症,けいれん性疾患,躁うつ病,脳器質障害,精神分裂病素因,副腎髄質腫瘍,重篤な肝・腎障害.低血圧,高度の慢性便秘,小児,高齢者.

〔相〕併用禁忌:MAO阻害薬,テルフェナジン. 併用注意:抗コリン作動薬,アドレナリン作動薬,中枢神経抑制薬,アルコール摂取で作用増強,降圧薬の作用減弱,スルファメトキサゾール・トリメトプリムで抑うつの再発又は悪化.ワルファリンの半減期延長,インスリン・スルホニル尿素系薬で過度の血糖降下.キニジン,メチルフェニデート,シメチジン,黄体・卵胞ホルモン剤で作用増強.

〔副〕〔重大な副作用〕悪性症候群,心筋梗塞,幻覚,譫妄,精神錯乱,顔・舌部の浮腫,無顆粒球症,腸管麻痺から麻痺性イレウスに移行,抗利尿ホルモン不適合分泌症候群. 〔その他の副作用〕血圧降下,血圧上昇,頻脈,動悸,不整脈,心ブロック,心発作,パーキンソン症状,運動失調,構音障害,四肢の知覚異常,不眠,不安,焦躁感,眠気,口渇,排尿困難,眼内圧亢進,視調節障害,便秘,発疹,蕁麻疹.白血球減少,肝障害,悪心・嘔吐,食欲不振,下痢,味覚異常,ふらつき,眩暈,倦怠感,頭痛,発汗,長期投与で口周部の不随意運動.

〔高齢〕起立性低血圧,ふらつき,口渇,排尿困難,便秘,眼内圧亢進が現れやすい.

〔貯〕(注)凍結を避ける.

〔服薬指導〕眠気,注意力・集中力・反射機能の低下→自動車の運転などの危険な機械操作を避ける.

〔作用機序〕
脳内神経終末へのノルエピネフリン及びセロトニンの取り込みを阻害する.抗コリン作用(アトロピン様作用)も持っている.

〔体内動態〕
t1/2:10.3〜25.3hr
F:48%
Vd:15L/kg
CL:11.5mL/min/kg
血漿たん白結合率:96.4%
治療域血漿中濃度:160〜240ng/mL
尿中排泄率:27.6%(p.o., 24hr)

mw:313.87
mp:195〜198℃
★無色の結晶又は白色〜微黄色の結晶性の粉末で,味は苦く,麻ひ性である.
pKa:9.4
★溶けやすい.

amitriptyline HCl
トリブタノール
Tryptanol
(萬有)
―錠:10mg, 25mg
―注(劇):1mL中10mg
pH:4.2〜6.0
浸透圧比(生理食塩液対比):約1

アデプレス, アトリプタール, アミプタノール, アミプリン, ノイブタノール, ノーマルン, ミケトリン, ミタプチリン, ラントロン

アモキサピン

〔効〕うつ病・うつ状態.

〔用〕(内)1日25〜75mgを分服,1日300mgまで.

〔禁〕〔慎〕〔相〕塩酸アミトリプチリンに準ずる.

〔副〕〔重大な副作用〕悪性症候群,幻覚,譫妄,精神錯乱,顔・舌部の浮腫,無顆粒球症,腸管麻痺から麻痺性イレウスに移行. 〔その他の副作用〕血圧降下,血圧上昇,頻脈.動悸,不整脈,心ブロック,心発作,振戦などのパーキンソン症状,アカシジアなどの錐体外路症状,不眠,耳鳴,眠気,けいれん,躁転,四肢の知覚異常,運動失調,構音障害,知覚異常,頭痛・頭重,興奮,不安,焦躁,口渇,排尿困難・乏尿,眼内圧亢進,視調節障害,便秘,鼻閉,発疹,紅斑,そう痒感,白血球減少,肝障害,悪心・嘔吐,食欲不振,下痢,味覚異常,胃部不快感,胃痛・腹痛,口内不快感,口内炎,月経異常,長期投与で遅発性ジスキネジア(口周部などの不随意運動),ふらつき,眩暈,立ちくらみ,倦怠感,脱力感,発熱,発汗,頻尿,四肢冷感,頸痛,顔面や身体の違和感,性欲亢進・減退.

〔服薬指導〕眠気,注意力・集中力・反射機能の低下→自動車の運転などの危険な機械操作を避ける.

〔作用機序〕
脳内神経終末へのノルエピネフリン,ドパミン及びセロトニンの取り込みを阻害する.

