フルオロウラシル |
〔効〕皮膚悪性腫瘍(有棘細胞癌,基底細胞癌,皮膚付属器癌,皮膚転移癌,ボーエン病,パジェット病,放射線角化腫,老人性角化腫,紅色肥厚症,皮膚細網症,悪性りんぱ腫の皮膚転移).
〔用〕(外)1日1〜2回塗布.閉鎖密封療法(ODT)が望ましい.
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〔副〕〔重大な副作用〕激しい疼痛→ステロイド軟膏併用・中止.
〔その他の副作用〕光線過敏症,色素沈着,塗布部の疼痛,発赤,爪の変形・変色,皮膚炎,局所出血.
〔乳〕授乳の安全性未確立→授乳中止.
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〔作用機序〕
主としてDNA前駆体の合成阻害に基づくと考えられ,腫瘍細胞内に取り込まれてウラシルと同じ経路でF-dUMPに転換,dUMPと拮抗してチミジル酸合成酵素を抑制し,DNA生合成を阻害.他方mRNA,
tRNA, rRNAにも取り込まれて異常成分を作り,細胞増殖を阻害.
〔体内動態〕
Cmax:0.92μg/mL,
Tmax:10min(300mg p.o.)
F:28%
Vd:0.25L/kg
CL:16mL/min/kg
血漿たん白結合率:
7.5%(1μg/mL
10.3%(10μg/mL)
尿中排泄率:約10%
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mw:130.08
mp:約282℃(分解)
★白色の結晶又は結晶性の粉末で,においはない.
pKa:8.01
★やや溶けにくい.
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硫酸ブレオマイシン |
〔効〕皮膚悪性腫瘍.
〔用〕(外)1日1回閉鎖密封療法(ODT).ODTが困難な場合1日2〜3回単純塗布.
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警告:間質性肺炎・肺線維症などの重篤な肺症状を呈する症例が報告されている.特に60歳以上の高齢者及び肺に基礎疾患を有する患者への投与は,使用上の注意に十分留意すること.労作性呼吸困難,発熱,咳,捻髪音(ラ音),胸部レントゲン異常陰影,A-aDo2,
PaO2, DLcoの異常などの初期症状が現われた場合は直ちに中止し,.適切な処置を行う. |
〔禁〕重篤な肺機能障害,胸部レントゲン写真上でびまん性の線維化病変及び著明な病変,本剤・ペプロマイシン過敏歴,重篤な腎障害,重篤な心疾患.
〔慎〕肺障害の既往歴又は合併症,高齢者,腎障害,心疾患,胸部に放射線療法,肝障害,水痘.
〔相〕併用禁忌:胸部・周辺部への放射線併用は避ける. 併用注意:他の抗悪性腫瘍剤,放射線との併用で肺症状などの増強.
〔副〕重篤な間質性肺炎・肺線維症→中止・副腎皮質ホルモン・抗生剤投与による治療,塗布部の疼痛,過敏症.
〔乳〕授乳中の安全性未確立.
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〔作用機序〕
Fe2+キレートの形で,O2存在下にDNAと結合し,DNAの一本鎖切断を起こし,細胞分裂を阻害する.扁平上皮癌に強い感受性を示す.
〔体内動態〕
Tmax:6hr以内
尿中排泄率:70〜90%(12hr)
主な代謝物:deamide体
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mw:1611.70(A2)
mp:一定融点を示さない.
★白色〜黄白色粉末.
pKa:2.7, 4,7, 7.5
★溶けやすい.
★放線菌Streptomyces verticillusの培養ろ液から抽出分離.
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