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ビタミンB


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名称及び製剤 治療に関する項目 使用上の注意に関する項目 作用機序と体内動態 化学構造及び物性
コカルボキシラーゼ

〔効〕(1)ビタミンB1欠乏症の予防・治療. (2)ビタミンB1補給:消耗性疾患,甲状腺機能亢進症,妊産婦,授乳婦,激しい肉体労働時. (3)ウェルニッケ脳炎,脚気衝心. (4)ビタミンB1の欠乏・代謝障害が関与すると推定される次の疾患:神経痛,筋肉痛,関節痛,末梢神経炎,末梢神経麻ひ,中枢神経障害(脱髄性疾患,脊髄炎),心筋代謝障害,ケトーシス(糖尿病,自家中毒症).

〔用〕(注)1日1〜50mgを皮下・筋注・静注.

〔禁〕本剤過敏歴.

〔副〕ショック症状,発疹→中止.

〔作用機序〕
補酵素型ビタミンB1である.糖・たん白・脂質代謝で,TCAサイクルの関門として重要な位置を占めるピルビン酸の脱炭酸反応や,TCAサイクル反応のα-ケトグルタール酸の脱炭酸反応に関与.トランスケトラーゼの補酵素として5炭糖リン酸回路での糖代謝,核酸代謝に関与.

〔体内動態〕
Cmax:3.47μg/mL,
Tmax:5min(10mg i.v.)
主な代謝物:チアミン

mw:478.78
mp:238〜240℃
★白色の結晶又は結晶性の粉末で,においはないか,又はわずかに特異なにおいがある.
★極めて溶けやすい.
原体:酵母から結晶として分離された.

cocarboxylase
カルボキシン
Carboxin
(トーアエイヨー,山之内)
―注:50mg
ヌトラーゼ
Nutraze
(杏林)
―注:10mg, 20mg, 50mg
用時溶解
pH:5.3〜7.3
浸透圧比(生理食塩液対比):約1

塩酸チアミン(局)

〔効〕(1)ビタミンB1欠乏症の予防・治療. (2)ビタミンB1補給:消耗性疾患,甲状腺機能亢進症,妊産婦,授乳婦,激しい肉体労働時. (3)ウェルニッケ脳炎,脚気衝心. (4)ビタミンB1の欠乏・代謝障害が関与すると推定される神経痛,筋肉痛,関節痛,末梢神経炎,末梢神経麻ひ,心筋代謝障害.

〔用〕(内)1日1〜30mgを1〜3回に分服. (注)1日1〜50mgを皮下・筋注・静注.

〔禁〕(注)本剤過敏歴.

〔慎〕(注)薬物過敏歴.

〔副〕〔重大な副作用〕血圧降下,胸内苦悶,呼吸困難→中止. 〔その他の副作用〕発疹→中止.

〔貯〕遮光.

〔作用機序〕
ATP存在下にチアミン-二リン酸(コカルボキシラーゼ)に変換し生理作用に関与.コカルボキシラーゼを参照.

mw:337.27
mp:約245℃(分解)
★白色の結晶又は結晶性粉末.においはないか又はわずかに特異なにおいがある.
pKa:4.85
★溶けやすい.

thiamine HCl
メタボリン
Metabolin
(武田)
―散:1g中10mg
―注:1mL中10mg, 50mg, 2mL中20mg
pH:2.5〜4.5
浸透圧比(生理食塩液対比):約1(1mL中50mg) 約2(1mL中10mg, 2mL中20mg)
添加物:チオグリコール酸(1mL中50mg)

塩酸フルスルチアミン(局)

〔効〕(1)ビタミンB1欠乏症の予防・治療. (2)ビタミンB1補給:消耗性疾患,甲状腺機能亢進症,妊産婦,授乳婦,激しい肉体労働時. (3)ウェルニッケ脳炎,脚気衝心. (4)ビタミンB1の欠乏・代謝障害が関与すると推定される神経痛,筋肉痛,関節痛,末梢神経炎,末梢神経麻ひ,心筋代謝障害,中枢神経障害(脊髄炎,脳血管障害),便秘などの胃腸運動機能障害,術後腸管麻ひ.

