名称及び製剤 |
治療に関する項目 |
使用上の注意に関する項目 |
作用機序と体内動態 |
化学構造及び物性 |
アニラセタム |
〔効〕脳梗塞後遺症に伴う情緒障害(不安・焦燥,抑うつ気分)の改善.
〔用〕1日600mgを3回に分服.
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〔禁〕妊婦又は妊娠している可能性のある婦人.
〔副〕興奮,頭痛,頭重,眩暈,せん妄,不眠,眠気,精神不安定,嘔気,嘔吐,下痢,食欲不振,腹痛,発疹,そう痒感,貧血,肝障害,腎障害,顔面潮紅,耳鳴.
〔妊〕投与しない.
〔乳〕授乳を避ける.
〔小児〕安全性は確立していない.
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〔作用機序〕
脳内コリン作動系神経調節作用,シナプス伝達効率改善作用,ATP生成能促進などが関与すると考えられる.
〔体内動態〕
Cmax:4.2ng/mL,
Tmax:45min(600mg p.o.)
血漿たん白結合率:62.2〜71.3%
尿中排泄率:約63%(600mg p.o., 24hr代謝物として)
主な代謝物:アニスアミド酪酸, p-メトキシ馬尿酸
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mw:219.24
mp:119〜123℃
★白色の結晶性の粉末で,においはなく,味はわずかに苦い.
★溶けにくい.
油水分配係数:8.98(n-オクタノール/pH7.4)
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aniracetam
ドラガノン
Draganon
(日本ロシュ)
サープル
Sarpul
(富山)
―錠:100mg, 200mg |
イデベノン |
〔効〕次の疾患に伴う意欲低下,情緒障害,言語障害の改善:脳梗塞後遺症,脳出血後遺症,脳動脈硬化症.
〔用〕(内)1日90mgを3回食後に分服.
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〔副〕発疹,悪心,食欲不振,胃痛,下痢,興奮,振戦などの不随意運動,けいれん発作,多動,せん妄,徘徊,幻覚,頭痛,めまい,ふらつき,不穏,不眠,顆粒球減少,貧血,血小板減少,白血球減少,肝障害,腎障害,倦怠感,総コレステロール・トリグリセライドの上昇.
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〔作用機序〕
脳内Ach含量及び5-HTの代謝回転を促進,脳ミトコンドリア呼吸活性の賦活化により虚血性脳機能障害を改善する.
〔体内動態〕
Cmax:290ng/mL,
Tmax:3.31hr(30mg p.o.)
t1/2:7.69hr
尿中排泄率:32%(24hr)
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mw:338.44
mp:53〜55℃(分解)
★黄みのだいだい色〜だいだい色の結晶,結晶性の粉末又は塊においはない.
★ほとんど溶けない.
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idebenone
アバン
Avan
(武田)
―錠:30mg
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塩酸インデロキサジン |
〔効〕脳梗塞後遺症・脳出血後遺症・脳動脈硬化症に伴う意欲低下,情緒障害の改善.
〔用〕(内)1日60mgを3回に分服.
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〔慎〕肝障害.
〔副〕食欲不振,胃部不快感,嘔吐,嘔気,下痢,心窩部痛,腹痛,胸やけ,ふらつき,不安・興奮,眠気,めまい,しびれ感,振戦,不眠,頭痛,無気力,そう状態,肝障害,腎障害,発疹,胸痛,息苦しさ,発熱,口渇,そう痒,動悸.
〔妊〕投与しない.
〔乳〕授乳中止.
〔小児〕安全性は確立されていない.
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〔作用機序〕
5-HT,NA及びDAの取り込みを阻害.脳内のATP及びブドウ糖含量を増加することで脳神経伝達を促進し機能を改善する.
〔体内動態〕
Tmax:2〜4hr(20mg p.o.)
t1/2:3.7〜5.2hr(20mg p.o.)
血漿たん白結合率:94〜95%
尿中排泄率:4.1%(20mg p.o., 24hr)
主な代謝物:インデロキサジングルクロン酸抱合体及びインデン環のジヒドロジオール化, 更に左のモルホリン環の酸化.
