名称及び製剤 |
治療に関する項目 |
使用上の注意に関する項目 |
作用機序と体内動態 |
化学構造及び物性 |
センナエキス |
〔効〕便秘症.
〔用〕(内)1回80mgを就寝前に服用.高度の便秘には1回160〜240mg.連用する場合1日120〜240mgを3回ごと食後に分服.
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〔禁〕本剤又はセンノシド製剤に過敏歴.急性腹症,けいれん性便秘,重症の硬結便.電解質失調.
〔原則禁忌〕妊婦・妊娠の可能性.
〔副〕腹痛,悪心・嘔吐,腹鳴.
〔服薬指導〕尿が着色(黄褐〜赤)することがある.
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〔作用機序〕
配糖体センノシドA,Bを含み,胃では吸収されず大腸管内で活性化合物に変換し,腸粘膜を刺激,反射性に蠕動運動を惹起. 大腸刺激性アントラキノン系下剤.
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mw:862.75
AとBは10,10'位の立体異性体
センノシドA:mp:200〜240℃(分解)
センノシドB:mp:180〜186℃(分解)
★白黄褐色〜褐色の粉末,特異臭.やや苦い.
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senna extract
アジャストA
Adjust-A
(興和)
―錠:40mg
ヨーデルS
Yodel S
(藤本)
―錠:80mg
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配合剤
アローゼン
Alosenn
(科薬)
―顆粒:1g中センナ葉577.9mg
センナ実385.3mg
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〔効〕(1)便秘(けいれん性便秘は除く), (2)駆徐剤投与後の下剤.
〔用〕(内)1回0.5〜1.0gを1日1〜2回に服用.
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〔禁〕本剤又はセンノシド製剤に過敏歴.急性腹症,けいれん性便秘,重症の硬結便.
〔原則禁忌〕妊婦・その可能性.
〔副〕腹痛,悪心・嘔吐,腹鳴.
〔服薬指導〕尿が着色(黄褐〜赤)することがある.
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センノシド |
〔効〕便秘症.
〔用〕(内)1回1〜2錠を就寝前に服用.高度便秘:1回4錠まで.
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〔禁〕本剤又はセンノシド製剤に過敏歴.急性腹症,けいれん性便秘,重症の硬結便.電解質失調.
〔原則禁忌〕妊婦・その可能性.
〔副〕腹痛,悪心・嘔吐,腹鳴.
〔貯〕防湿.
〔服薬指導〕赤色尿をみることがある.
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〔作用機序〕
主成分センノシドA,Bは大腸で腸内細菌叢により加水分解し活性成分レインアンスロンに変換.蠕動運動の亢進.大腸刺激性アントラキノン系下剤.
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★プルセニドはセンナ配糖体のカルシウム塩:淡褐 色〜褐色の粒又は粉末,.無臭又はわずかに特異なにおいがあり,味はわずかに苦い.
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sennoside
プルゼニド
Pursennid
(ノバルティス)
―錠:12mg
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ピコスルファートナトリウム |
〔効〕〔用〕(内)(1)各種便秘症・術後排便補助:<錠>1日1回5〜7.5mg,7〜15歳は5mg.
<液>1日1回10〜15滴(0.67〜1mL)を水と共に服用. 小児は6か月以下2滴, 7〜12か月3滴, 1〜3歳6滴, 4〜6歳7滴,
7〜15歳10滴. (2)造影剤(硫酸バリウム)投与後の排便促進:<錠>1日1回5〜7.5mg. <液>6〜15滴(0.40〜1.0mL).
(3)大腸検査前処置における腸内容物排除:<液>検査10〜15時間前に150mg(20mL).
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〔禁〕急性腹部疾患(虫垂炎,腸出血,潰瘍性結腸炎など).
〔副〕虚血性大腸炎,腹痛,悪心,嘔吐,腹鳴,腹部膨満感,蕁麻疹,発疹,GOT・GPTの上昇.
〔貯〕遮光.
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〔作用機序〕
腸内細菌叢由来の酵素による加水分解で活性化され腸管蠕動運動を亢進,水分吸収を阻害.
大腸刺激性ジフェニルピリジルメタン系下剤.
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mw:499.42
mp:260℃以上(分解)
pKa:5.5
★白色の結晶性粉末,におい及び味はない.
★極めて溶けやすい.
★吸湿性.
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sodium picosulfate
ラキソベロン
Laxoberon
(帝人,藤沢)
―錠:25mg
―液:1mL中7.5mg
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ビサコジル |
〔効〕便秘症,消化管検査時又は手術前後における腸管内容物の排除.
〔用〕(外)1回1個を1日1〜2回肛門内に挿入.
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〔禁〕急性腹症,けいれん性便秘,重症の硬結便,肛門裂創,潰瘍性痔核.