〔体内動態〕
Tmax:1〜1.5hr(p.o.)
尿中排泄率:43%(p.o., 48hr)
主な代謝物:8-ヒドロキシアモキサピン

mw:313.79
mp:178〜182℃(分解)
★白色〜淡黄白色の結晶又は結晶性粉末で,においはないか.又はわずかに特異なにおいがある.味はない.
★ほとんど溶けない.

amoxapine
アモキサン
Amoxan
(レダリー,武田)
―細粒(劇):1g中100mg
―カプセル(劇):10mg, 25mg, 50mg

塩酸イミプラミン(局)

〔効〕〔用〕(内)(1)うつ病・うつ状態:初期1日25〜75mgから200mgまで漸増し食後に分服.1日300mgまで. (2)遺尿症(昼・夜):学童1日25〜50mg錠1〜2回に分服.

〔禁〕〔慎〕塩酸アミトリプチリンに準ずる.

〔相〕塩酸アミトリプチリンに準ずる.全身麻酔薬,キニジン,メチルフェニデート,黄体・卵胞ホルモン製剤,シメチジン,フェノチアジン系精神神経薬,抗不安薬により作用増強.肝酵素誘導作用をもつ薬品により作用減弱.インスリン製剤,スルホニル尿素系糖尿病用剤との併用により過度の血糖低下の可能性.けいれん閾値を低下させるため電気ショック療法時じゅうぶん注意する.

〔副〕塩酸アミトリプチリンに準ずる.ほかに乳房肥大,乳汁漏出,耳鳴.

〔高齢〕起立性低血圧,ふらつき,口渇,排尿困難,便秘,眼内圧亢進が現れやすい.

〔妊〕投与しないことが望ましい.

〔乳〕授乳を避ける.

〔服薬指導〕眠気,注意力・集中力・反射機能の低下→自動車の運転などの危険な機械操作を避ける.

〔作用機序〕
脳内神経終末へのNA及び5-HTの取り込みを阻害する.NA取り込み阻害作用が強いが代謝物のデシプラミンはNA取り込み阻害作用は更に強い.

〔体内動態〕
t1/2:10.2hr(i.m.), 14.0hr(p.o.)
F:40%
Vd:23L/kg
CL:15mL/min/kg
血漿たん白結合率:85%
尿中排泄率:2%以下
主な代謝物:desmethyl体, 2-hydroxy体, 2-hydroxy-desmethyl体, N-oxide体, 水酸化体のグルクロン酸抱合体

mw:316.87
mp:170〜174℃(分解)
★白色〜微黄白色の結晶性の粉末,においはない.
pKa:8.0
★溶けやすい.

imipramine HCl
トフラニール
Tofranil
(ノバルティス)
―錠:10mg, 25mg
―注(劇):2mL中25mg
pH:4.0〜5.0
浸透圧比(生理食塩液対比):約0.3
添加物:アスコルビン酸, 亜硫酸Na

イミドール, クリテミン

◆使用上の注意改定指示
H13/08/21

塩酸クロミプラミン(局)

〔効〕〔用〕(1)うつ病・うつ状態:(内)1日50〜100mgを1〜3回に分服,1日225mgまで. (注)25mgを250〜500mLに希釈し1日1回点滴静注,1回75mgまで. (2)遺尿症:6歳未満1日10〜25mg, 6歳以上の学童1日20〜50mgを1〜2回に分服(夕食後,就寝前).

〔禁〕〔慎〕〔相〕塩酸アミトリプチリンに準ずる.

〔副〕〔重大な副作用〕悪性症候群,幻覚,せん妄,精神錯乱,無顆粒球症,腸管麻痺から麻痺性イレウスに移行,抗利尿ホルモン不適合分泌症候群. 〔その他の副作用〕血圧降下,血圧上昇,頻脈,不整脈,心ブロック,眠気,パーキンソン症状,不眠,てんかん発作,性機能障害,口渇,排尿困難,眼内圧亢進,視調節障害,便秘,発疹,白血球減少,肝障害,悪心・嘔吐,食欲不振,下痢,味覚異常,プロラクチンの分泌促進,長期投与,口周部の不随意運動,ふらつき,眩暈,倦怠感,頭痛,発汗,異常高熱, (注)ショック,血栓性静脈炎.

〔高齢〕起立性低血圧,ふらつき,口渇,排尿困難,便秘,眼内圧亢進が現れやすい.

