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抗凝血薬


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名称及び製剤 治療に関する項目 使用上の注意に関する項目 作用機序と体内動態 化学構造及び物性
アルガトロバン

〔効〕(1)慢性動脈閉塞症(バージャー病・閉塞性動脈硬化症)における四肢潰瘍,安静時疼痛,冷感の改善. (2)発症後48時間以内の脳血栓症急性期(ラクネを除く)に伴う神経症候(運動麻痺),日常生活動作(歩行,起立,坐位保持,食事)の改善. (3)先天性アンチトロンビンIII欠乏患者,アンチトロンビンIII低下を伴う患者における血液体外循環時の灌流血液の凝固防止(血液透析).

〔用〕(1)1回10mgを輸液で希釈し,1日2回,1回2〜3時間かけて点滴静注(増減). (2)初めの2日間は1日60mgを輸液で希釈し,24時間かけて持続点滴静注.その後の5日間は1回10mgを輸液で希釈し,1日2回,1回3時間かけて点滴静注. (3)体外循環開始時に10mgを回路内に投与し,開始後は毎時25mgより投与開始.毎時5〜40mgを目安とする.

警告:脳血栓症急性期の臨床試験において出血性脳梗塞の発現が認められている.脳血栓症の患者に使用時は観察を十分に行い,出血を認めたら直ちに中止し適切な処置を行う.

〔禁〕出血している患者(頭蓋内出血,出血性脳梗塞,血小板減少性紫斑病,血管障害による出血傾向,血友病その他の凝固障害,月経期間中,手術時,消化管出血,尿路出血,喀血,流早産・分娩直後等性器出血を伴う妊産婦等),脳塞栓又はそのおそれ,重大な意識障害を伴う大梗塞,本剤過敏歴.

〔慎〕出血の可能性のある患者,消化管潰瘍,内臓腫瘍,消化管の憩室炎,大腸炎,亜急性細菌性心内膜炎,重症高血圧症,重症糖尿病の患者等,脳出血の既往歴のある患者,血小板の減少している患者,抗凝固剤,血小板凝集抑制作用を有する薬剤,血栓溶解剤,フィブリノーゲン低下作用を有する酵素製剤を投与中の患者.

〔相〕併用注意:ヘパリン,ワルファリン,アスピリン,オザグレルナトリウム,塩酸チクロピジン,ジピリダモール,ウロキナーゼ,バトロキソビン(出血の助長).

〔副〕〔重大な副作用〕出血性脳梗塞,脳出血,消化管出血. 〔その他の副作用〕血液凝固時間の異常延長,出血増強,血尿,赤血球数の減少,白血球数の増加・減少,ヘモグロビン量・ヘマトクリット値の減少,皮疹,血管痛,血管炎,肝・腎機能障害,嘔気,食欲不振,腹痛,下痢,四肢の疼痛,頭痛,不整脈,熱感・潮紅,悪寒,胸痛,過換気症候群,呼吸困難,腫脹.

〔小児〕安全性は確立していない.

〔作用機序〕
アルガトロバンの三本足(トライポッド™)構造がトロンビンの活性部位と立体的に結合することにより,トロンビンの主作用である,(1)フィブリンの生成作用, (2)ファクターXIIIの活性化によるフィブリンの安定化作用, (3)血小板凝集作用,を強力に阻害する.

〔体内動態〕
t1/2:30min(β相)
Vd:0.17L/kg
CL:23.3L/kg
血漿たん白結合率:54%
尿中排泄率:22.8%(9.0mg d.i.v., 24hr)

mw:526.66
mp:180〜220℃(分解)
★白色の結晶又は結晶性の粉末で,においはなく,味は苦い.
[α]20D:+179℃(メタノール)
pKa:0.5(カルボン酸), 11.0(グアニジノ基)
★極めて溶けにくい.

argatroban
ノバスタン
Novastan
(三菱化学-東京田辺)
―注:20mL中10mg
pH:5.2〜7.2
浸透圧比(生理食塩液対比):1.0〜1.2
添加物:D-ソルビトール

スロンノン

アルテプラーゼ(遺伝子組換え)

〔効〕急性心筋梗塞における冠動脈血栓の溶解(発症後6時間以内).