〔用〕(内)1日25〜100mgを1〜3回食直後に分服. (注)1日5〜100mgを静注.

〔禁〕(注)本剤過敏歴.

〔慎〕薬物過敏歴.

〔副〕〔重大な副作用〕(注)血圧降下,胸内苦悶,呼吸困難→中止. 〔その他の副作用〕(注)発疹→中止.悪心,嘔吐,下痢,舌炎,頭痛,頻尿.

〔貯〕遮光.

〔作用機序〕
易吸収性ビタミンB1である.ビタミンB1に比べ細胞内によく取り込まれ,多量のコカルボキシラーゼを生成して生理学的・生化学的にビタミンB1の欠乏又は代謝障害を改善する.

〔体内動態〕
Tmax:3hr(50mg p.o.)
t1/2:2.7hr
尿中排泄率:
 ビタミンB1部分95%(48hr)
 側鎖部分90%(48hr)
主な代謝物:ビタミンB1と側鎖部分とに分かれる.

mw:435.01
★白色の結晶又は結晶性粉末.においはないか,又はわずかに特異なにおいがあり,味は苦い.
★溶けやすい.

fursultiamine HCl
アリナミンF
Alinamin-F
(武田)
―錠:5mg, 25mg, 50mg
―注:1mL中5mg, 2mL中10mg, 10mL中25mg, 20mL中50mg, 100mg
pH:3.0〜4.3
浸透圧比(生理食塩液対比):約5
(1mL中5mg, 2mL中10mg)
pH:3.3〜4.3
浸透圧比(生理食塩液対比):約5
(10mL中25mg, 20mL中50mg)
pH:2.7〜4.3
浸透圧比(生理食塩液対比):約9
(20mL中100mg)

フラビンアデニンジヌクレオチドナトリウム(局)

〔効〕(1)ビタミンB2欠乏症の予防・治療. (2)ビタミンB2の補給(消耗性疾患,妊産婦,授乳婦,激しい肉体労働時). (3)下記疾患のうち,ビタミンB2の欠乏・代謝障害が関与すると推定される場合:口角炎,口唇炎,口内炎,舌炎,肛門周囲・陰部びらん,急・慢性湿疹,脂漏性湿疹,ペラグラ,尋常性座瘡,酒さ,日光皮膚炎,結膜炎,びまん性表層角膜炎,角膜部周擁充血,角膜脈管新生.

〔用〕(内)1日5〜45mgを1〜3回に分服. (注)1日1〜40mgを1〜2回に分けて皮下・筋注・静注.

〔貯〕(注)遮光. (シロップ)遮光.

〔備〕尿を黄変させ,臨床検査値に影響を与えることがある.

〔服薬指導〕(錠)本剤は腸溶錠なので,かまずにそのまま服用すること.

〔注意〕静脈内注射の場合,注射速度が速すぎると一過性の胸部不快感を訴えることがあるので,できるだけゆっくり注射すること.

〔作用機序〕
補酵素型ビタミンB2である.フラビン酵素の補酵素として細胞内の酸化還元系やミトコンドリアにおける電子伝達系に働き,糖・たん白・脂質などの生体内代謝に広く関与.

mw:829.52
★だいだい黄色〜淡黄褐色の粉末で,においはないか,又はわずかに特異なにおいがある.味はわずかに苦い.
★溶けやすい.
★吸湿性.
★光によって分解.

flavin adenine dinucleotide sodium
フラビタン
Flavitan
(トーアエイヨー,山之内)
―錠:5mg, 10mg
添加物:黄色5号
―シロップ:1mL中3mg
添加物:ソルビン酸カリウム, 香料
―注:1mL中5mg, 10mg, 2mL中20mg
pH:5.1〜6.1
浸透圧比(生理食塩液対比):約1
添加物:ベンジルアルコール

酪酸リボフラビン(局)

〔効〕(1)高コレステロール血症. (2)ビタミンB2欠乏症の予防・治療. (3)ビタミンB2の欠乏・代謝障害が関与すると推定される口角炎,口唇炎,舌炎,脂漏性湿疹,結膜炎,びまん性表層角膜炎. (4)ビタミンB2の補給(消耗性疾患,妊産婦,授乳婦,激しい肉体労働時).但し,錠40mgは(1)のみ,シロップは(2)(3)のみ.

