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抗ヒスタミン薬


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名称及び製剤 治療に関する項目 使用上の注意に関する項目 作用機序と体内動態 化学構造及び物性
フマル酸クレマスチン(局)

〔効〕アレルギー性皮膚疾患(蕁麻疹,湿疹,皮膚炎,そう痒症),アレルギー性鼻炎.以下はシロップのみ:感冒など上気道炎に伴うくしゃみ・鼻水・咳嗽.

〔用〕(内)1日2mgを朝夕2回に分服.小児1日1〜2歳0.4mg, 3〜4歳0.5mg, 5〜7歳0.7mg, 8〜10歳1.0mg, 11〜14歳1.3mg.

〔禁〕緑内障,尿路閉塞性疾患,本剤過敏歴,狭窄性消化性潰瘍,幽門十二指腸潰瘍.

〔相〕併用注意:中枢神経抑制薬,飲酒で作用増強.抗コリン剤,MAO阻害剤で抗コリン作用増強.

〔副〕〔重大な副作用〕けいれん,興奮. 〔その他の副作用〕発疹,眠気,頭重,倦怠感,悪心・嘔吐,口渇,食欲不振,下痢.

〔妊〕有益性が危険性を上回る場合のみ.

〔乳〕授乳を中止.

〔服薬指導〕眠気→車の運転などを避ける.

〔作用機序〕
H1-受容体と持続的に強く結合することにより,ヒスタミンと拮抗する.抗ヒスタミン作用を現す用量では,中枢性の鎮静作用や抗コリン作用は弱い.抗ヒスタミン作用と血管透過性の抑制はクロルフェニラミンより強い.

〔体内動態〕
Cmax:14.5ng/mL,
Tmax:4hr(2mg p.o.)
尿中排泄率:44.6%(120hr)
主な代謝物:グルクロン酸抱合体

mw:459.97
mp:176〜180℃(分解)
★白色の結晶性の粉末で,においはない.
[α]20D:+16〜+18°(メタノール)
★ほとんど溶けない.

clemastine fumarate
タベジール
Tavegyl
(ノバルティス)
―散(劇):1g中1mg,10mg
―錠:1mg
―シロップ(劇):1mL中0.1mg
テルギンG
Telgin G
(高田,マルホ)
ラクレチン
Lacretin
(東京田辺)
―ドライシロップ(劇):1g中1mg

◆使用上の注意改定指示
H13/04/25

d-マレイン酸クロルフェニラミン(局)

〔効〕蕁麻疹,枯草熱,皮膚疾患に伴うそう痒(湿疹,皮膚炎,皮膚そう痒症),アレルギー性鼻炎,血管運動性鼻炎,錠・散は上記の他に血管運動性浮腫,薬疹,感冒など上気道炎に伴うくしゃみ・鼻汁・咳嗽.(注)は上記の他に薬疹,咬刺症.

〔用〕(内)1回2mgを1日1〜4回服用.復効錠:1日2錠を2回に分服.(注)1回5mgを1日1回皮下注・筋注・静注.

〔禁〕緑内障,尿路閉塞性疾患.未熟児・新生児,本剤過敏症.

〔慎〕眼内圧亢進,狭窄性消化器潰瘍,幽門十二指腸通過障害,甲状腺機能亢進症,循環器系疾患,高血圧症,高齢者.

〔相〕併用注意:(1)中枢神経抑制薬,MAO阻害薬,飲酒により相互に作用増強. (2)フェニルブタゾンの作用減弱. (3)ドロキシドパ,ノルエピネフリンで血圧の異常上昇. (4)ヘパリンナトリウム(カルシウム),ダルテパンナトリウムの作用減弱.

〔副〕〔重大な副作用〕ショック,けいれん,錯乱,再生不良性貧血,無顆粒球症. 〔その他の副作用〕発疹,頻尿,排尿困難,神経過敏,頭痛,焦燥感,複視,眠気,口渇,胸やけ,血小板減少,微弱脈,起立性低血圧,発汗,顔面蒼白.

〔妊〕有益性が危険性を上回る場合のみ.

〔貯〕(注)遮光.

〔服薬指導〕眠気→車の運転などを避ける.