〔妊〕投与しないことが望ましい.

〔乳〕授乳を避ける.

〔貯〕(注射)遮光.

〔服薬指導〕眠気,注意力・集中力・反射機能の低下→自動車の運転などの危険な機械操作を避ける.

〔作用機序〕
脳内神経終末への5-HT取り込みを選択的に阻害する.イミプラミンと同程度の抗コリン作用(アトロピン様作用)を有する.

〔体内動態〕
Tmax:1.5〜4hr(1mg/kg p.o.)
t1/2:約20hr
血漿たん白結合率:約96%
治療域血漿中濃度:15.0〜37.9ng/mL(ただし個人差大)
尿中排泄率:約1.4〜7.8%(12hr)

mw:351.32
mp:192〜196℃
★白色〜微黄色の結晶性粉末.においはない.
pKa:7.8
★溶けやすい.

clomipramine HCl
アナフラニール
Anafranil
(ノバルティス)
―錠:10mg, 25mg
―注(劇):2mL中25mg
pH:4.1〜5.1
浸透圧比(生理食塩液対比):約1
添加物:グリセリン

◆使用上の注意改定指示
H13/08/21

マレイン酸セチプチリン

〔効〕うつ病・うつ状態.

〔用〕(内)初期量1日3mgを分服,1日6mgまで漸増.

〔禁〕MAO阻害薬投与中.

〔慎〕緑内障,排尿困難,眼内圧亢進,心疾患,肝・腎障害,けいれん性疾患又はその既往歴,躁うつ病,脳の器質障害,精神分裂病の素因,小児,高齢者.

〔相〕併用禁忌:MAO阻害剤で発汗,不穏,全身けいれん,異常高熱,昏睡. 併用注意:飲酒・中枢神経抑制剤で作用増強.クロニジンの作用を減弱.

〔副〕〔重大な副作用〕無顆粒球症,悪性症候群. 〔その他の副作用〕血圧低下,心悸亢進,頻脈,眠気,眩暈・ふらつき・立ちくらみ,脱力・倦怠感,頭痛・頭重,不眠,視調節障害,構音障害,運動失調,不安・焦燥・苦悶,躁転,振戦,発疹,白血球減少,貧血,口渇,便秘,悪心・嘔吐,食欲不振,下痢,肝障害,排尿困難,浮腫.

〔高齢〕80歳以上で血中濃度が高い傾向.

〔服薬指導〕眠気,注意力・集中力・反射運動能力の低下→自動車の運転などの危険な機械操作を避ける.

〔作用機序〕
脳内のシナプス前α2-受容体遮断及びノルエピネフリンの代謝回転亢進によりシナプス間隙へのノルエピネフリンの遊離を促進して抗うつ作用を示す.

〔体内動態〕
Cmax:0.97ng/mL,
Tmax:2.17hr(1mg p.o.)
t1/2:約24hr
尿中排泄率:約21%(3mg p.o., 48hr)

mw:377.44
mp:153〜158℃
★白色〜微黄白色の結晶性粉末で,においはなく,味は苦い.
pKa:7.81
★溶けにくい.

setiptiline maleate
テシプール
Tecipul
(持田)
―錠(劇):1mg
塩酸マプロチリン

〔効〕うつ病・うつ状態.

〔用〕(内)1日30〜75mgを2〜3回に分服.1日1回投与も可.

〔禁〕緑内障,尿閉,本剤過敏歴,心筋梗塞の回復初期,けいれん性疾患既往歴,MAO阻害薬投与中.

〔慎〕排尿困難・眼内圧亢進,心不全・心筋梗塞・狭心症・不整脈,甲状腺機能亢進症,躁うつ病,脳器質障害・精神分裂病素因,重篤な肝・腎障害,小児,高齢者,副腎髄質腫瘍,高度な慢性便秘,低血圧,三環系抗うつ剤過敏歴.

〔相〕(1)併用禁忌,(2)併用注意:塩酸アミトリプチリンに準ずる. (3)けいれん閾値を低下させる薬剤(フェノチアジン系薬),肝初回通過効果を受けやすいβ遮断薬との併用は慎重投与. (4)全身麻酔剤,メチルフェニデート,シメチジンにより作用増強. (5)肝酵素誘導作用をもつ薬品により作用減弱. (6)フェニトイン濃度を上昇させる. (7)インスリン製剤,スルホニル尿素系糖尿病用薬との併用により血糖低下の可能性.