〔用〕(内)1日5〜20mgを2〜3回に分服.高コレステロール血症では1日60〜120mgを2〜3回に分服.

〔副〕食欲不振,悪心,下痢,胃部不快感,胃部膨満感.

〔備〕尿を黄変させ,臨床検査値に影響を与えることがある.

〔作用機序〕
ビタミンB2である.小腸・肝でリン酸化されてFMN,更に大部分はATPの作用によりFADに合成.これらがフラビン酵素の補酵素として細胞内の酸化還元系やミトコンドリアにおける電子伝達系に働く.

〔体内動態〕
Cmax:87μg/mL,
Tmax:2〜4hr(60mg p.o.)
尿中排泄率:0.02%(120mg p.o., 4hr)

mw:656.73
mp:146〜150℃
★燈黄色の結晶又は結晶性粉末.わずかに特異なにおい.わずかに苦い.
★ほとんど溶けない.
★光によって分解する.

riboflavin tetrabutyrate
ハイボン
Hibon
(東京田辺)
―細粒:1g中100mg, 200mg
―顆粒:1g中100mg
―錠:20mg, 40mg
―シロップ:1mL中20mg
リン酸ピリドキサール

〔効〕(1)次の疾患のうち,ビタミンB6の欠乏や代謝障害の関与が推定される場合:口角炎,口唇炎,口内炎,舌炎.急・慢性湿疹,脂漏性湿疹,接触性皮膚炎,アトピー皮膚炎,尋常性座瘡.末梢神経炎.放射線障害(宿酔). (2)ビタミンB6の補給(消耗性疾患,妊産婦,授乳婦など). (3)ビタミンB6依存症(ビタミンB6反応性貧血など). (4)ビタミンB6欠乏症の予防・治療(薬物投与によるものを含む例:イソニアジド).

〔用〕(内)1日10〜60mgを1〜3回に分服. (注)1日5〜60mgを1〜2回に分けて皮下・筋注・静注.

〔相〕レボドパの作用を減弱.

〔副〕発疹→中止.悪心,食欲不振,腹部膨満感. (注)注射部位の発赤,疼痛,皮下硬結.

〔貯〕(注)遮光.

〔作用機序〕
補酵素型ビタミンB6である.生体内で糖から生成するケト酸と反応してアミノ酸を新生するほか,ポルフィリンを生合成し,更に鉄を取り入れてヘムの生成促進、上皮細胞機能を強化,皮膚粘膜新陳代謝を円滑にする.ヒスタミナーゼの補酵素となって作用する.

mw:265.16
★微黄白色〜淡黄色の結晶性の粉末で,においはない.
★溶けにくい.
★光によって変化.

pyridoxal phosphate
ピドキサール
Pydoxal
(日本ルセル,中外)
ピロミジン
Pyromijin
(山之内)
―散:1g中100mg (ピロミジン)
―錠:10mg, 20mg, 30mg (ピドキサール, ピドミジン)
―注:1mL中10mg, 30mg (ピドキサール, ピドミジン), 2mL中50mg (ピドミジン)
pH:6.0〜7.0
浸透圧比(生理食塩液対比):約1(1mL中10mg), 約3(1mL中30mg)
添加物:ベンジルアルコール, ピロ亜硫酸ナトリウム (ピドキサール)
pH:5.5〜7.5
浸透圧比(生理食塩液対比):約1(1mL中10mg), 約2(1mL中30mg, 2mL中50mg)
添加物:亜硫酸水素ナトリウム, ベンジルアルコール,ブドウ糖 (ピロミジン)
コバマミド