〔作用機序〕
H1-受容体と強く結合することにより,ヒスタミンと拮抗する.光学異性体のうち,d型の活性はdl型の約2倍である.抗ヒスタミン薬の中では副作用が少なく,中毒量と治療量との差は動物実験で約1500倍である.

〔体内動態〕
Cmax:17.1ng/mL,
Tmax:2hr(12mg p.o.)
t1/2:12〜15hr
F:41%
Vd:3.2L/kg
CL:1.7mL/min/kg
結晶たん白結合率:30%
尿中排泄率:34%(48hr)
主な代謝物:monodesmethyl-chlorpheniramine
didesmethyl-chlorpheniramine

mw:390.87
mp:130〜135℃
★白色の結晶性の粉末で,においはなく,味は苦い.
[α]20D:+39.5〜+43.0°(ジメチルホルムアミド)
★極めて溶けやすい.

 

d-chlorpheniramine maleate
ポララミン
Polaramine
(高田,シェリング・プラウ)
―散:1g中10mg
―ドライシロップ:1g中2mg
―錠:2mg
―シロップ:1mL中0.4mg
―注:1mL中5mg
ポララミンR
Polaramine Repetabs
(高田,シェリング・プラウ)

―復効錠:6mg
<構造> 二層錠,速放性の外層と徐放性の内層からなる錠剤

配合剤
セレスタミン
Celestamine
(シェリング・プラウ)
―錠:1錠中d-マレイン酸クロルフェニラミン2mg
ベタメタゾン0.25mg
―シロップ:1mL中各0.4mg, 0.05mg

エンペラシン, クロコデミン, セレスターナ, ヒスタブロック, ピヘルス

 

〔効〕蕁麻疹,アレルギー性鼻炎,湿疹,接触皮膚炎,薬物反応.

〔用〕(内)1日1〜8錠(5〜40mL)を1〜4回に分服.小児は1回5mLを1日1〜4回.

〔禁〕緑内障,尿路閉塞性疾患,本剤過敏歴. 〔原則禁忌〕結核性疾患,消化性潰瘍,精神病,単純疱疹性角膜炎,後嚢下白内障,高血圧,血栓症,全身真菌症,電解質異常,急性心筋梗塞,最近行った内蔵の手術創のある患者.

〔慎〕感染症,糖尿病,骨粗鬆症,腎不全,甲状腺機能低下,肝硬変,脂肪肝,脂肪塞栓症,重症筋無力症,高齢者.

〔相〕併用注意:(1)中枢神経抑制薬,アルコール,MAO阻害剤等抗コリン作用のある薬剤で作用増強. (2)フェニルブタゾンの作用減弱. (3)ドロキシドパ,ノルエピネフリンにより血圧の異常上昇. (4)ヘパリンナトリウム(カルシウム),ダルテパリンナトリウムの作用減弱. (5)バルビツール酸誘導体,フェニトイン,リファンピシン,エフェドリンで作用減弱. (6)サリチル酸誘導体の併用時に副腎皮質ホルモン剤を減量すると,血清中のサリチル酸誘導体の濃度が増加しサリチル酸酸中毒. (7)抗凝血剤,経口糖尿病用剤の作用減弱. (8)利尿剤(カリウム保持性利尿剤を除く)との併用により低カリウム血症. (9)ソマトロピンの効果を減弱.

〔副〕〔重大な副作用〕誘発感染症,感染症の増悪,持続性副腎皮質機能障害,糖尿病,急性副腎不全,消化性潰瘍,膵炎,精神変調,うつ状態,けいれん,錯乱,骨粗鬆症,ミオパシー,大腿骨及び上腕骨等の骨頭無菌性壊死,緑内障,後嚢白内障,血栓症,再生不良性貧血,無顆粒球症,幼児の発育抑制. 〔その他の副作用〕過敏症,低血圧,心悸亢進,頻脈,期外収縮,溶血性貧血,白血球増多,血小板減少,浮腫,低カリウム性アルカローシス,血圧上昇.

〔高齢〕感染症の誘発,糖尿病,骨粗鬆症,後嚢白内障,緑内障等が現れやすいので,慎重に投与.

〔妊〕動物実験で催奇形作用,新生児に副腎不全,治療上の有益性が危険性を上回る場合投与.

〔乳〕授乳を避ける.

〔小児〕発育抑制,頭蓋内圧亢進症状が現れることがある.