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mw:267.76
mp:168〜172℃
★白色〜微黄色の結晶性粉末.においはなく収れん性の苦味がある.
pKa:約8.0
★溶けやすい.
油水分配係数:0.063(n-オクタノール/pH3.0), 7.36(n-オクタノール/pH7.0)
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indeloxazine HCl
エレン
Elen
(山之内)
ノイン
Noin
(シェリング・プラウ)
―錠:20mg
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シチコリン |
〔効〕〔用〕(注)(1)頭部外傷・脳手術に伴う意識障害:1回100〜500mgを1日1〜2回点滴静注・静注・筋注.
(2)脳梗塞急性期意識障害:発作後2週間以内に1日1回1000mgを2週間連日静注. (3)脳卒中後の片麻痺:1日1回1000mgを4週間連日静注.1日1回250mgを4週間連日静注し,改善傾向あれば更に4週間投与.
(4)パーキンソン病:1日1回500mgを3〜4週間静注,抗コリン剤を併用. (5)膵炎:1日1回1000mgを2週間連日静注,たん白分解酵素阻害剤と併用.
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〔禁〕本剤過敏歴.
〔慎〕薬剤過敏歴.
〔副〕〔重大な副作用〕ショック症状. 〔その他の副作用〕発疹,不眠,頭痛,眩暈,興奮,けいれん,脳卒中片麻痺で麻痺肢のしびれ感の発現・増強,悪心,食欲不振,肝機能検査値の異常,一過性の複視,熱感,一過性の血圧変動,倦怠感.
〔小児〕安全性は確立されていない.
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〔作用機序〕
ブドウ糖の脳内取り込みを促進し,虚血によって低下したAchの生合成を改善する.また,DA代謝回転を促進することにより意識障害を改善する.
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mw:488.34
mp:198℃(分解)
★白色の結晶性の粉末,においはない.
[α]20D:+17.2°(水)
pKa:4.4
★極めて溶けやすい.
★極めて吸湿性.
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citicoline
ニコリン
Nicholin
(武田)
―注:2mL中100mg, 10mL中500mg, 2mL中250mg
pH:6.5〜8.0
浸透圧比(生理食塩液対比):約0.7 (100mg, 500mg), 約2(250mg)
ニコリンH
Nicholin-H
(武田)
―注:2mL中500mg, 4mL中1000mg
pH:6.5〜8.0
浸透圧比(生理食塩液対比):3
ウベリン, エミコリン, エルホーレン, エンサイン, オーデス, サンコリン, プルベ, レコグナン, ノイコリス, ダイコリンF,
チスゲリンS, テーシコリン, ルピス
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塩酸チアプリド |
〔効〕(1)脳動脈硬化症に伴う攻撃的行為,精神興奮,徘徊,譫妄の改善.
(2)特発性ジスキネジア及びパーキンソニズムに伴うジスキネジア.
〔用〕(内)1日75〜150mgを3回に分服,パーキンソニズムに伴うジスキネジアでは1日1回25mgから投与開始.
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〔慎〕重篤な循環器障害,腎障害,高齢者,褐色細胞腫の疑い,脱水・栄養不良状態.
〔相〕併用注意:ベンザミド系薬剤との併用により副作用増強.中枢神経抑制薬・飲酒で中枢抑制増強.
〔副〕〔重大な副作用〕悪性症候群(無動絨黙,強度の筋強剛,嚥下困難,頻脈,血圧の変動,発汗,発熱),昏睡,けいれん.
〔その他の副作用〕不整脈,頻脈,胸内苦悶,血圧上昇・低下,パーキンソン症候群(振戦,筋強剛,運動減少,流涎,姿勢・歩行障害など),ジスキネジア,言語障害,咬痙,アカシジア,乳汁分泌,女性化乳房,月経異常,眠気,不眠,不安・焦躁,抑うつ,ぼんやり,性欲亢進,眩暈・ふらつき,口渇,頭痛・頭重,脱力・倦怠感,しびれ,排尿障害,尿失禁,耳鳴,悪心・嘔吐,腹痛・胃部不快感,食欲不振,食欲亢進,腹部膨満感,便秘,口内炎,下痢,肝障害,発疹,そう痒感,発熱,眼調節障害,ほてり.