〔効〕(1)ビタミンB12欠乏症の予防・治療. (2)ビタミンB12の補給(消耗性疾患,甲状腺機能亢進症,妊産婦,授乳婦). (3)巨赤芽球性貧血,広節裂頭条虫,悪性貧血に伴う神経障害,吸収不全症候群(スプルー). (4)ビタミンB12の欠乏・代謝障害が関与すると推定される場合:栄養性・妊娠性貧血,胃切除後の貧血,肝障害に伴う貧血,放射線による白血球減少症,神経痛,末梢神経炎・末梢神経麻ひ,筋肉痛・関節痛,中枢神経障害(脊髄炎,変性疾患).

〔用〕(内)1日1500μgまでを1〜3回に分服. (注)1回0.5〜1mgまでを筋注.

〔副〕過敏症→中止.悪心,嘔吐,食欲不振,胃部不快感.

〔貯〕遮光.

〔作用機序〕
補酵素型ビタミンB12である.グルタミン酸を核酸前駆物質のメチルアスパラギン酸にして核酸合成に直接関与.たん白合成能は強力で,網状赤血球内でのロイシンのたん白合成能はシアノコバラミン又はヒドロキソコバラミンの約3倍.ヘム合成の前段階に関与し,ヘモグロビン値を上昇.

〔体内動態〕
尿中排泄率:8%(コバマミド0.5nmol相当 p.o.)

mw:1579.60
★暗赤色の結晶又は結晶性あるいは無晶性の粉末である.
pKa:3.5
★やや溶けやすい.
★極めて吸湿性.
★光により分解.

cobamamide
カロマイド
Calomide
(山之内)
コバマイド
Cobamyde
(協和発酵)
ハイコバール
Hycobal
(エーザイ)
―注:250μg, 500μg (カロマイド, コバマイド)
―散:0.1% (カロマイド)
―カプセル:500μg (カロマイド, ハイコバール)
―注
:0.5mg, 1mg/A (カロマイドS注, コバマイド注)
添加物:D-マンニトール, パラオキシ安息香酸メチル, パラオキシ安息香酸プロピル
―注:0.5mg/A (コバマイドS)
添加物:パラオキシ安息香酸メチル, D-マンニトール
用時溶解
浸透圧比(生理食塩液対比):約1
pH:5.0〜8.0 (カロマイド)
pH:5.5〜7.5 (コバマイド)
pH:5.0〜7.0 (ハイコバール)
ヒドロキソコバラミン

〔効〕コバマミドに準ずる.ただし,中枢神経障害には適応なし.

〔用〕(注)1回1mgまでを筋注・静注.

〔禁〕本剤過敏歴.

〔副〕一過性の発疹,そう痒感,アナフィラキシー様反応→中止.

〔貯〕遮光,冷所.

〔作用機序〕
ビタミンB12である,多くの代謝系に関与し,正常な発育,造血,神経組織のミエリン鞘形成などに不可欠で,核酸合成すなわち細胞再生産に必須DNA合成過程で必要な葉酸活性化により間接的DNA合成に関与し,ヘム合成に関与.髄鞘の形成促進作用,ダリア細胞での核酸・たん白代謝の改善に関与.

〔体内動態〕
Cmax:60ng/mL,
Tmax:5hr(100μg i.m.)
尿中排泄率:27%(72hr)
主な代謝物:補酵素型B12, メチルコバラミン

mw:1346.37
mp:200℃で黒変するが300℃でも融解しない.
★暗赤色の結晶又は結晶性の粉末で,においはない.
★溶けやすい.

hydroxocobalamin
レヂソールH
Redisol-H
(萬有)
―注:1mL中1mg
pH:3.8〜4.4
浸透圧比(生理食塩液対比):約1

メコバラミン

〔効〕末梢性神経障害. (注)ほかにビタミンB12欠乏による巨赤芽球性貧血.

