〔効〕(1)気管支喘息,急性気管支炎,慢性気管支炎,肺気腫の気道閉塞性障害に基づく諸症状の緩解. (2)腹圧性尿失禁.

〔用〕1日40μgを朝と就寝前の2回に分服.5歳以上の小児に1日0.6μg/kgを朝と就寝前の2回に分服.頓用として,5歳以上の小児に,1回0.3μg/kg. (2)腹圧性尿失禁：1日20μg,1日2回朝夕,60μgまで.

〔禁〕下部尿路が閉塞している患者,本剤過敏症.

〔慎〕甲状腺機能亢進症,高血圧,心疾患,糖尿病,高齢者.

〔相〕併用注意：カテコールアミンとの併用で不整脈・ときに心停止.キサンチン誘導体,ステロイド剤及び利尿薬.

〔副〕〔重大な副作用(外国)〕血清カリウム値の低下. 〔その他の副作用〕心悸亢進,頻脈,不整脈,振戦,筋痙直,頭痛,四肢しびれ感,興奮,不眠,眩暈,ねむけ,嘔気,食欲不振,腹痛,下痢,発疹,そう痒,全身倦怠感,浮腫,排尿障害.

〔服薬指導〕用法・用量どおり正しく使用しても効果が認められない時→投与中止.

〔作用機序〕
気道のアドレナリン-β2受容体に作用し,アデニル酸シクラーゼを活性化し,cAMPを増加させることにより気管及び気道平滑筋を弛緩させ,気管支けいれんの緩解と抗喘息作用を示す.

〔体内動態〕
Tmax：2〜3hr
t1/2：35hr
尿中排泄率：18〜22%(72hr)

mw：313.65
mp：約170℃(分解)
★白色〜微黄色の結晶性粉末で,においはない.
pKa：9.33
★やや溶けやすい.

clenbuterol HCl
スピロペント
Spiropent
(帝人)
―錠：10μg
―細粒：1g中20μg

トニール

〔効〕気道閉塞性障害に基づく諸症状の緩解：気管支喘息,小児喘息,肺気腫,急・慢性気管支炎,肺結核.〈錠〉珪肺結核.

〔用〕(内)1日12mgを3回に分服.重症1日24mg.小児1日0.3mg/kg.(外)1回0.3〜0.5mL, 小児1回0.1〜0.3mLを吸入.

〔禁〕本剤過敏歴.

〔慎〕甲状腺機能亢進症,高血圧,心疾患,糖尿病.

〔相〕カテコールアミンとの併用で不整脈・ときに心停止.

〔副〕(内)心悸亢進,脈拍増加,不整脈,血圧変動,頭痛,振戦,睡眠障害,めまい,眠気,興奮,下肢疼痛,食欲不振,悪心・嘔吐,下痢,発疹,そう痒感,口渇,口内炎,湿疹,発汗,(外)心悸亢進,脈拍増加,不整脈,頭痛,手指振戦,ねむけ,めまい,食欲不振,悪心・嘔吐.発疹.口渇,口内炎.

〔服薬指導〕用法・用量どおり正しく使用しても効果が認められない時→投与中止.

〔作用機序〕
塩酸クレンブテロールに同じ.

〔体内動態〕
Tmax：1〜2hr(10mg p.o.)
t1/2：1.5〜2hr
尿中排泄率：90%(24hr)

mw：576.71
mp：350℃以下で融解しない.
★白色〜微黄色の結晶性粉末で,においはなく,味は苦い.
★溶けやすい.

salbutamol sulfate
ベネトリン
Venetlin
(グラクソ,三共)
―錠：2mg
―シロップ：1mL中0.4mg
―吸入液：1mL中5mg

〔効〕気道閉塞性障害に基づく諸症状の緩解：<細粒,錠>気管支喘息,慢性気管支炎,喘息性気管支炎,気管支拡張症,肺気腫. <シロップ>気管支喘息,急性気管支炎,喘息様気管支炎. <注>気管支喘息.