〔高齢〕腎機能低下により血中濃度が高くなるおそれ.
〔乳〕授乳中止.
〔服薬指導〕眠気,眩暈・ふらつき→自動車の運転などの危険な機械操作を避ける.
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〔作用機序〕
中枢のD2-受容体を選択的に遮断する.
〔体内動態〕
Cmax:720ng/mL,
Tmax:2hr(100mg p.o.)
t1/2:3.91hr
血漿たん白結合率:10%以下
尿中排泄率:未変化体71.7%, N-脱エチル体9.3%
主な代謝物:N-脱エチル体
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mw:364.89
mp:約200℃(分解)
★白色〜微帯黄白色の結晶又は結晶性粉末.においはないか,わずか.
pKa:9.0
★極めて溶けやすい.
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tiapride HCl
グラマリール
Gramalil
(藤沢)
―細粒:1g中100mg(チアプリドとして)
―錠:25mg, 50mg(同)
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塩酸ビフェメラン |
〔効〕脳梗塞後遺症・脳出血後遺症に伴う意欲低下,情緒障害の改善.
〔用〕(内)1日150mgを3回に分服.
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〔慎〕高齢者
〔相〕ワルファリンとの併用でプロトロンビン時間の延長.
〔副〕胃腸出血,食欲不振,胃部不快感,腹痛,胸やけ,嘔気,嘔吐,下痢,口渇,にがみ,便秘,食道閉塞感,腹部膨満感,眠気,頭痛,興奮,不安,不眠,めまい,俳徊,焦燥感,せん妄,振戦,けいれん,ふらつき,歩行障害,発疹,そう痒感,肝障害,腎障害,貧血,白血球減少,血小板減少,倦怠感,胸痛,耳鳴,筋痛,しびれ感,コレステロール上昇.
〔妊〕投与しないことが望ましい.
〔乳〕授乳中止.
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〔作用機序〕
虚血時に見られる脳内NA, 5-HT, Ach及び神経ペプチドの低下を改善し脳血管性精神症状を改善する.
〔体内動態〕
Cmax:2.9ng/mL,
Tmax:5hr(50mg p.o.)
t1/2:3.3hr
血漿たん白結合率:約65〜98%
尿中排泄率:43.7%(p.o., 48hr)
主な代謝物:4-(2-benzyl-4-hydroxy)phenoxy-N-methyl butylamineの硫酸抱合体
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mw:305.85
mp:118〜122℃
★白色の結晶性粉末,においはなく,味は苦く,収れん性がある.
pKa:9.4
★溶けやすい.
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bifemelane HCl
アルナート
Alnert
(三菱化成,藤沢)
セレポート
Celeport
(エーザイ)
―顆粒:1g中50mg
―錠:50mg |
酒石酸プロチレリン |
〔効〕〔用〕(注)(1)昏睡,半昏睡を除く遷延性意識障害:頭部外傷では1日1回0.5〜2mgを,くも膜下出血では1日1回2mgを10日間静注・点滴静注.
(2)脊髄小脳変性症:1回0.5〜2mgを1日1回筋注・静注,2〜3週間連続投与(1クール). (3)下垂体TSH分泌機能検査:1回0.5rを静注・皮下注.
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〔慎〕心障害.
〔副〕〔重大な副作用〕血小板減少. 〔その他の副作用〕血圧・脈拍数変動,熱感,顔面潮紅感,動悸,胸部圧迫感,一過性の血圧低下,意識喪失,悪心,心窩部不快感,嘔吐,食欲不振,腹痛,口渇,異味感,肝障害,白血球減少,興奮,多弁,頭痛,眩暈,しびれ感,けいれん,振戦,不安,不眠,発疹,そう痒感,尿意,発熱,発汗,悪寒,倦怠感,脱力感,咽頭異和感,浮腫,排尿障害,乳房腫大,乳汁分泌.下垂体腫瘍患者で一過性の視野障害,貧血.
〔妊〕有益性が危険性を上回る場合のみ.
〔小児〕安全性は確立されていない.