〔用〕(内)1日1.5mgを3回に分服. (注)1日1回500μgを週3回静注・筋注.巨赤芽球性貧血の場合,約2か月投与した後,維持療法として1〜3か月に1回500μg投与.

〔副〕食欲不振,悪心,嘔吐,下痢,発疹.
(注)〔重大な副作用〕アナフィラキシー様反応→中止. 〔その他の副作用〕発疹→中止.頭痛,発熱感,発汗,筋肉注射部位の疼痛,硬結,

〔貯〕遮光. (錠)防湿.

〔作用機序〕
補酵素型ビタミンB12の一種である.ホモシステインからメチオニンを合成するメチル基転移反応に重要な役割を果たす.メチオニン合成反応を通じて貯蔵型葉酸の利用促進とともにt-RNAのメチル化など核酸代謝にも関与.

〔体内動態〕
Cmax:22ng/mL,
Tmax:54min(500μg i.m.)
Vd:6.45L/kg(i.v.)
CL:0.42mL/min/kg(i.v.)

mw:1344.40
mp:約200℃で黒変し,約240℃で分解
★暗赤色の結晶又は結晶性粉末.においはない.味はほとんどない.
pKa:2.7
★溶けにくい.
★吸湿性.
★光により変化.

mecobalamin
メチコバール
Methycobal
(エーザイ)
―細粒:1g中1mg
―錠:250μg, 500μg
―注:1mL中500μg
pH:5.3〜7.3
浸透圧比(生理食塩液対比):約1
添加物:D-マンニトール
配合剤
ネオラミン・スリービー
Neolamin 3B
(日本化薬)
―注:10mL中
チアミンジスルフィド(VB1) 50mg
塩酸ピリドキシン(VB6) 100mg
ヒドロキソコバラミン(VB12) 1mg
pH:3.0〜5.0
浸透圧比(生理食塩液対比):約1

〔効〕(1)本剤に含まれるビタミン類の補給(消耗性疾患,妊産婦,授乳婦). (2)本剤に含まれるビタミン類の欠乏・代謝障害が関与すると推定される場合:神経痛,筋肉痛・関節痛,末梢神経炎・末梢神経麻ひ.

〔用〕(注)1日1回10mLを緩徐に静注.

〔禁〕本剤・チアミンジスルフィド過敏歴.

〔相〕レボドパの作用を減弱(ビタミンB6による).

〔副〕全身皮膚紅潮,血圧低下,胸内苦悶,呼吸困難,けいれん→中止,発疹,そう痒感→中止.悪心・嘔吐,局所疼痛.

〔乳〕授乳中止.

〔貯〕遮光,25℃以下.

〔作用機序〕
いずれも神経の代謝に関係の深いビタミンである.本剤投与は各単独投与よりも,神経細胞の増殖及び神経機能と密接な関連をもつ膜の構成成分であるリン脂質の合成促進,神経の外科的損傷時の再生促進,糖尿病神経炎における神経伝導速度の低下と神経線維の形態学的変化の正常化において優れている.

〔体内動態〕
チアミンジスルフィド
Tmax:約1.2hr(i.v.)
尿中排泄率:42%(1hr), 67%(24hr)
主な代謝物:コカルボキシラーゼ
塩酸ピリドキシン
Tmax:15分(s.c.)
尿中排泄率:ほとんど排泄(3hr)
主な代謝物:ピリドキサール-5'-ホスフェイト
ヒドロキソコバラミン
t1/2:500day
主な代謝物:α-グロブリンとの結合体

チアミンモノホスファイトジスルフィド

mw:562.73
mp:無水物 177℃ HCl塩 231℃(分解)
★白色〜淡黄色の微細結晶性粉末.においなし.味はやや苦い.
★ほとんど溶けない.

塩酸ピリドキシン(局)

mw:205.64
mp:206℃(分解)
★白〜微黄色の結晶性粉末.においはなく,味は苦く,酸味がある.
★溶けやすい.


酢酸ヒドロキソコバラミン(局)

mw:1406.42
mp:200℃で暗色化するが300℃でも融解しない.
★暗赤色の結晶又は粉末.においはない.
★溶けやすい.
★吸湿性.