〔用〕29万〜43.5万単位/kgを静注.総量の10%は急速投与(1〜2分間),残りは1時間で投与.

〔禁〕出血中(消化管出血,尿路出血,後腹膜出血,頭蓋内出血,喀血),頭蓋内,脊髄の手術又は障害(2か月以内),頭蓋内腫瘍,動静脈奇形,動脈瘤,出血性素因,重篤な高血圧症.

〔慎〕高齢者,特に75歳以上,大手術・臓器生検・血管穿刺(動注療法,動脈穿刺)・外傷後10日以内,脳血管障害既往歴,左心房内血栓の疑い(心房細動を伴う僧帽弁狭窄症等),亜急性細菌性心内膜炎,急性心膜炎,重篤な肝・腎障害,消化管潰瘍,消化管の憩室炎,大腸炎,活動性結核,月経期間中,分娩・流早産後10日以内,糖尿病性出血性網膜症又は他の出血性眼疾患,本剤又はたん白製剤過敏歴.血液凝固阻止作用を有する薬剤.血小板凝集抑制作用を有する薬剤.他の血栓溶解剤を投与中.

〔相〕併用注意:抗凝血薬(ヘパリン,ワルファリン,アルガトロバン),血小板凝集抑制剤(アスピリン,ジピリダモール,塩酸チクロピジン等),ウロキナーゼ等との併用により本剤の出血傾向が増強.アプロチニンとの併用により本剤の作用が減弱.

〔副〕〔重大な副作用〕脳出血,消化管出血,肺出血,後腹膜出血,ショック,心破裂,心タンポナーデ. 〔その他の副作用〕血尿,歯肉出血,カテーテル穿刺部位からの出血等,GOT,GPT,LDH,Al-P上昇等,悪心,嘔吐,不整脈,貧血,血圧低下,発汗,熱感,発熱.

〔作用機序〕
組織プラスミノーゲン活性化因子(t-PA)である.t-PAは血栓上で選択的かつ効率的にプラスミノーゲンを活性化し,プラスミンを生成する.生成したプラスミンがフィブリンを分解することにより血栓及び塞栓を溶解する.

〔体内動態〕
Cmax:1303IU/mL,
Tmax:55min(43.5万単位 i.v.)
t1/2:1.4hr
Vd:0.10L/kg
CL:10mL/min/kg

アミノ酸527個からなる糖タンパク質.

mw:55,000〜65,O00
★無色澄明の液を凍結乾燥.
★ヒトmelanoma細胞から得たmRNAをもとにクローン化されたt-PA遺伝子により,チャイニーズハムスター卵巣細胞で産生.

alteplase (genetical recombination)
アクチバシン
Activacin
(協和発酵)
グルトパ
Grtpa
(三菱化成,田辺)
―注:600万, 1200万, 2400万
用時溶解
pH:6.8〜7.8
浸透圧比:約1 (600万単位を注射用水10mLに溶解)
添加物:アルギニン, ポリソルベート80

◆使用上の注意改定指示
H13/07/04
H14/02/13

ナサルプラーゼ(組織培養)

〔効〕急性心筋梗塞における冠動脈血栓の溶解(発症後6時間以内).

〔用〕冠動脈用:6000単位を80mLの生理食塩液又はブドウ糖に溶解し,40分間で冠動脈内へ注入. 静脈用:18000単位を100mLの生理食塩液又はブドウ糖に溶解し,1時間で静脈内投与.

警告:臨床試験において,頭蓋内出血の発現が認められている.出血の危険性が増大するので,出血の有無を十分に確認するとともに,血液凝固能などの血液検査,臨床症状の観察を頻回に行うこと.

〔禁〕出血中(消化管出血,尿路出血,後腹膜出血,頭蓋内出血,喀血),頭蓋内あるいは脊髄の手術又は障害を受けた患者(2か月以内),頭蓋内腫瘍・動静脈奇形・動脈瘤,出血性素因のある患者,重篤な高血圧症.