〔備〕副腎皮質ホルモン剤を投与中の患者にワクチン(種痘等)を接種して神経障害,抗体反応の欠如報告.水痘あるいは麻疹の感染を避ける.

〔服薬指導〕眠気→車の運転などを避ける.

〔作用機序〕
アレルギーに対しそれぞれ異なる作用機序を有する二薬物の併用により,アレルギー症状の効果的な抑制とステロイド剤の用量の節減が配合の目的である.ヒスタミンの静注致死に対する防御作用,気管支収縮防御作用において併用による顕著な相乗効果が認められる.

塩酸シプロヘプタジン(局)

〔効〕皮膚疾患に伴うそう痒(湿疹・皮膚炎,皮膚そう痒症,薬疹),蕁麻疹,血管運動性浮腫,枯草熱,アレルギー性鼻炎,血管運動性鼻炎,感冒など上気道炎に伴うくしゃみ・鼻汁・咳嗽.

〔用〕(内)1日4〜12mgを1〜3回に分服.

〔禁〕緑内障,狭窄性胃潰瘍,幽門十二指腸閉塞,尿路閉塞性疾患,気管支喘息の急性発作時,新生児・未熟児,老齢の衰弱者,本剤過敏歴.

〔慎〕気管支喘息・既往歴,眼内圧亢進,甲状腺機能亢進症,心血管障害,高血圧症,乳児・幼児.

〔相〕併用注意:中枢神経抑制薬,MAO阻害薬,抗コリン作動薬,飲酒により相互に作用増強.

〔副〕〔重大な副作用〕錯乱,けいれん,幻覚,無顆粒球症. 〔その他の副作用〕発疹,眠気,倦怠感,頭痛,眩暈,いらいら感,興奮,口渇,悪心,下痢,腹痛,紫斑,血小板減少,白血球減少,頻尿,粘膜乾燥,浮腫,食欲亢進.

〔乳〕授乳中止.

〔貯〕遮光.

〔服薬指導〕眠気→車の運転などを避ける. アルコールを摂取すると作用が増強されるので注意.

〔作用機序〕
受容体においてヒスタミン及びセロトニンと拮抗する.抗ヒスタミン作用はクロルフェニラミンに匹敵し,抗セロトニン作用はLSDに匹敵する.抗コリン作用を有する他,摂食中枢を刺激するので,体重増加が見られる.

〔体内動態〕
Cmax:36〜50ng/mL,
Tmax:9hr(5mg p.o.)
尿中排泄率:67%〜77%(6day)
主な代謝物:グルクロン酸抱合体, 硫酸抱合体

mw:350.89
mp:252〜257℃
★白色〜微黄色の結晶性の粉末.においはなく,味はわずかに苦い.
★溶けにくい.

cyprohrptadine HCl
ペリアクチン
Periactin
(萬有)
―散(劇):1g中10mg
―錠:4mg
―シロップ:1mL中0.4mg

イフラサール, サイプロミン, シプロアチン

塩酸プロメタジン(局)

〔効〕(1)振戦麻ひ,パーキンソニズム. (2)麻酔前投薬,人工(薬物)冬眠. (3)感冒など上気道炎に伴うくしゃみ・鼻汁・咳嗽,アレルギー性鼻炎,枯草熱. (4)皮膚疾患に伴うそう痒(湿疹・皮肩炎,皮膚そう痒症,薬疹,中毒疹),蕁麻疹,血管運動性浮腫. (5)動揺病.

〔用〕(内)1回5〜25mgを1日1〜3回服用.振戦麻ひ,パーキンソニズム:1日25〜200mgを分服. (注)1回5〜50mg皮下注又は筋注.

〔禁〕フェノチアジン系薬過敏歴,昏睡状態,強力な中枢神経抑制薬投与中,緑内障,尿路閉塞性疾患.

〔慎〕肝障害.脱水・栄養不良状態.

〔相〕併用注意:(1)中枢神経抑制薬,降圧薬,アトロピン系薬,アルコール摂取で作用増強. (2)抗コリン作用薬で腸管麻ひ・麻ひ性イレウス.