〔用〕(内)1日12mgを3回に分服.小児5歳以下1日3mg, 6歳以上6mg. <シロップ>1日1歳未満3〜4mL, 1〜3歳未満4〜6mL, 5〜7歳未満8〜10mL. <注>1回1mL皮下注.小児5歳以下0.25mL, 6歳以上0.5mL.

〔禁〕本剤過敏症の既往歴.

〔慎〕甲状腺機能亢進症,高血圧,心疾患,糖尿病.

〔相〕併用注意：カテコールアミンとの併用で不整脈・ときに心停止.

〔副〕〔重大な副作用(外国)〕血清カリウム値の低下. 〔その他の副作用〕(内)動悸,頻脈,血圧変動,胸部圧迫感,手指の振戦・こわばり・しびれ感,頭痛,眩暈,ふらつき,悪心・嘔吐,食欲不振,発疹, (注)動悸,頻脈,顔面蒼白,手指の振戦,頭痛,ふらつき,悪心・嘔吐.

〔妊〕妊娠3か月以内は投与しない.

〔貯〕(細粒,錠)防湿.

〔服薬指導〕用法・用量どおり正しく使用しても効果が認められない時→投与中止.

〔作用機序〕
塩酸クレンブテロールに同じ.

〔体内動態〕
Tmax：2〜4hr(4mg p.o.)
t1/2：14hr
F：14%
Vd：1.8L/kg
CL：34mL/min/kg
血漿たん白結合率：25%
治療域血漿中濃度：2.3±1.8ng/mL
尿中排泄率：40%(p.o., 72hr)
主な代謝物：硫酸抱合体

mw：548.66
mp：約255℃(分解)
★白色〜帯褐白色の結晶又は結晶性粉末.においはないか,わずかな酢酸臭.
pKa：8.8, 10.1
★溶けやすい.

terbutaline sulfate
ブリカニール
Bricanyl
(アストラ,藤沢)
―細粒：1g中10mg
―錠：2mg
―シロップ：1mL中0.5mg
―注：1mL中0.2mg
pH：3.2〜4.2
浸透圧比(生理食塩液対比)：約1

コンボン, バセゾリン

〔効〕気管支喘息,慢性気管支炎,塵肺症に基づく諸症状の緩解：<散,錠>慢性気管支炎,気管支喘息,塵肺症.<シロップ>気管支炎,喘息様気管支炎,気管支喘息.<注,吸入>気管支喘息.

〔用〕(内)1日4〜12mgを2〜3回に分服.<シロップ>1日1歳未満1〜2mL, 1〜2歳2〜4mL, 3〜4歳4〜6mL, 3〜4回に分服.(外)1回0.25〜0.5mLを吸入.

〔慎〕甲状腺機能亢進症,高血圧,心疾患,糖尿病.

〔相〕カテコールアミンとの併用で不整脈・ときに心停止.

〔副〕(内)心悸亢進,血圧変動,胸部圧迫感,頭痛,振戦,めまい,熱感,悪心,食欲不振,発疹,口渇,(外)心悸亢進,頭痛,熱感,悪心,発疹.

〔妊〕有益性が危険性を上回る場合のみ.

〔貯〕(シロップ,吸入後)冷所.

〔服薬指導〕用法・用量どおり正しく使用しても効果が認められない時→投与中止.

〔作用機序〕
塩酸クレンブテロールに同じ.

〔体内動態〕
Tmax：30min以内(6mg p.o.)
尿中排泄率：13〜33%(24hr)
主な代謝物：トリメトキノール及びO-メチルトリメトキノールのグルクロナイド

mw：399.87
mp：約151℃(乾燥後,分解)
★白色の結晶又は結晶性粉末で,においはなく,味は苦い.
[α]20D：-16.5〜-20.0°(水)
pKa：9.58, 11.06
★やや溶けにくい.

trimetoquinol HCl
イノリン
Inolin
(田辺)
―散：1g中10mg
―錠：3mg
―シロップ：1mL中1mg
―吸入液：1mL中5mg

イザナミン, カルヨン, コフジャスト, タイソキノール, トスメリアン, ハンクベリー, ベペロン, メトコフ, ヨウメトキノール

〔効〕気管支喘息,慢性気管支炎,塵肺症,肺気腫に基づく諸症状の緩解：<錠,エアゾル>気管支喘息,慢性気管支炎,肺気腫,塵肺症. <シロップ>気管支喘息,喘息性気管支炎,急性気管支炎.

