〔効〕(1)激しい下痢症状の改善・術後などの腸管蠕動運動の抑制. (2)激しい疼痛時における鎮痛・鎮静・鎮痙. (3)激しい咳嗽発作における鎮咳.

〔用〕(内)1日アヘン末100mg(散として1g)を分服又は1日1.5mLを水剤として分服.

〔禁〕重篤な呼吸抑制,気管支喘息発作中,重篤な肝障害,慢性肺疾患に続発する心不全,けいれん状態,急性アルコール中毒,アヘンアルカロイド過敏症,出血性大腸炎. 〔原則禁忌〕細菌性下痢患者.

〔慎〕心・肝・腎・呼吸機能障害,脳器質障害,ショック状態,代謝性アシドーシス,甲状腺機能低下症,副腎皮質機能低下症,薬物依存歴,新生児,乳児,高齢者,衰弱者,前立腺肥大による排尿障害,器質的幽門狭窄,麻痺性イレウス.

〔相〕併用注意：中枢神経抑制薬,吸入麻酔薬,MAO阻害薬,三環系抗うつ薬,β-遮断薬,クマリン系抗凝血薬の作用増強.アルコールにより作用増強.抗コリン作動性薬剤で便秘,尿貯留,ジドブジンのクリアランス低下,ブプレノルフィン(高用量)で拮抗.

〔副〕〔重大な副作用〕依存性,呼吸抑制,錯乱,せん妄,無気肺・気管支けいれん・咽頭浮腫,麻痺性イレウス・中毒性巨大結腸. 〔その他の副作用〕不整脈,血圧変動,眠気,眩暈,不安,不隠,興奮,視調節障害,発汗,悪心,嘔吐,便秘,口渇,発疹,そう痒感→中止.排尿障害,頭蓋内圧の亢進,顔面潮紅.

〔高齢〕呼吸抑制の感受性が高いので低用量から開始.

〔貯〕遮光.

〔服薬指導〕眠気,眩暈→自動車の運転など危険な機械操作を避ける.

〔作用機序〕
含有されるモルヒネ,コデインの腸管内cAMP減少による水分吸収抑制,アセチルコリン遊離抑制による胃腸運動抑制,腸管平滑筋の緊張亢進,パパペリンの胃腸運動抑制が止潟作用を起こす.

★末：黄褐色〜暗褐色,特異なにおいがある.
★散：淡褐色,特異なにおいがある.
★ケシから得たアヘンを均質な粉末としたもの.モルヒネを9.5〜10.5%含有する.その他約20種類のアルカロイドを含む.

opium
(三共,武田,大日本)
―末
―散：1g中100mg
―チンキ：1mL中モルヒネとして10mg