〔副〕〔重大な副作用〕悪性症候群. 〔重大な副作用(外国)〕乳児突然死症候群(SIDS),乳児睡眠時無呼吸発作. 〔その他の副作用〕発疹,光線過敏症,肝障害,白血球減少,顆粒球減少,眠気,眩暈,倦怠感,頭痛,耳鳴,視覚障害,不安感,興奮,神経過敏,不眠,けいれん,悪心・嘔吐,口渇,食欲不振,下痢,腹痛,血圧上昇,低血圧,頻脈,起立性低血圧,発汗,咳嗽,振戦.

〔妊〕投与しないことが望ましい.

〔小児〕有益性が危険性を上回る場合のみ.

〔貯〕遮光, 室温保存(散,錠)

〔服薬指導〕眠気→車の運転などを避ける.

〔作用機序〕
H1-受容体と持続的に強く結合することにより,強力な抗ヒスタミン作用を現す.本剤の特徴として,抗アナフィラキシーショック作用と抗コリン作用がある.抗ヒスタミン薬の中では鎮静・催眠作用が強い.

〔体内動態〕
Tmax:約2hr(p.o.)
  約4hr(i.m.)
主な代謝物:プロメタジンスルフォキシド, ノルデスメチル体

mw:320.88
mp:約223℃(分解)
★白色〜淡黄色の粉末.においはない.
★極めて溶けやすい.

promethazine HCl
ヒベルナ
Hibema
(吉富)
ピレチア
Pyrethia
(シオノギ)
―細粒(劇):1g中100mg
―錠:5mg, 25mg
―注:1mL中25mg
pH:4.5〜6.0
浸透圧比(生理食塩液対比):約0.2
塩酸ホモクロルシクリジン(局)

〔効〕皮膚疾患に伴うそう痒(湿疹・皮膚炎,皮膚そう痒症,薬疹,中毒疹,小児ストロフルス),蕁麻疹アレルギー性鼻炎.

〔用〕(内)1日30〜60mgを3回に分服.

〔禁〕緑内障,尿路閉塞性疾患.

〔相〕併用注意:中枢神経抑制薬,MAO阻害薬,飲酒により相互に作用増強.

〔副〕発疹,頭痛,眩暈,眠気,倦怠感,悪心・嘔吐,口渇,食欲不振,便秘,排尿困難,喀痰喀出困難.

〔妊〕投与しないことが望ましい.

〔貯〕遮光,防湿.

〔服薬指導〕眠気→車の運転などを避ける.

〔作用機序〕
H1-受容体と結合することにより,抗ヒスタミン作用を現す.本剤の特徴は,通常の起炎物質(ヒスタミン,セロトニン,アセチルコリン)に拮抗するのみでなく,強い抗ブラジキニン作用を有することである.

mw:387.78
mp:約227℃(分解)
★白色〜微褐色の結晶又は結晶性の粉末.においはない.苦味を持つ.
pKa:3.6
★極めて溶けやすい.

homochlorcyclizine HCl
ホモクロミン
Homoclomin
(エーザイ)
―散(劇):1g中20mg
―錠:10mg

アーレル, サンタミン, ゼンクロミン

メキタジン

〔効〕気管支喘息,蕁麻疹,皮膚疾患に伴うそう痒(湿疹・皮膚炎,皮膚そう痒症),アレルギー性鼻炎.

〔用〕(内)1日6mgを2回に分服.気管支喘息:1日12mgを2回に分服.

〔禁〕フェノチアジン系薬過敏歴,緑内障,尿路閉塞性疾患.トリオキシサレン,メトキシサレンを投与中.

〔慎〕腎障害,高齢者.

〔相〕併用禁忌:トリオキシサレン,メトキシサレンとの併用で光線過敏症. 併用注意:中枢神経抑制薬,抗うつ薬,MAO阻害薬,アトロピン系薬,アルコール摂取で相互に作用増強.

〔副〕発疹,光線過敏症,肝障害,血小板減少,眠気,倦怠感,ふらふら感,頭痛,眩暈,口渇,胃部不快感,下痢,胃痛,食欲不振,嘔吐,便秘,腹痛,胸部苦悶感,心悸亢進,咽頭痛,浮腫,顔面潮紅,視調節障害,排尿困難.

〔妊〕投与しないことが望ましい.

〔貯〕遮光.

〔服薬指導〕眠気→車の運転などを避ける.