ビタミンB複合剤
ノイロビタン
Neurovitan
(藤沢)
―錠:オクトチアミン(VB1) 25mg
リボフラビン(VB2) 2.5mg
塩酸ピリドキシン(VB6) 40mg
シアノコバラミン(VB12) 250μg

〔効〕(1)本剤に含まれるビタミン類の補給(消耗性疾患,妊産婦,授乳婦). (2)本剤に含まれるビタミン類の欠乏・代謝障害が関与すると推定される場合.神経痛,筋肉痛,関節痛,末梢神経炎,末梢神経麻ひ.

〔用〕(内)1日1〜3錠を分服.

〔相〕レボドパの作用を減弱(ビタミンB6による).

〔副〕腹部膨満,便秘,嘔気,下痢,めまい.

〔注意〕尿を黄変させ,臨床検査値に影響.(ビタミンB2による).

〔作用機序〕
含有するビタミンはいずれも神経の代謝に関係の深いビタミンである.本剤投与は各単独投与よりも,神経細胞の増殖及び神経機能と密接な関連をもつ膜の構成成分であるリン脂質の合成促進,神経の外科的損傷時の再生促進,糖尿病神経炎における神経伝導速度の低下と神経線維の形態学的変化の正常化において優れている.

〔体内動態〕
チアミンジスルフィド
 Tmax:約1.2hr(i.v.)
 尿中排泄率:42%(1hr), 67%(24hr)
 主な代謝物:コカルボキシラーゼ
塩酸ピリドキシン
 Tmax:15分(s.c.)
 尿中排泄率:ほとんど排泄(3hr)
 主な代謝物:ピリドキサール-5'-ホスフェイト
ヒドロキソコバラミン
 t1/2:500day
 主な代謝物:α-グロブリンとの結合体


オクトチアミン

mw:544.76
mp:約120℃(分解)
★白色〜帯微黄白色の粉末で,においはなく,味はないか又はわずかに苦味がある.
★ほとんど溶けない.

ビタミンB複合剤
ビタノイリン
Vitaneurin
(武田)
―カプセル(25)
フルスルチアミン(VB1) 25mg
リボフラビン(VB2) 2.5mg
リン酸ピリドキサール(VB6) 15mg
ヒドロキソコバラミン(VB12) 125μg
―カプセル(50)
フルスルチアミン(VB1) 50mg
リボフラビン(VB2) 5mg
リン酸ピリドキサール(VB6) 30mg
ヒドロキソコバラミン(VB12) 250μg
―注
フルスルチアミン(VB1) 50mg
リン酸ピリドキサール(VB6) 50mg
ヒドロキソコバラミン(VB12) 1mg
用時溶解
pH:2.9〜4.9
浸透圧比(生理食塩液対比):約5
添加物:塩化第二鉄

〔効〕ノイロビタンに準ずる.

〔用〕(内)1日1〜4カプセルを分服. (注)1日1Vを用時20%ブドウ糖注に溶解し,緩徐に静注.

〔禁〕(注)本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者.

〔相〕レボドパの作用を減弱(ビタミンB6による).

〔副〕発疹,そう痒感→中止.悪心,嘔吐,食欲不振,胃部不快感,腹部膨満感,下痢,口渇,胃痛,不眠,頻尿. (注)〔重大な副作用〕ショック→中止. (注)〔その他の副作用〕頭痛,めまい,上肢しびれ感,心悸亢進.

〔貯〕遮光.

〔注意〕尿を黄変させ,臨床検査値に影響.(ビタミンB2による).

〔作用機序〕
ノイロビタンに準ずる.