〔慎〕高齢者(特に75歳以上),体重の軽い患者・循環血液量の少ない患者,大手術・臓器生検・血管穿刺後,日の浅い患者(10日以内),外傷後,日の浅い患者(10日以内),脳血管障害既往歴,消化管潰瘍・消化管の憩室炎・大腸炎,活動性結核・月経期間中又は分娩・流早産後,日の浅い患者(10日以内),糖尿病性出血性網膜症又は他の出血性眼疾患,治療困難な凝固能低下状態,左心房内血栓の疑い・亜急性細菌性心内膜炎・急性心膜炎,脳梗塞,重篤な肝障害・腎障害,血液凝固阻止作用薬・血小板凝集抑制作用薬・線溶酵素製剤投与中,本剤の成分又はウロキナーゼに対して過敏症の既往歴,妊娠又は妊娠している可能性のある婦人.

〔相〕併用注意:血液凝固阻止作用薬(ヘパリン,ワルファリン,アルガトロバン等),血小板凝集抑制作用薬(アスピリン,ジピリダモール,塩酸チクロピジン等),線溶酵素製剤(組織プラスミノーゲンアクチベーター製剤,ウロキナーゼ製剤).出血傾向が増強.

〔副〕〔重大な副作用〕重篤な出血,ショック,脳塞栓・出血性脳梗塞. 〔その他の副作用〕不整脈,血圧低下,心嚢液貯留.

〔作用機序〕
ウロキナーゼの不活性前駆物質である.血栓部位での内因性プラスミンによりウロキナーゼに変換され,血栓溶解作用を示す.従って作用機序はウロキナーゼと同一(プラスミノーゲンの活性化).ナサルプラーゼはフィブリンに対する親和性が高いので,作用が血栓部位に限定されるという特色を持つと考えられている.

★ヒト腎臓に由来する2倍染色体の培養により線維芽細胞をクローン化し,株化した細胞で産生される411個のアミノ酸残基からなるウロキナーゼの前駆体である糖タンパク質.
mw:約54,000
★無色澄明の液(ナサルプラーゼ原液).

nasaruplase (cell culture)
トロンボリーゼ
Thrombolyse
(吉富)
―冠動脈用:1500単位
pH:5.0〜7.0(1mL中100単位)
浸透圧比:約1〜2(生理食塩液対比)
―静脈用:9000単位
pH:5.0〜7.0(1mL中300単位)
浸透圧比:約2(生理食塩液対比)

◆使用上の注意改定指示
H13/02/13

ヘパリンナトリウム(局)

〔効〕(1)汎発性血管内血液凝固症候群(DIC)の治療. (2)血液透析・人工心肺・その他の体外循環装置使用時の血液凝固の防止. (3)血管カテーテル挿入時,輸血及び血液検査の際の血液凝固の防止. (4)血栓塞栓症(静脈血栓症,心筋梗塞症,肺塞栓症,脳塞栓症,四肢動脈血栓塞栓症,手術中・術後の血栓塞栓症など)の治療・予防. (5)輸血及び血液検査の際の血液凝固の防止.

〔用〕(注)全血凝固時間,全血活性化部分トロンボプラスチン時間を正常値の2〜3倍に調整. 点滴静注:1万〜3万単位を生食,5%ブドウ糖液,リンゲル液1000mLで希釈,最初30滴/分,維持量20滴/分. 間欠静注:1回5000〜1万単位を4〜8時間ごと. 皮下・筋注:1回5000単位を4時間ごと. 体外循環:(透析)全身ヘパリン化法では開始前1000〜3000単位,開始後500〜1500単位/時間を持続又は500〜1500単位/時間を間歇的に投与.局所ヘパリン化法では1500〜2500単位/時間.(人工心肺)150〜300単位/kgを持続的に投与. 輸血・検査時の凝固防止:輸血の際血液100mLに対して400〜500単位検査の際,血液20〜30mLに対し100単位.