〔作用機序〕
各種の化学伝達物質(ヒスタミン,アセチルコリン,セロトニン,ブラジキニン)と拮抗し,かつ遊離を抑制する.本剤の特徴として,持続的な抗ヒスタミン作用と抗アレルギー作用が挙げられる,中枢抑制作用は弱い.

〔体内動態〕
Cmax:2.0ng/mL,
Tmax:5〜8hr(3mg p.o.)
t1/2:33〜39hr
尿中排泄率:約20%(48hr)
主な代謝物:モノ水酸化体, S-オキサイド, N-オキサイド, グルクロン酸抱合体

mw:322.47
mp:144〜149℃(分解)
★白色の結晶又は結晶性の粉末で,においはなく,味はわずかに苦い.
pKa:10〜12
★ほとんど溶けない.

mequitazine
ゼスラン
Zesulan
(旭化成)
ニポラジン
Nipolazin
(日本商事)
―錠:3mg

アリマン, キタゼミン, シークナロン, ネオスラント, ハレムニン, ヒスポラン

◆使用上の注意改定指示
H14/02/13

塩酸ジフェンヒドラミン(局)

〔効〕アレルギー性鼻炎.

〔用〕(注)1日1Aを静注.

〔禁〕緑内障,尿路閉塞性疾患,本剤又は臭素化合物過敏症,腎障害・脱水症・全身衰弱・器質的脳障害・うつ病・低塩食摂取中,ジギタリス剤投与中.

〔慎〕肝障害.

〔相〕中枢神経抑制薬,MAO阻害薬,アルコール摂取で相互に作用増強.

〔副〕発疹,紅斑,そう痒疹,動悸,頭痛,めまい,ふらつき,倦怠感,神経過敏,眠気,興奮,運動失調,抑うつ,構音障害,意識障害,口渇,悪心,嘔吐,食欲減退,下痢,座瘡.

〔妊〕投与しないことが望ましい.

〔乳〕授乳中止.

〔小児〕安全性は確立されていない.

〔服薬指導〕眠気→車の運転などを避ける.

〔作用機序〕
塩酸ジフェンヒドラミンはH1-受容体と結合して抗ヒスタミン作用を発揮する.また,臭化カルシウムは消炎作用を持つと考えられている.動物実験で,アレルギー性鼻炎に対する両者の協力効果が認められている.

〔体内動態〕
t1/2:8.5hr
F:72%
Vd:4.5L/kg
CL:6.2mL/min/kg
血漿たん白結合率:78%
治療域血漿中濃度: >25ng/mL(抗ヒスタミン作用)
30〜40ng/mL(ねむ気)
尿中排泄率:1.9%

mw:291.82
mp:166〜170℃
★白色の結晶又は結晶性の粉末.無臭.苦味があり,舌を麻ひする.
★溶けやすい.

diphenhydramine HCl
配合剤
レスタミンカルシウム
Restamin Calcium
(興和)
―注:5mL中
塩酸ジフェンヒドラミン20mg
臭化カルシウム175mg
pH:5.0〜7.0
浸透圧比(生理食塩液対比):1.6〜2.0

エバスチン

〔効〕蕁麻疹,湿疹・皮膚炎,痒疹,皮膚そう痒症,アレルギー性鼻炎.

〔用〕(内)1日5〜10mgを1日1回経口投与.

〔禁〕本剤過敏症の既往歴.

〔慎〕肝障害又はその既往歴.

〔相〕併用注意:エリスロマイシンとの併用で本剤の代謝物カレバスチンの血中濃度2倍に上昇

〔副〕〔重大な副作用〕類薬(テルフェナジン等)で,QT延長,心室性不整脈が現れるとの報告. 〔その他の副作用〕発疹,浮腫→中止,動悸,血圧上昇.眠気,倦怠感,頭痛,めまい,しびれ感.口渇,胃部不快感.嘔気・嘔吐,腹痛,鼻・口腔内乾燥,下痢,舌炎.GPT,GOT,LDH,γ-GTP,ALPの上昇.黄疸,ビリルビンの上昇.排尿障害.好酸球増多,BUN上昇,尿糖.腹部圧迫感,ほてり.月経異常,脱毛.

〔妊〕有益性が危険性を上回る場合のみ.

〔乳〕授乳を避ける.

〔小児〕安全性は確立していない.