 
ビタミンB複合剤
ビタメジンS
Vitamedin-S
(三共)
―散:1g中
ベンフォチアミン(VB1) 100mg
塩酸ピリドキシン(VB6) 100mg
塩酸ヒドロキソコバラミン(VB12) 1mg
―カプセル
ビタミンB1 25mg
ビタミンB6 25mg
ビタミンB12 250μg
―カプセル(50)
ビタミンB1 50mg
ビタミンB6 50mg
ビタミンB12 500μg
添加物
 散:香料
 カプセル,カプセル(50):赤色3号, 黄色5号, 青色1号, ラウリル硫酸ナトリウム, 亜硫酸水素ナトリウム

〔効〕ノイロビタンに準ずる.本剤に含まれるビタミン類の需要が増大し,食事からの摂取が不十分な際の補給(消耗性疾患,妊産婦,授乳婦)など,本剤に含まれるビタミン類の欠乏又は代謝障害が関与すると推定される場合,神経痛,筋肉痛,関節痛,末梢神経炎,末梢神経麻痺.

〔用〕(内)散:1日0.75〜1g, カプセル:1日3〜4カプセルを分服. カプセル50:1日1〜2カプセルを分服.

〔相〕レボドパの作用を減弱(ビタミンB6による).

〔副〕発疹,そう痒感→中止.食欲不振,胃部不快感,悪心,嘔吐,下痢.

〔貯〕防湿.

〔作用機序〕
ネオラミン・3Bに準ずる.

ベンフォチアミン

mw:466.45
★白色の結晶又は結晶性の粉末で,においはなく,味は苦い.
★溶けにくい.

塩酸ヒドロキソコバラミン

mw:1382.83
★暗赤色の結晶又は結晶性の粉末で,においはない.
★溶けやすい.

ビタメジン
Vitamedin
(三共)
―注
チアミンモノホスフェイトジスルフィド(VB1) 100mg
塩酸ピリドキシン(VB6) 100mg
シアノコバラミン(VB12) 1mg
用時溶解
pH:約4.5
浸透圧比(生理食塩液対比):約0.7(注射用水20mLに溶かす), 約5(20%ブドウ糖注射液20mLに溶かす)
添加物:D-マンニトール400mg

〔効〕ノイロビタンに準ずる.

〔用〕(注)1日1Vを緩徐に静注(3分以上)・点滴静注.

〔禁〕本剤の成分に対し過敏症の既往歴.

〔相〕レボドパの作用を減弱(ビタミンB6による).

〔副〕〔重大な副作用〕ショック:血圧低下,胸内苦悶,呼吸困難→中止し適切な処置を行うこと. 〔その他の副作用〕過敏症:発疹,そう痒感→中止.消化器:悪心,嘔吐.その他:熱感,悪寒,発熱,肛門部その他にそう痒感,ピリピリ感→溶解液の液量を増やし,注射速度を緩徐にする.

〔作用機序〕
ノイロビタンに準ずる.


チアミンモノホスフェイトジスルフィド

mw:722.66
mp:約175℃(分解)
★白色〜微黄色の結晶性の粉末で,においはない.
★やや溶けやすい.

ニコチン酸アミド(局)

〔効〕(1)ニコチン酸欠乏症の予防・治療(ペラグラなど). (2)ニコチン酸の補給(消耗性疾患,妊産婦,授乳婦,激しい肉体労働時など). (3)ニコチン酸の欠乏や代謝障害の関与が推定される場合:口角炎,口内炎,舌炎,接触皮膚炎,急・慢性湿疹,光線過敏性皮膚炎,メニエール症候群,末梢循環障害,耳鳴,難聴.

〔用〕(内)1日25〜200mgを分服.

〔高齢〕高齢者では生理機能が低下しているので減量するなど注意すること.

〔貯〕遮光.