〔禁〕〔原則禁忌〕(1)出血中[血小板減少性紫斑病,血管障害による出血傾向,血友病その他の凝固障害(DICを除く),月経期間中,手術時,消化管潰瘍,尿路出血,喀血,流早産・分娩直後など性器出血を伴う妊産褥婦,頭蓋内出血の疑いなど]. (2)出血の可能性(内臓腫瘍,消化管の憩室炎,大腸炎,亜急性細菌性心内膜炎,重症高血圧症,重症糖尿病など). (3)重篤な肝・腎障害. (4)中枢神経系の手術・外傷後. (5)本剤過敏歴.

〔相〕(1)抗凝血剤,血栓溶解剤(ウロキナーゼ,t-PA製剤等),アスピリン,ジピリダモール,塩酸チクロピジンなどで本剤の作用増強. (2)抗ヒスタミン薬,テトラサイクリン系抗生物質,強心配糖体,フェノチアジン系薬,ニトログリセリン製剤で本剤の作用減弱.

〔副〕〔重大な副作用〕ショック,出血,血小板減少. 〔その他の副作用〕過敏症→中止.脱毛,白斑,出血性壊死,GOT・GPTの上昇.長期投与により骨粗鬆症,低アルドステロン症.皮下・筋注で局所の疼痛性血腫.

〔貯〕遮光.

〔小児〕安全性は確立していない.

〔備〕調製時:抗ヒスタミン剤は本剤と試験管内で混合すると反応し沈殿を生じることがあるので,混注は避ける.

〔作用機序〕
血漿中に存在するアンチトロンビンIIIに結合して活性化し,トロンビン及びXaの活性化を失活させ強い血液抗凝固作用を示す.

★白色〜帯灰褐色の粉末又は粒で,においはない.
★やや溶けやすい.
★吸湿性.
★健康な食用獣の肝,肺又は腸粘膜由来.

heparin sodium
ノボ・ヘパリン
Novo Heparin
(ヘキスト・マリオン・ルセル)
―注:1mL中1000単位, 1mL中5000単位, 1mL中25000単位
pH:6〜8
浸透圧比(生理食塩液対比):0.8(1mL中1000単位, 1mL中5000単位), 2.4(1mL中25000単位)

ワルファリンカリウム(局)

〔効〕血栓塞栓症(静脈血栓症,心筋梗塞症,肺塞栓症,脳塞栓症,緩徐に進行する脳血栓症など)の治療・予防.

〔用〕(内)初回大量投与法:初回20〜40mgを服用,1両日休薬後維持量1日1回1〜5mg. 少量維持投与法:1日1回5〜6mgを数日間投与後維持量投与.維持量は凝固能が治療域に入ったのを確認後投与.

〔禁〕(1)出血中(血小板減少性紫斑病,血管障害による出血傾向,血友病その他の凝固障害,月経期間中,手術時,消化管潰瘍,尿路出血,喀血,流早産・分娩直後など性器出血を伴う妊産褥婦,頭蓋内出血の疑いなど). (2)出血の可能性(内臓腫瘍,消化管の憩室炎,大腸炎,亜急性細菌性心内膜炎,重症高血圧症,重症糖尿病など). (3)重篤な肝・腎障害. (4)中枢神経系の手術・外傷後. (5)本剤過敏歴. (6)妊婦又はその可能性.

〔慎〕肝炎,下痢,脂肪の吸収不全,慢性アルコール中毒,うっ血性心不全,敗血症,遷延性低血圧症,新生児のビタミンK欠乏時,ビタミンK摂取時,悪性腫瘍,産褥婦,甲状腺機能の亢進又は低下症.