〔高齢〕1日1回5mgから投与.

〔服薬指導〕本剤に基づく眠気→自動車の運転等に注意.本剤によりステロイド療法の減量→十分な管理下で徐々に行う.

〔作用機序〕
主な活性代謝物であるカレバスチンが,末梢ヒスタミンH1-受容体に対して選択的拮抗作用及びヒスタミン遊離抑制作用を発現し,アレルギー反応を抑制する.

〔体内動態〕
Cmax:204ng/mL(20mg p.o.空腹時),
Tmax:4.7hr(20mg p.o.空腹時)
t1/2:13.8hr
結晶たん白結合率:99.8%
主な代謝物:tert-ブチル基の逐次酸化物とその硫酸抱合体及びフェニル基4位の水酸化体.
尿中排泄率:5.7%(糞中93.2%)

mw:469.68
mp:84〜87℃
★白色の結晶又は粉末で,におい及び味はない.
pKa:8.87
★ほとんど溶けない.

ebastine
エバステル
Ebastel
(大日本,明治製菓)
―錠:5mg, 10mg

◆使用上の注意改定指示
H13/07/04
H14/09/25

塩酸セチリジン

〔効〕アレルギー性鼻炎,蕁麻疹,湿疹・皮膚炎,痒疹,皮膚そう痒症.

〔用〕(内)10mgを1日1回就寝前に経口投与.最高投与量は1日20mgまで.

〔禁〕本剤又はヒドロキシジンに過敏症既往歴.

〔慎〕腎障害,肝障害,高齢者.

〔副〕〔重大な副作用〕ショック,痙攣. 〔その他の副作用〕眠気,口渇,動悸,不整脈,白血球減少,好中球減少,浮腫,発疹,そう痒感,かぶれ,血管浮腫,霧視,結膜充血.

〔高齢〕低用量(例えば5mg)から投与を開始する.

〔妊〕有益性が危険性を上回る場合のみ投与する.

〔乳〕授乳を避ける.

〔小児〕安全性は確立していない.

〔服薬指導〕本剤に基づく眠気→自動車の運転等に従事しない.

〔作用機序〕
ヒスタミンH1受容体遮断作用と肥満細胞からのケミカルメディエーター(ロイコトリエンC4,D4及びプロスタグランジンD2)遊離抑制作用によりアレルギー反応時の即時相を改善するとともに,好酸球の遊走及び活性化の抑制作用により遅発相をも改善し,炎症の持続と進展を抑制する.

〔体内動態〕
Cmax:215ng/mL
Tmax:1.44hr(10mg p.o.)
t1/2:6.73hr
F:推定70%以上(腸肝循環の存在が推定される)
Vd:0.50L/kg
CL:87mL/min
血漿たん白結合率:92%
尿中排泄率:約50%
主な代謝物:酸化的O-脱アルキル体

mw:461.82
mp:204〜210℃(分解)
★白色の結晶性の粉末.
pKa1:2.85, pKa2:8.33
★極めて溶けやすい.
油水分配係数:24.3(n-オクタノール/pH7)

cetirizine HCl
ジルテック
Zyrtec
(第一製薬)
―錠:5mg, 10mg

◆使用上の注意改定指示
H13/11/28

塩酸オロパタジン

〔効〕アレルギー性鼻炎,蕁麻疹,皮膚疾患に伴うそう痒(湿疹・皮膚炎,痒疹,皮膚そう痒症,尋常性乾癬,多孔性滲出性紅斑).

〔用〕通常,成人には1日1回5mgを朝及び就寝前の1日2回経口投与する.

〔禁〕本剤の成分に対して過敏症の既往歴のある患者.

〔慎〕腎機能低下患者,高齢者,肝機能障害のある患者.

〔副〕紅斑等の発疹,そう痒,浮腫(顔面・四肢等),呼吸困難→中止.眠気,倦怠感,口渇,頭痛・頭重感,めまい,しびれ感,集中力低下,腹痛,腹部不快感,嘔気,下痢,口内炎・口角炎・舌炎,胸やけ,GOT,GPT,γ-GTP,LDH,Al-Pの上昇,総ビリルビンの上昇.白血球,好酸球の増多,白血球,リンパ球の減少,尿潜血,尿蛋白陽性,血中クレアチニン,BUNの上昇,血清コレステロール上昇,尿糖陽性,胸部不快感,体重増加.