〔副〕〔重大な副作用〕悪性症候群,てんかん発作,無顆粒球症,アレルギー性肺炎,皮膚粘膜眼症候群,麻痺性イレウス. 〔その他の副作用〕血圧降下,心悸亢進,心電図異常,心ブロック,頻脈,血圧上昇,失神,眠気,パーキンソン様症状,言語障害,知覚異常,不眠,神経過敏,激越,不安,運動失調,幻覚,集中力欠如,躁状態,陰萎,せん妄,錯乱状態,情緒不安,悪夢,口渇,便秘,排尿困難,視調節障害,鼻閉,紫斑,光線過敏症,発疹,蕁麻疹,そう痒感,皮膚血管炎,発熱,白血球減少,白血球増多,好酸球増多,肝障害,悪心・嘔吐,胃部不快感,食欲不振,口内苦味感,味覚異常,異常食欲亢進,口内炎,腹痛,下痢,嚥下困難,眩暈,ふらつき,倦怠感,発汗,頭痛,頭重,頻尿・夜尿,浮腫,耳鳴,熱感,体重増加,流涎,乳房肥大,乳汁分泌脱毛.

〔高齢〕起立性低血圧,ふらつき,口渇,排尿困難,便秘,眼内圧亢進が現れやすい.

〔妊〕投与しないことが望ましい.

〔乳〕授乳を避ける.

〔服薬指導〕眩暈,眠気→自動車の運転などの危険な機械操作を避ける.

〔作用機序〕
脳内神経終末へのカテコールアミンの取り込みを阻害する.セロトニン取り込み阻害及び抗コリン作用がないことが三環系抗うつ薬とは異なる.

〔体内動態〕
Cmax:22ng/mL,
Tmax:6〜12hr(75mg p.o.)
t1/2:45〜46hr
血漿たん白結合率:88%
尿中排泄率:48%(p.o., 96hr)
主な代謝物:グルクロン酸抱合体

mw:313.87
mp:約243℃(分解)
★白色の結晶性粉末.においはなく,味は苦い.
pKa:9.7
★溶けにくい.

maprotiline HCl
ルジオミール
Ludiomil
(ノバルティス)
―錠:10mg, 25mg, 50mg

クロンモリン, ノイオミール, マプロミール, マプレス

◆使用上の注意改定指示
H13/08/21

塩酸ミアンセリン

〔効〕うつ病・うつ状態.

〔用〕(内)初期1日30mgから1日60mgまで増量し分服.また1日1回夕食後か就寝前.

〔禁〕MAO阻害薬投与中.

〔慎〕緑内障,排尿困難,眼内圧亢進,心・肝・腎障害,けいれん性疾患,躁うつ病,脳器質障害,精神分裂病素因,コントロール不良な糖尿病,小児,高齢者.

〔相〕併用禁忌:MAO阻害薬で発汗,不穏,全身けいれん,異常高温,昏睡. 併用注意:アルコール摂取,中枢神経抑制薬で作用増強.降圧薬の作用減弱.

〔副〕悪性症候群,頻脈,動悸,血圧降下,眠気,パーキンソン症状,眩暈・ふらつき,頭痛,不眠,視調節障害,躁転,不安,焦躁感,しびれ感,構音障害,運動失調,発疹,浮腫,無顆粒球症,口渇,便秘,悪心・嘔吐,食欲不振,食欲亢進,下痢,腹痛,肝障害,脱力感,倦怠感,排尿困難,発汗,鼻閉,体重増加.

〔高齢〕起立性低血圧,ふらつきが現れやすい.

〔服薬指導〕眠気,注意力・集中力・反射機能の低下→自動車の運転などの危険な機械操作を避ける.

〔作用機序〕
脳内ノルエピネフリンの代謝回転を促進しシナプス前α2-受容体遮断及び5-HT受容体遮断によりノルエピネフリン遊離を促進する.

〔体内動態〕
Cmax:40〜45ng/mL,
Tmax:2hr(30mg p.o.)
t1/2:18.2〜18.3hr
血漿たん白結合率:約90%
尿中排泄率:約70%(10mg, p.o.)
主な代謝物:8-OH体, N-オキシド体

mw:300.83
mp:約265℃(分解)
★白色〜帯黄白色の結晶又は結晶性の粉末で,においはない.
pKa:約6.9
★やや溶けにくい.

mianserin HCl
テトラミド
Tetramide
(三共)
―錠:10mg, 30mg
塩酸トラゾドン

〔効〕うつ病・うつ状態.