〔相〕(1)次の薬剤で作用が増強:催眠鎮静薬(抱水クロラール,トリクロホスナトリウム),抗てんかん剤(バルプロ酸ナトリウム,ヒダントイン系製剤:フェニトインなど),解熱鎮痛消炎薬(アスピリン,アセトアミノフェン,イブプロフェン,インドメタシン,ケトプロフェン,サリチル酸類,ジフルニサル,スリンダク,トルメチン,ピロキシカム,フェニルブタゾン,フェノプロフェン,ブコローム,フルルビプロフェン,メフェナム酸など).精神神経用薬(塩酸メチルフェニデート,三環系抗うつ剤,MAO阻害剤など),不整脈用薬(アミオダロン,キニジン,プロパフェノンなど),利尿剤(エタクリン酸),高脂血症用薬(クリノフィブラート,クロフィブラート,シンバスタチン,シンフィブラート,デキストラン硫酸ナトリウム,フルバスタチンナトリウム,ベザフィブラート),消化性潰瘍用薬(オメプラゾール,シメチジン),ホルモン剤(抗甲状腺製剤,甲状腺製剤,ダナゾール,たん白同化ステロイド),痔疾用剤(トリベノシド),血液凝固阻止薬(ヘパリン),痛風治療薬(アロプリノール,スルフィンピラゾン,プロベネシド,ベンズブロマロン),酵素製剤(ウロキナーゼ,t-PA,プロナーゼ,ブロメライン),糖尿病薬(スルフォニル尿素系糖尿病用剤:クロルプロパミド,トルブタミドなど),腫瘍用薬〔アザチオプリン,クエン酸タモキシフェン,クエン酸トレミフェン,フルオロウラシル系製剤(テガフール,フルオロウラシル等)及びその配合剤(フルタミド,メルカプトプリン)〕,抗生物質製剤(アミノグリコシド系,クロラムフェニコール系,セフェム系,テトラサイクリン系,ペニシリン系,マクロライド系),化学療法剤〔アミノサリチル酸類,イソニアジド,キノロン系(塩酸シプロフロキサン,オフロキサシン,ナリジクス酸,ノルフロキサシンなど),サルファ剤〕,抗真菌剤(フルコナゾール,ミコナゾール,イトラコナゾール),抗原虫剤(キニーネ,メトロニダゾール),その他(アルガトロバン,イプリフラボン,インターフェロン,塩酸オザグレル,トラニラスト,リトナビル,グルカゴン,シサプリド,ジスルフィラム),血小板凝集抑制作用を有する薬剤(塩酸チクロピジン,イコサペント酸エチル,塩酸サルポグレラート,オザグレルナトリウム,シロスタゾール,ベラプロストナトリウム,リマプロストアルファデクス). (2)次の薬剤,食品の摂取で作用が減弱:催眠鎮静薬(バルビツール酸誘導体など),抗てんかん剤(カルバマゼピン,プリミドン),高脂血症用薬(コレスチラミン),ホルモン剤(副腎皮質ホルモン),腫瘍用薬(アザチオプリン,メルカプトプリン),抗生物質製剤(グリセオフルビン,リファンピシン),ビタミンK含有製剤,納豆,クロレラ食品. (3)フェニトイン,トルブタミド,クロルプロパミドなどと本剤との併用により相互に作用が増強. (4)飲酒により,本剤の作用が増強又は減弱. (5)本剤との併用により,オーラノフィンの急性毒性が増強(動物実験).

〔副〕〔重大な副作用〕出血,皮膚壊死. 〔その他の副作用〕過敏症→中止.悪心・嘔吐,黄疸,血清トランスアミナーゼの上昇,下痢,脱毛,抗甲状腺作用.

〔妊〕(1)点状軟骨異栄養症などの奇形・出血による胎児死亡の症例報告→投与しない. (2)母乳中に移行.

〔貯〕遮光,防湿.

〔備〕本剤過量投与による出血には,ビタミンK剤の静脈内投与が奏効し,一般的には数時間以内で回復.

〔作用機序〕
肝臓におけるプロトロンビンと第VII, IX, X因子の合成を抑制するが,これは血液凝固因子の生合成に必要なビタミンKに拮抗することによる.