〔副〕直腸刺激感,直腸炎,腹部不快感,腹痛,肛門部痛,過敏症→中止,局所不快感.
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〔作用機序〕
大腸粘膜に選択的に作用,蠕動運動を亢進し水分吸収を抑制,排便反射を刺激.
大腸刺激性ジフェニルピリジルメタン系下剤.
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mw:361.40
mp:132〜136℃
★白色の結晶性粉末,におい及び味はない.
★極めて溶けにくい.
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bisacodyl
テレミンソフト
Teleminsoft
(HMR)
―坐剤:1号(幼児用)1個中2mg
3号(成人用)1個中10mg
坐剤基剤:ウイテプゾール |
加香ヒマシ油 |
〔効〕便秘症,食中毒における腸管内容物の排除.消化管検査時・手術前後における腸管内容物の排除.
〔用〕(内)成人15〜30mL(最高60mL), 小児5〜15mL,
乳幼児1〜5mLをそのまま又は水,牛乳などに浮かべて頓用.
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〔禁〕急性腹症,けいれん性便秘,重症の硬結便,ヘノポジ油・メンマなどの脂溶性駆除剤投与中,リン・ナフタリンなどの脂溶性物質による中毒時.
〔副〕悪心・嘔吐,腹痛,過敏症→中止.
〔妊〕投与しないことが望ましい.
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〔作用機序〕
十二指腸でリパーゼにより加水分解されて刺激性のリチノール酸に変換,リチノール酸が小腸粘膜を刺激し,蠕動運動亢進による潟下作用.
小腸刺激性下剤.
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★無色〜類黄色の澄明の粘性油液オレンジ又はハッカの芳香がある. |
aromatic castor oil
―液:100mL中
ヒマシ油99mL
オレンジ油0.5mL
ハッカ油0.5mL |
クエン酸マグネシウム |
〔効〕大腸検査(X線・内視鏡)前処置における腸内容物排除,腹部外科手術時における前処置用下剤.
〔用〕(内)1回200〜250mL(27〜34g)を検査予定時間の10〜15時間前に服用.
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〔禁〕急性腹症,腎障害,重症の硬結便.
〔慎〕心機能障害,高Mg血症,胃切除の既往歴,小児,高齢者,衰弱者.
〔相〕併用注意:テトラサイクリン系抗生物質の吸収阻害.
〔副〕腹痛,悪心,嘔吐,腹部膨満感,腹鳴,熱感,潮紅,しびれ,顔面そう白,血圧低下,眩暈.ふらつき,脱力感,不快感.
〔妊〕投与しないことが望ましい.
〔小児〕投与しないことが望ましい.
〔貯〕液:涼しい場所,遮光. 散:防湿.
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〔作用機序〕
腸管から吸収されにくく,腸管内の浸透圧が高張となり,腸内容が膨大して蠕動亢進.塩類下剤.
〔体内動態〕
消化管からはほとんど吸収されない.
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MgHC6H5O7・5H2O
mw:304.51
★白色〜淡黄色の粉末,無臭.
★約5倍の水に溶解,経時的に又は結晶水を失うことにより水に難溶になる.
マグコロール:無色〜微黄色の澄明液体,オレンジの芳香と甘酸味を有する.
★本品は白色の粉末で,わずかに特異なにおいがあり,味はわずかに塩辛い. |
magnesium citrate
マグコロール
Magcorol
(堀井)
―散:1g中680mg
―液:1mL中136mg |
ニフレック
Niflec
(HMR)
―1袋中(137.155g)に塩化ナトリウム 2.93g, 塩化カリウム 1.485g,
炭酸水素ナトリウム 3.37g, 無水硫酸ナトリウム 11.37g, マクロゴール4000 118.0g
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〔効〕大腸内視鏡検査及び大腸手術時の前処置における腸管内容物の排除.
〔用〕1袋を約2Lの水に溶解し,1回溶解液を2〜4Lを1時間当たり約1Lの速さで経口投与.排出液が透明になった時点で投与終了し4L以上の投与はしない.
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〔禁〕胃腸管閉塞症,腸管穿孔,中毒性巨大結腸症.
〔慎〕狭心症,陳旧性心筋梗塞,腎機能障害.
〔副〕蕁麻疹等の発疹,嘔吐・嘔気,悪心,腹鳴,胸痛,頭痛,発熱,低血糖発作,尿ケトン体の陽性化,血糖値及び尿酸値の上昇,GOT・GPT・LDHの上昇,尿蛋白異常,白血球数・血清カリウムの異常.
〔高齢〕生理機能が低下しているので減量するなどの注意.
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〔作用機序〕
本質的には,大量の水分により機械的に腸管内を洗浄するものであるが,電解質を加えることにより洗浄効果を高めたものと考えられる. |
★白色の粉末で,わずかに特異なにおいがあり,味はわずかに塩辛い. |