〔用〕1日75〜100mgを初期用量とし,1日200mgまで増量,1〜数回に分割.

〔慎〕心筋梗塞回復初期,心疾患既往歴者,緑内障患者,てんかん等のけいれん性疾患又はこれらの既往歴者,躁うつ病患者,脳器質障害又は精神分裂病の素因のある患者,小児,高齢者.

〔相〕併用注意:アルコール,中枢神経抑制剤との併用で,作用増強.降圧薬との併用では降圧薬を減量する.ジゴキシン,フェニトイン(血中濃度上昇),ワルファリン,フェノチアジン誘導体.

〔副〕〔重大な副作用〕Syndrome malin(悪性症候群),錯乱,譫妄. 〔重大な副作用(外国)〕持続性勃起,無顆粒球症,低血圧,動悸,頻脈,見当識障害,興奮,妄想,性欲亢進,振戦,パーキンソン病,眩暈,ふらつき,眠気,発疹,浮腫,白血球減少,貧血,口渇,腹部膨満感,便秘,悪心,嘔吐,下痢,肝機能異常,排尿障害,鼻閉,月経異常,乳汁分泌.

〔妊〕有益性が危険性を上回る場合のみ.

〔乳〕授乳を避ける.

〔小児〕安全性は確立していない.

〔服薬指導〕眠気,注意力・集中力・反射運動能力の低下→自動車の運転など危険を伴う機械の操作を避ける.

〔作用機序〕
セロトニンの取り込み阻害作用により低下したセロトニン神経機能を回復させることと,長期投与ではセロトニン受容体の感受性を亢進させることにより抗うつ作用を現すと考えられている.

〔体内動態〕
Cmax:約0.7〜0.9μg/mL(50mg p.o.) 約1.3μg/mL(100mg p.o.)
Tmax:4hr(100mg p.o.)
t1/2:6〜7hr(p.o.)
F:81%
Vd:1.0L/kg
CL:2.1mL/min/kg
血漿たん白結合率:94〜95%
尿中排泄率:1%以下
主な代謝物:オキソトリアゾロピリジンプロピオン酸, 4-ヒドロキシ体, グルクロン酸抱合体

mw:408.33
mp:約232℃(分解)
★白色の結晶性の粉末で,においはない.
pKa:6.70
★やや溶けやすい.

trazodone HCl
レスリン
Reslin
(鐘紡)
デジレル
Desyrel
(アップジョン,住友)
―錠:25mg, 50mg

◆使用上の注意改定指示
H15/02/12

クエン酸タンドスピロン

〔効〕心身症(自律神経失調症,本態性高血圧,消化性潰瘍)における身体症候ならびに抑うつ・不安・焦燥・睡眠障害,神経症における抑うつ・恐怖.

〔用〕(内)1日30mgを3回に分服,1日60mgまで.

〔慎〕脳の器質的障害,中等度又は重篤な呼吸不全,心・肝・腎障害,高齢者.

〔相〕ブチロフェノン系誘導体で錐体外路症状増強.Ca拮抗剤の降圧作用増強.

〔副〕〔重大な副作用〕過敏症→中止. 〔その他の副作用〕眠気,ふらつき,振戦,悪夢,肝機能障害,動悸,悪心・嘔吐,発疹・蕁麻疹,倦怠感,気分不快,四肢のしびれ,目のかすみ,浮腫.

〔高齢〕生理機能が低下しているので低用量から開始.

〔妊〕有益時のみ投与.

〔乳〕投与しないことが望ましい.

〔服薬指導〕眠気,注意力低下→車の運転等を避ける.

〔作用機序〕
大脳辺縁系に局在するシナプス後膜5-HT1A受容体に選択的に作用し,亢進しているセロトニン神経活動を抑制することにより抗不安作用を示す.また,セロトニン神経終末のシナプス後5-HT2受容体密度を低下させて,抗うつ作用を発現する.

〔体内動態〕
Cmax:3.2ng/mL(絶食時)
 2.9ng/mL(食後)
Tmax:0.8hr(絶食時)
 1.4hr(食後)
尿中排泄率:52%(45%糞中)

mw:575.6
mp:約169℃(分解)
★白色の結晶又は結晶性の粉末で,においはない.
pKa1:2.17 pKa2:7.54
★やや溶けにくい.

tandospirone citrate
セディール
Sediel
(住友)
―錠(劇):5mg, 10mg
塩酸メチルフェニデート

〔効〕〔用〕(内)(1)難治性うつ病,遷延性うつ病(抗うつ剤で効果不十分時に併用):1日20〜30mgを2〜3回に分服. (2)ナルコレプシー:1日20〜60mgを1〜2回に分服.