〔体内動態〕
t1/2:37hr
F:93%
Vd:0.14L/kg
CL:0.045mL/min/kg
血漿たん白結合率:99%
尿中排泄率:2%以下

mw:346.42
★白色の結晶性の粉末で,においはなく,味はわずかに苦い.
★極めて溶けやすい.
★光によって変色する.

warfarin potassium
ワーファリン
Warfarin
(エーザイ)
―錠:1mg, 5mg

◆使用上の注意改定指示
H13/04/25

シロスタゾール

〔効〕慢性動脈閉塞症に基づく潰瘍,疼痛及び冷感などの虚血性諸症状の改善.

〔用〕(内)1日200mgを2回に分服.

〔禁〕出血中(血友病,毛細血管脆弱症,消化管出血,尿路出血,喀血,硝子体出血など),妊婦・妊娠の可能性.本剤過敏歴.

〔慎〕抗凝血薬・血小板凝集抑制薬・血栓溶解薬,PGE1製剤及びその誘導体投与中,月経中,出血傾向・その素因,重篤な肝・腎障害,うっ血性心不全.

〔相〕抗凝固薬(ワルファリンなど),血小板凝集を抑制する薬剤(アスピリン,チクロピジンなど),血栓溶解薬(ウロキナーゼ,アルテプラーゼなど).PGE1製剤及びその誘導体(アルプロスタジル,リマプロストアルファデクスなど),薬物代謝酵素(CYP3A4)を阻害する薬剤(エリスロマイシン,シメチジンなど,グレープフルーツジュース),薬物代謝酵素(CYP3A4)の基質となる薬剤(ジルチアゼムなど),薬物代謝酵素(CYP2C19)を阻害する薬剤(オメプラゾールなど).

〔副〕出血,間質性肺炎,心筋梗塞,狭心症,心室頻拍,過敏症→中止.心房細動,上室性期外収縮,心室性期外収縮の不整脈,血圧低下,動悸,頻脈,ほてり,血圧上昇→減量又は中止.

〔妊〕動物で異常胎仔の増加,出生仔の低体重及び死亡仔の増加→投与しないこと.動物で乳汁中への移行→授乳は避ける.

〔作用機序〕
血小板及び血管平滑筋のcAMPホスホジエステラーゼ活性を阻害することにより,抗血小板及び血管拡張作用を示す.

〔体内動態〕
Cmax:764ng/mL,
Tmax:3hr(100mg p.o.)
t1/2:18hr
血漿たん白結合率:95%以上
治療域血漿中濃度:500〜1000ng/mL
尿中排泄率:30%(72hr)

mw:369.47
mp:158〜162℃
★白色〜微黄白色の結晶又は結晶性粉末.無味.におい及び味はない.
★ほとんど溶けない.
油水分配係数:約500(n-オクタノール/pH3〜11)

cilostazol
プレタール
Pletaal
(大塚)
―錠:50mg, 100mg

塩酸チクロピジン(局)

〔効〕〔用〕(内)(1)血管手術・血液体外循環に伴う血栓・塞栓,血流障害:1日200〜300mgを2〜3回食後に分服. (2)慢性動脈閉塞症に伴う阻血性諸症状(潰瘍,疼痛,冷感):1日300〜600mgを2〜3回食後に分服. (3)虚血性脳血管障害〔一過性脳虚血発作(TIA),脳梗塞〕に伴う血栓・塞栓:1日200〜300mgを2〜3回食後に分服.1日200mgは1回投与可. (4)クモ膜下出血術後の脳血管れん縮に伴う血流障害:1日300mgを3回食後に分服.

警告:血栓性血小板減少性紫斑病(TTP),無顆粒球症,重篤な肝障害等の重大な副作用が主に投与開始後2か月以内に発現し,死亡に至る例も報告されている.

〔禁〕出血中(血友病,毛細血管脆弱症,消化管潰瘍,尿路出血,喀血,硝子体出血など),重篤な肝障害,白血球減少症・本剤によるその既往歴,本剤過敏歴.

〔慎〕月経中,出血傾向・その素因,抗凝血薬・血小板凝集能抑制薬(アスピリンなど),血栓溶解薬投与中,肝障害・その既往歴,白血球減少症歴,手術予定者,高齢者.