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〔作用機序〕
下垂体前葉を刺激しTSH(thyroid stimulating hormone)及びプロラクチンの分泌を促進するTSH・プロラクチン分泌ホルモン.
〔体内動態〕
Cmax:16.66ng/mL,
Tmax:5min(2mg i.v.)
Cmax:8.94ng/mL,
Tmax:5min(2mg i.m.)
t1/2:4.5min(i.v.), 19.6min(i.m.)
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mw:530.49
mp:187℃(分解)
★白色〜微帯黄白色の結晶又は結晶性粉末.においはなく,酸味がある.
[α]20D:-51.8°(水)
★溶けやすい.
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protirelin tartrate
ヒルトニン
Hirtonin
(武田)
―注:1mL中0.5mg, 1mg, 2mg(プロチレリンとして)
pH:5.5〜6.5
浸透圧比(生理食塩液対比):約1
添加物:D-ソルビトール |
プロペントフィリン |
〔効〕脳梗塞後遺症・脳出血後遺症・脳動脈硬化症に伴う意欲低下,情緒障害の改善.
〔用〕(内)1日300mgを3回に分服.
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〔禁〕頭蓋内出血後の止血が未完成.
〔慎〕重篤な肝・腎障害.
〔副〕蕁麻疹,そう痒感,食欲不振,口渇,嘔気.腹痛,舌荒れ,軟便,肝障害,腎障害,頭痛,倦怠感,めまい,神経過敏,振戦,結膜充血,下肢浮腫,関節痛,血清K低下,口内炎,貧血,白血球減少.
〔妊〕投与しない.
〔乳〕授乳を避ける.
〔貯〕防湿.
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〔作用機序〕
脳虚血によって低下した脳血流量を増加することにより脳循環を改善する. またブドウ糖取り込みを回復し,効率的な酸化的リン酸化を促進する.
〔体内動態〕
Cmax:74.3ng/mL,
Tmax:5.67hr(100mg p.o.)
t1/2:34.2min
血漿たん白結合率:63%
尿中排泄率:89%(p.o., 24hr)
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mw:306.36
mp:70〜73℃
★白色結晶性粉末,においなく,味は苦い,
pKa:0.62
★やや溶けにくい,
油水分配係数:20(n-オクタノール/水)
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propentofylline
ヘキストール
Hextol
(ヘキスト)
―錠:100mg |
マレイン酸リスリド |
〔効〕脳梗塞後遺症・脳出血後遺症に基づく頭痛,抑うつ,不安・焦燥感の改善.
〔用〕(内)1日0.075mgを3回に分服.
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〔禁〕本剤過敏歴,頭蓋内出血発作後の止血未完成.
〔慎〕重篤な肝障害,高齢者.
〔副〕〔重大な副作用〕夜間せん妄,幻覚. 〔その他の副作用〕発疹,不眠,頭痛,眩暈,神経過敏,耳鳴,食欲不振,嘔気・嘔吐,胃部不快感,下痢,肝障害,腎障害,口囲のしびれ感,のぼせ感,傾眠,腹痛,消化不良,貧血,白血球増加,血小板減少・増加,BUNの上昇,総コレステロール,トリグリセライドの上昇,総たん白の減少,総コレステロールの低下,倦怠感.
〔妊〕投与しないことが望ましい.
〔乳〕乳汁の分泌が停止することがある.
〔貯〕遮光, 防湿.
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〔作用機序〕
ドパミン活性作用,セロトニン活性作用,α2-遮断作用により脳神経伝達機能を調整する.
〔体内動態〕
Cmax:2.7ng/mL
Tmax:2hr(0.2mg p.o.)
t1/2:9.9hr
尿中排泄率:90%(0.2mg p.o., 36hr)
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mw:454.53
mp:約195℃(分解)
★白色〜微黄白色若しくは灰白色の粉末.においはなく,味は苦い.
[α]20D:+277〜+291°(メタノール)
pKa:約6.7
★溶けにくい.
★麦角アルカロイド誘導体
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lisuride maleate
アポデール
Apodel
(明治)
オイナール
Eunal
(シェーリング)
―錠:0.025mg
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