〔禁〕過度の不安・緊張・興奮,緑内障,甲状腺機能亢進,不整頻拍・狭心症,本剤過敏歴,運動性チェック,Tourette症候群. 〔原則禁忌〕6歳未満の小児.

〔慎〕てんかんの既往歴,高血圧.

〔相〕併用注意:(1)昇圧薬,MAO阻害薬,アルコール,クマリン系抗凝血薬,抗けいれん薬,フェニルブタゾン,三環系抗うつ薬の作用増強. (2)グアネチジンの降圧作用減弱.

〔副〕〔重大な副作用〕剥脱性皮膚炎,脳動脈炎,脳梗塞,狭心症. 〔その他の副作用〕発疹,関節痛,紅斑,不眠,不安,焦躁,興奮,神経過敏,幻覚,妄想,頭痛・頭重,眩暈,振戦,うつ状態,行為心迫,易怒・攻撃的,注意集中困難,大量投与によりけいれん,常同運動,運動亢進,中毒性精神障害,食欲不振,悪心・嘔吐,胃部不快感,便秘,口渇,下痢,口内炎,頻脈.心悸亢進,不整脈,胸部圧迫感,血圧上昇・下降,発熱,発汗,体重減少,血小板減少性紫斑病,頻尿,排尿障害,筋緊張,性欲減退.

〔小児〕6歳未満には投与しない.

〔服薬指導〕強力な覚醒作用を持つため不眠に注意→夕刻以後の服用は避ける.

〔作用機序〕
ノルエピネフリン及びドパミンの神経への取り込みを阻害することにより大脳皮質・中脳網様体に対して興奮的に作用し精神活動性を高める,交感神経興奮作用・食欲減退作用はない.

〔体内動態〕
Tmax:2hr
t1/2:7hr
血漿たん白結合率:15.2%
尿中排泄率:90%(48hr)
主な代謝物:脱エステル化体

mw:269.77
mp:約205℃(分解)
★白色の結晶性粉末.においはない.
★溶けやすい.

methylphenidate HCl
リタリン
Ritalin
(ノバルティス)
―散(劇):1g中10mg
―錠(劇):10mg

マレイン酸フルボキサミン

〔効〕うつ病,うつ状態,脅迫性障害.

〔用〕(内)初期用量1日50mgを2回に分服,1日150mgまで増量.

〔禁〕本剤過敏歴,モノアミン酸化酵素阻害剤(塩酸セレギリン)投与中.テルフェナジン,アステミゾール,シサプリド投与中.

〔慎〕肝障害,重篤な腎障害,てんかん等のけいれん性疾患又はその既往,躁うつ病,脳の器質的障害又は精神分裂病素因,高齢者,小児.

〔相〕併用禁忌:(1)モノアミン酸化酵素阻害剤(塩酸セレギリン)で両薬剤の作用が増強. (2)テルフェナジン,アステミゾール,シサプリドの血中濃度上昇又は半減期延長により,QT延長・心室性不整脈. 併用注意:(1)炭酸リチウムで両薬剤の作用増強. (2)抗てんかん剤(フェニトイン,カルバマゼピン),三環系抗うつ剤,ベンゾジアゼピン系薬剤の血中濃度上昇. (3)プロプラノロールの血中濃度上昇. (4)テオフィリンのクリアランス低下. (5)シクロスポリンの血中濃度低下. (6)ワルファリンの血中濃度上昇. (7)アルコール(飲酒)を避けることが望ましい.