〔高齢〕生理機能の低下が低下していることが多く副作用が発現しやすいので,低用量から投与を開始するなど患者の状態を観察しながら投与すること.

〔妊〕治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合のみ.

〔乳〕授乳を避ける.やむを得ず投与する場合は授乳中止.

〔小児〕安全性は確立されていない.

〔検〕本剤の投与は,アレルゲン皮内反応を抑制し,アレルゲンの確認に支障をきたすので,アレルゲン皮内反応検査を実施する前は本剤を投与しないこと.

〔注意〕(1)長期ステロイド療法を受けている患者で,本剤投与によりステロイド減量を図る場合には十分な管理下で徐々に行うこと. (2)本剤の使用により効果が認められない場合には,漫然と長期にわたり投与しない.

〔服薬指導〕眠気をきたすことがあるので自動車の運転等危険を伴う機械の操作には従事させない.

〔作用機序〕
強力で,選択的な抗ヒスタミン作用を発現する.ペプチドロイコトリエン等の各種ケミカルメディエーターやIL-6及びIL-8の産生・遊離抑制作用,好酸球の活性・遊走抑制作用,タキキニンの遊離抑制作用を有する.

〔体内動態〕
Cmax:107ng/mL,
Tmax:1.00hr(5mg p.o.)
Cmax:191ng/mL,
Tmax:0.92hr(10mg p.o.)
t1/2:8.75hr(5mg p.o.)
 7.13hr(10mg p.o.)
尿中排泄率:投与後48hrまでに63.0〜71.8%(未変化体)
血漿たん白結合率:約55%

mw:373.87
mp:約250℃(分解)
★白色の結晶性の粉末で,においはなく,味は苦い.
★水にやや溶けにくい.

Olopatadine HCl
アレロック
Allelock
(協和醗酵)
―錠:2.5mg, 5mg
フィルムコーティング錠

◆使用上の注意改定指示
H14/12/4

塩酸フェキソフェナジン

〔効〕アレルギー性鼻炎,蕁麻疹.

〔用〕通常,成人には1回60mgを1日2回経口投与する.なお,症状により適宜増減する.

〔禁〕本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者.

〔相〕併用注意:制酸剤(水酸化アルミニウム・水酸化マグネシウム含有製剤),エリスロマイシン.

〔副〕〔重大な副作用〕ショック→中止. 〔その他の副作用〕睡眠障害,頭痛,眠気,疲労,けん怠感,めまい,不眠,神経過敏,悪夢,嘔気,嘔吐,口渇,腹痛,下痢,消化不良,白血球減少.血管浮腫,発疹,そう痒,蕁麻疹,潮紅→中止.GOT上昇,GPT上昇→減量,休薬.胸痛,呼吸困難.

〔高齢〕高齢者では腎機能が低下していることが多く,腎臓からも排泄される本剤では血中濃度が上昇する場合があるので,異常が認められた場合には適切な処置を行うこと.

〔妊〕治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与.

〔乳〕本剤投与中は授乳を避けさせること.

〔小児〕安全性は確立していない.

〔検〕本剤は,アレルゲン皮内反応を抑制するため,アレルゲン皮内反応検査を実施する3〜5日前から本剤の投与を中止すること.

〔作用機序〕
塩酸フェキソフェナジンは,主な作用として選択的ヒスタミンH1受容体拮抗作用を有し,さらに炎症性サイトカイン産生抑制作用,好酸球遊走抑制作用及びケミカルメディエーター遊離抑制作用を有する薬剤である.

〔体内動態〕
Cmax:248ng/mL,
Tmax:2.2hr(60mg p.o.)
Cmax:564ng/mL,
Tmax:1.9hr(120mg p.o.)
t1/2:9.6hr(60mg p.o.)
 13.8hr(120mg p.o.)
CL:44.4L/hr(60mg p.o.)
 35.0(120mg p.o.)
尿中排泄率:11.1%(48hr)
血漿たん白結合率:69.4%以上

mw:538.12
★白色の結晶性の粉末.
★水に溶けにくい.
分配係数:2.0(オクタノール/水 pH7)

fexofenadine HCl
アレグラ
Allegra
(アベンティス)
―錠:60mg
フィルムコート錠


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