〔用〕(内)1日7.5mgを3回に分服.幼小児はシロップ1日0.75mL/kgを3回に分服. (外)1回1吸入(0.2mg), 2〜5分後効果不十分な場合更に1吸入.

〔禁〕カテコールアミン投与中,過敏症の既往歴.

〔慎〕甲状腺機能亢進症,高血圧,心疾患,糖尿病,高齢者.

〔相〕併用禁忌：カテコールアミンとの併用で不整脈・ときに心停止. 併用注意：キサンチン誘導体,ステロイド剤及び利尿薬で血清カリウム値の低下.

〔副〕〔重大な副作用(外国)〕重篤な血清カリウム低下. 〔その他の副作用〕(内)動悸,顔のほてり,頻脈,胸痛,手指の振戦,頭痛,口渇,嘔気,嘔吐,腹痛,食欲不振,胃部不快感,便秘,発疹,倦怠感,手指腫脹感. (外)動悸,頻脈,振戦,頭痛,嘔気,発疹,倦怠感.

〔妊〕有益性が危険性を上回る場合のみ.

〔小児〕安全性は確立していない.

〔貯〕遮光.

〔服薬指導〕用法・用量どおり正しく使用しても効果が認められない時→投与中止.

〔作用機序〕
塩酸クレンブテロールに同じ.

〔体内動態〕
Cmax：40ng/mL,
Tmax：2hr(5mg p.o.)
t1/2：7hr
血漿たん白結合率：45%
尿中排泄率：39%(48hr)
主な代謝物：硫酸抱合体

mw：384.27
mp：約230℃(分解)
★白色の結晶性粉末で,においはない.
pKa：8.0
★やや溶けやすい.

fenoterol HBr
ベロテック
Berotec
(ベーリンガー)
―錠：2.5mg
―シロップ：1mL中0.5mg
―エアゾル：1mL中4mg

エミテックス, ポルボノール, モンブルト.

〔効〕気道閉塞性障害に基づく諸症状の緩解：気管支喘息,急性気管支炎,喘息性気管支炎.<錠>肺気腫.

〔用〕(内)1日160μgを2回に分服, 小児1日4μg/kgを2〜3回に分服.標準投与量：0.5〜1歳未満20〜40μg, 1〜4歳未満40〜60μg, 4〜7歳未満60〜80μg, 7〜10歳未満80〜120μg, 10〜12歳120〜160μg.

〔慎〕甲状腺機能亢進症,高血圧,心疾患,糖尿病.

〔相〕併用注意：カテコールアミンとの併用で不整脈・ときに心停止.キサンチン誘導体,ステロイド剤及び利尿薬で血清カリウム値の低下.

〔副〕〔重大な副作用(外国)〕重篤な血清カリウム値の低下. 〔その他の副作用〕動悸,頻脈,心室性期外収縮,顔面潮紅,胸部圧迫感,振戦,頭痛,興奮,発熱・熱感,眠気,寝汗,耳なり,しびれ,不安感,眩暈,腹痛,胸やけ,そう痒感,発疹,口渇,のぼせ,疲労・倦怠感,悪心,嘔吐.

〔妊〕有益性が危険性を上回る場合.

〔貯〕防湿.

〔服薬指導〕用法・用量どおり正しく使用しても効果が認められない時→投与中止.

〔作用機序〕
塩酸クレンブテロールに同じ.

〔体内動態〕
Tmax：0.5〜1hr(200μg p.o.)
t1/2：2hr
血漿たん白結合率：61〜64%
尿中排泄率：13.8%(p.o., 10hr)
主な代謝物：ホルモテロールのグルクロナイド

mw：840.92
mp：約138℃(分解)
★白色〜帯黄白色の結晶性の粉末で,においはないか又はわずかに特異なにおいがある.
pKa：7.82, 8.53
★極めて溶けにくい.