〔副〕〔重大な副作用〕せん妄,錯乱,幻覚,妄想→中止.ショック,アナフィラキシー様症状→中止.炭酸リチウム又は他のセロトニン作動薬との併用でセロトニン症候群(錯乱,発熱,ミオクローヌス,振戦,協調異常,発汗等),抗精神病薬との併用で悪性症候群. 〔その他の副作用〕眠気,眩暈・ふらつき・立ちくらみ,振戦,アカシジア様症状・額の不随意運動・開口障害・頬筋のけいれん等の錐体外路障害,頭痛,不眠,集中力低下,記憶減退,動作緩慢,あくび,圧迫感,抑うつ感,神経過敏,焦燥感,不安感,躁転,気分高揚,舌麻痺,言語障害,しびれ,運動失調,知覚異常,激越,けいれん,頻脈,動悸,血圧上昇,低血圧,起立性低血圧,徐脈,発疹,蕁麻疹,湿疹,そう痒感,光線過敏性反応,白血球減少,ヘモグロビン減少,紫斑,肝機能障害,嘔気・悪心,口渇,便秘,下痢,腹痛,腹部膨満感,食欲不振,消化不良,空腹感,口腔内粘膜腫脹,排尿障害,頻尿,乏尿,BUN上昇,尿たん白陽性,血清カリウム上昇・低下,血中ナトリウム低下,倦怠感,脱力感,上肢の虚脱,息切れ,胸痛,熱感,ほてり,灼熱感,発汗,視調節障害,眼痛,眼圧迫感,耳鳴,鼻閉,苦味,体重増加,脱毛,CPK上昇,血清鉄上昇・低下,乳汁漏出,射精異常(遅延),関節痛,筋肉痛.

〔妊〕投与しないことが望ましい.新生児に呼吸困難,アトニー,ミオクローヌス,離脱症状.

〔乳〕母乳中へ移行→授乳中止.

〔服薬指導〕眠気→自動車の運転等に注意.

〔作用機序〕
選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI:selective serotonin reuptake inhibitor).他の抗うつ薬と比較して,セロトニン取り込み阻害の選択性が高い.また,各種神経伝達物質受容体にはほとんど親和性を示さず,モノアミン酸化酵素阻害作用も示さない.

〔体内動態〕
Cmax:17.3ng/mL
Tmax:4.7hr
t1/2:9.8hr
CL:125L/hr
Vd:1862L(50mg p.o.)
F:54%(50mg p.o.)
血漿たん白結合率:約80%
尿中排泄率:約94%(代謝物を含む. p.o., 70hr)
主な代謝物:fluvoxamino acid, acetyl fluvoxamino acid

mw:434.41
mp:120〜124℃
★白色の結晶性の粉末で,においはない.
pKa1:1.8, pKa2:6.1, pKa3:8.5
★やや溶けにくい.
油水分配係数:18(n-オクタノール/PH7)

fluvoxamine maleate
デプロメール
Depromel
(明治)
―錠:25mg, 50mg
ルボックス
Luvox
(藤沢)
―錠:25mg, 50mg

◆使用上の注意改定指示
H13/01/12
H13/05/31
H14/10/30

塩酸パロキセチン水和物

〔効〕うつ病・うつ状態,パニック障害.

〔用〕(1)うつ病・うつ状態:成人1日1回夕食後20〜40mgを経口投与.投与は1回10〜20mgから開始し,原則として1週ごとに10mg/日ずつ増量する.なお,症状により1日40mgを超えない範囲で適宜増減する. (2)パニック障害:成人1日1回夕食後30mgを経口投与.投与は1回10mgから開始し,原則として1週ごとに10mg/日ずつ増量する.なお,症状により1日30mgを超えない範囲で適宜増減する.

〔禁〕本剤成分に過敏症の既往歴.MAO阻害薬を投与中あるいは投与中止後2週間以内の患者.チオリダジンを投与中の患者.

〔慎〕躁病の既往歴,てんかんの既往歴,緑内障,抗精神剤を投与中の患者,高齢者.

〔相〕併用禁忌:MAO阻害剤(塩酸セレギリン,チオリダジン). 併用注意:L-トリプトファン含有製剤(アミノ酸製剤,経腸成分栄養剤,炭酸リチウム,コハク酸スマトリプタン),フェノチアジン系抗精神病剤(ペルフェナジ),三環系抗うつ剤(塩酸アミトリプチリン,塩酸ノルトリプチリン,塩酸イミプラミン),抗不整脈剤(塩酸プロパフェノン,酢酸フレカイニド),β-遮断剤(マレイン酸チモロール,酒石酸メトプロロール),キニジン,シメチジン,フェニトイン,フェノバルビタール,ワルファリン,ジゴキシン,アルコール(飲酒).

〔副〕〔重大な副作用〕セロトニン症候群,悪性症候群,錯乱,痙攀,抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH),重篤な肝機能障害. 〔その他の副作用〕嘔気,傾眠,口渇,めまい.軽度〜中等度のGPT,γ-GTP上昇等.

〔服薬指導〕眠気,めまい等→自動車の運転等危険を伴う機械を操作するときは十分注意する.