〔作用機序〕
ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド,ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸エステルに組み込まれ,脱水素酵素の補酵素として広く生体内の酸化還元反応にあずかる.基質となる化合物はアルコール,各種の有機酸,アミノ酸,糖,脂質など極めて広範囲にわたる.

mw:122.13
mp:128〜131℃
★白色の結晶又は結晶性の粉末で,においはなく,味は苦い.
★溶けやすい.

nicotinamide
(ゾンネボード,鳥居)
―散:1g中100mg
パンテチン(局)

〔効〕(1)パントテン酸の欠乏又は代謝障害が関与すると推定される場合:脂質代謝障害,高コレステロール血症,ストレプトマイシン・カナマイシンによる副作用の予防・治療,急・慢性湿疹,血液疾患の血小板数・出血傾向の改善.(内)弛緩性便秘.(注)術後腸管麻ひ. (2)パントテン酸の補給(消耗性疾患,甲状腺機能亢進症,妊産婦,授乳婦など). (3)パントテン酸欠乏症の予防・治療.

〔用〕(内)1日30〜180mgを1〜3回に分服. 脂質代謝障害・高コレステロール血症:1日600mgを3回に分服. 弛緩性便秘・血液疾患:1日300〜600mgを1〜3回に分服.(注)1日20〜100mgを1〜2回に分けて皮下・筋注・静注. 術後腸管麻ひ・血液疾患:1日200mg.

〔副〕(内)下痢・軟便,食欲不振,腹部膨満,嘔吐. (注)腹部膨満,腹痛,下痢,軟便,悪心.

〔高齢〕注意:生理機能が低下のため.

〔貯〕防湿.

〔作用機序〕
体内でCoenzyme A(CoA)となって,そのアセチル化能によりコリン及び酢酸塩を神経刺激のchemical mediatorであるACh及びアセト酢酸に変える.また脂肪酸,ステロイド,ポルフィリンなどの合成,分解及びアミノ酸,脂肪,赤血球の正常な形成に関与.

mw:554.72
★無色〜微黄色の澄明な粘性の液.
[α]20D:+15.0〜+18.0°(水)
★混和する.
★光によって分解する.

pantethine
パントシン
Pantosin
(第一)
―散:1g中200mg
―細粒:1g中500mg
―錠:30mg, 60mg, 100mg, 200mg
―注:1mL中100mg, 2mL中100mg, 200mg
pH:4.2〜5.2
浸透圧比(生理食塩液対比):約2(1mL中100mg), 約1(2mL中100mg, 2mL中200mg)
添加物:ベンジルアルコール(1mL中10mg, 1mL中100mgのみ)
葉酸(局)

〔効〕(1)葉酸欠乏症の予防・治療. (2)葉酸の補給(消耗性疾患,妊産婦,授乳婦など). (3)吸収不全症候群(スプルーなど),悪性貧血の補助治療. (4)葉酸の欠乏・代謝障害が関与すると推定される場合:栄養性貧血,妊娠性貧血,小児貧血,抗けいれん剤・抗マラリア剤投与に起因する貧血. (5)アルコール中毒・肝疾患に関連する大赤血球性貧血. (6)再生不良性貧血,顆粒球減少症.

〔用〕(内)1日5〜20mgを2〜3回に分服.小児1日5〜10mg. (注)1回15mgを1日1回皮下・筋注.

〔副〕紅斑,そう痒感,全身倦怠感等のアレルギー症状→中止.食欲不振,悪心,浮腫,体重減少.

〔貯〕遮光.

〔注意〕悪性貧血の患者に投与すると血液状態は改善するが神経症状に効果がないので,悪性貧血の患者に投与する場合はビタミンB12製剤と併用すること.
診断の確立していない悪性貧血の患者の場合,血液状態の改善により悪性貧血を隠蔽し,診断及び治療に影響することもあるので注意すること.

 

〔作用機序〕
ウラシルのような中間体からチミンその他の重要なプリン及びピリミジン化合物の生成に補酵素として作用し,生体の組織細胞の発育及び機能を正常に保つ.特に赤血球の正常な形成に関与.

mw:441.40
★黄色〜だいだい黄色の結晶性の粉末で,においはない.
★ほとんど溶けない.
★光によって徐々に変化する.

folic acid
フォリアミン
Foliamin
(日本製薬,武田)
―散:1g中100mg
―錠:5mg
―注:1mL中15mg
pH:8.0〜11.0
浸透圧比(生理食塩液対比):約0.9

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