〔効〕気道閉塞性障害に基づく諸症状の緩解：気管支喘息,慢性気管支炎,肺気腫. <顆粒,25μg錠,シロップ>他に喘息様気管支炎.

〔用〕(内)1回50μgを就寝前1回又は朝・就寝前の2回服用.小児6歳以上1回25μgを1日1〜2回, 6歳未満1回1.25μg/kgを1日2〜3回. 標準投与量：1歳未満10〜15μg, 1〜3歳未満15〜20μg, 3〜6歳未満20〜25μg. (外)1回成人2吸入(20μg), 小児1吸入(10μg).

〔禁〕本剤過敏症の既往歴.

〔慎〕甲状腺機能亢進症,高血圧,心疾患,糖尿病,妊婦・その可能性.

〔相〕併用注意：カテコールアミンとの併用で不整脈・ときに心停止.キサンチン誘導体,ステロイド剤及び利尿剤で血清カリウム値の低下.

〔副〕〔重大な副作用(外国)〕重篤な血清カリウム低下. 〔その他の副作用〕(内)心悸亢進,振戦,頭痛,眩暈,不眠,耳鳴,手指の痙縮,吐気,口渇,胃部不快感,皮疹,顔面潮紅,全身倦怠感,熱感,鼻閉. (外)心悸亢進,心電図異常,血圧上昇,熱感,顔面ののぼせ,冷汗,振戦,手のしびれ,頭痛・頭重,眩暈,脱力感,眠気,嘔気・悪心,気管・咽喉頭部異常感,鼻閉,呼吸困難,聴覚異常,血小板減少.

〔妊〕治療上の有益性が危険性を上回る場合.

〔貯〕遮光.

〔備〕(外)吸入後にうがいを実施.

〔服薬指導〕用法・用量どおり正しく使用しても効果が認められない時→投与中止.

〔作用機序〕
塩酸クレンブテロールに同じ.

〔体内動態〕
Cmax：1.4ng/mL,
Tmax：2hr(100μg p.o.)
t1/2：8.4hr
尿中排泄率：
　9.54%(p.o., 24hr)
　7.0%(吸入液, 6hr)
　12.9%(エアゾル, 6hr)

mw：335.83
mp：193〜197℃(分解)
★白色〜微黄白色の結晶又は結晶性の粉末でにおいはない.光によって徐々に着色する.
pKa：7.35, 9.37
★やや溶けやすい.

〔効〕気管支喘息,急性気管支炎,慢性気管支炎,肺気腫の気道閉塞性障害に基づく諸症状の緩解.

〔用〕(内)1日100μgを朝・就寝前の2回に分服,頓用：1回50μg. 6歳以上の小児1日50〜100μg.

〔禁〕カテコールアミン製剤を投与中.

〔慎〕甲状腺機能亢進症,高血圧,心疾患,糖尿病.

〔相〕併用禁忌：カテコールアミンとの併用で不整脈・ときに心停止. 併用注意：キサンチン誘導体,ステロイド剤及び利尿薬の併用で血清カリウム値の低下.

〔副〕〔重大な副作用(外国)〕重篤な血清カリウム値の低下. 〔その他の副作用〕心悸亢進,不整脈,振戦,頭痛,ふらつき感,筋痙直,発疹,そう痒感,肝障害,口渇,悪心,嘔吐.

〔妊〕有益性が危険性を上回る場合のみ.

〔貯〕遮光.

〔服薬指導〕用法・用量どおり正しく使用しても効果が認められない時→投与中止.

〔作用機序〕
塩酸クレンブテロールに同じ.

〔体内動態〕
Cmax：319pg/mL,
Tmax：2〜3hr(50μg p.o.)
t1/2：19.5hr
Cmax：437pg/mL,
Tmax：3hr(小児, 25μg p.o.)
t1/2：10hr(小児)
尿中排泄率：64%(72hr)

mw：347.21
mp：193〜210℃(分解)
★白色〜微黄白色の結晶又は結晶性の粉末で,においはない.
pKa：約9.55
★やや溶けやすい.
★ラセミ体.

mabuterol HCl
ブロンコリン
Broncholin
(科研)
―錠：25μg, 50μg