〔作用機序〕
選択的セロトニン再取り込み阻害剤.シナプス間隙に放出されたセロトニンが再利用されるため再び神経に取り込まれる部位(セロトニントランスポーター)をブロックすることで,シナプス間隙におけるセロトニン濃度を高め,抑うつ状態を改善.

〔体内動態〕
Cmax:1.93ng/mL,
Tmax:4.61hr(10mg p.o.)
Cmax:6.48ng/mL,
Tmax:5.05hr(20mg p.o.)
Cmax:26.89ng/mL,
Tmax:4.58hr(40mg p.o.)
t1/2:14.35hr(20mg p.o.)
 14.98hr(40mg p.o.)
尿中排泄率:投与後168hr以内に約64%(糞中薬35%)
血漿たん白結合率:約95%
主に肝臓のCYP2D6で代謝

mw:374.84
★白色の結晶性の粉末.
★水に溶けにくい.

paroxetine HCl
パキシル
Paxil
(スミスクライン・ビーチャム)
―錠(劇):10mg, 20mg
添加物:マクロゴール400
フィルムコート錠

塩酸ミルナシプラン

〔効〕うつ病・うつ状態.

〔用〕通常,成人には,1日50mgを初期用量とし,1日100mgまで漸増し,食後,分割経口投与する.なお,年齢,症状により適宜増減する.
ただし,高齢者には,1日30mgを初期用量とし,1日60mgまで漸増し,食後,分割経口投与する.

〔禁〕本剤の成分に対して過敏症の既往歴のある患者,モノアミン酸化酵素阻害剤を投与中の患者,尿閉(前立腺疾患等)のある患者.

〔慎〕緑内障,排尿困難又は眼内圧亢進のある患者.心疾患のある患者.肝障害のある患者.腎障害のある患者.てんかん等の痙攣性疾患又はこれらの既往歴のある患者.躁うつ病患者.脳の器質障害又は精神分裂病の素因のある患者.小児.高齢者.

〔相〕併用禁忌:モノアミン酸化酵素阻害剤. 併用注意:アルコール,中枢神経抑制剤(バルビツール酸誘導体等),降圧剤(クロニジン等).

〔副〕〔重大な副作用〕悪性症候群(Syndrome malin). 〔その他の副作用〕起立性低血圧,頻脈,動悸,血圧上昇.眠気,めまい,ふらつき,立ちくらみ,頭痛,振戦,視調節障害,躁転,焦躁感,知覚減退(しびれ感等),不眠,頭がボーッとする,筋緊張亢進,アカシジア,勃起力減退,不安,被注察感,聴覚過敏,口部ジスキネジア,自生思考.発疹,そう痒感.口渇,悪心・嘔吐,便秘.腹痛,味覚異常,舌異常,食欲不振,食欲亢進,口内炎,下痢,飲水量増加.GOT,GPT,γ-GTPの上昇.けん怠感,排尿障害,発汗,鼻閉,頻尿,熱感,発熱,悪寒,関節痛,耳鳴,浮腫,息苦しい,トリグリセライドの上昇.

〔高齢〕高齢者での体内薬物動態試験で,血中濃度が上昇し,薬物の消失が遅延する傾向が認められているので,少量(1日30mg)から投与を開始するとともに患者の状態を観察しながら慎重に投与すること.

〔妊〕治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ.

〔乳〕投与しないことが望ましいが,やむを得ず投与する場合には授乳を避けさせること.

〔小児〕安全性は確立していない.

〔作用機序〕
セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害剤(SNRI).

〔体内動態〕
Cmax:40.8ng/mL,
Tmax:2.0hr(12.5mg p.o.)
Cmax:74.7ng/mL,
Tmax:2.0hr(25mg p.o.)
Cmax:161.9ng/mL,
Tmax:2.6hr(50mg p.o.)
Cmax:326.9ng/mL,
Tmax:2.6hr(100mg p.o.)
t1/2β:7.9hr(12.5mg)
尿中排泄率:約85%(48hr)
血漿たん白結合率:36.3%(投与後2hr)

mw:282.81
mp:約171℃(分解)
★白色の結晶性の粉末で,においはないか,又はわずかに芳香があり,味は苦い.
★水に極めて溶けやすい.

milnacipran HCl
トレドミン
Toledomin
(ヤンセン協和-旭化成)
―錠(劇):15mg, 25mg
フィルムコート錠
添加物:セタノール,ラウリル硫酸ナトリウム

◆使用上の注意改定指示
H13/10/17
H14/09/25


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