〔相〕(1)バルビツレート,テオフィリンの作用増強. (2)ワルファリン,アスピリン,ウロキナーゼ,アルテプラーゼ併用で出血傾向. (4)シクロスポリンの作用減弱.

〔副〕無顆粒球症,再生不良性貧血を含む汎血球減少症,血栓性血小板減少性紫斑病(TTP),血小板減少症,脳出血,消化管出血などの出血傾向,黄疸,赤芽球癆,紅皮症.重篤な肝障害,過敏症→中止.

〔妊〕動物で母体に出血傾向→投与しない.
動物で乳汁中への移行→授乳は避ける.

〔作用機序〕
血小板のアデニル酸シクラーゼ活性を増強して血小板内cAMP濃度を高め血小板の機能を抑制する.

〔体内動態〕
Cmax:1.9μg/mL,
Tmax:2〜3hr(500mg p.o.)
血漿たん白結合率:97.8%
主な代謝物:o-クロル馬尿酸

mw:300.25
★白色〜微黄色の結晶性粉末.特異なにおい,苦く刺激性.
pKa:6.93
★やや溶けやすい.

ticlopidine HCl
パナルジン
Panaldine
(第一)
―細粒:1g中100mg
―錠:100mg

◆使用上の注意改定指示
H13/02/14

ウロキナーゼ

〔効〕〔用〕(注)静注,点滴静注. (1)脳血栓症(発症後5日以内で,コンピューター断層撮影で出血の認められないもの):1日1回6万単位を約7日間投与. (2)末梢動・静脈閉塞症(発症後10日以内):初期1日量6万〜24万単位,以後漸減,約7日間投与. (3)急性心筋梗塞における冠動脈血栓の溶解(発症後6時間以内):48万〜96万単位を冠状動脈内に注入する.又は96万単位を生食かブドウ糖50〜200mLに溶解し,約30分間で静注.

 

警告:重篤な出血性脳梗塞の発現が報告されている.出血性脳梗塞を起こしやすい脳塞栓の患者に投与することのないよう,脳血栓の患者であることを十分確認すること.

〔禁〕止血処置困難(頭蓋内出血,喀血,後腹膜出血など),頭蓋内・脊髄の手術又は損傷(2か月以内),動脈瘤. 6万:重篤な意識障害.脳塞栓又はそのおそれ. 12万,24万:頭蓋内腫瘍,動静脈奇形,出血性素因,重篤な高血圧症. 〔原則禁忌〕心房細動(特に僧帽弁狭窄症),感染性心内膜炎,陳旧性心筋梗塞,人工弁使用者,瞬時完成型の神経症状. 〔ウロナーゼ〕ゼラチン含有医薬品過敏歴.

〔慎〕出血中〔手術など(肝,腎生検などを含む),糖尿病性出血性網膜症等の出血性眼疾患,消化管出血,尿路出血,流早産・分娩直後,月経中〕,出血の可能性(消化管潰瘍,消化管の憩室炎,大腸炎,重症高血圧症,活動性結核,頭蓋内出血の既応など),抗凝血薬・血小板凝集抑制薬・他の血栓溶解剤療法中,重篤な肝・腎障害,治療困難な凝固能低下状態(凝固因子欠乏症,血小板減少症など),本剤・組織培養ウロキナーゼ過敏歴,高齢者. 〔ウロナーゼ〕ゼラチン含有製剤又はゼラチン含有の食品に対して,ショック,アナフィラキシーなどの過敏症. 12万,24万:大手術,臓器生検,血管穿刺後10日以内.外傷後10日以内.脳血管障害の既往歴.左心房血栓の疑い.

〔相〕抗凝血薬(ワルファリンなど),抗血小板剤(アスピリン,ジピリダモール,塩酸チクロピジンなど)との併用により作用が増強.アプロチニン製剤との併用により作用が減弱.血栓溶解薬(t-PA製剤,ナサルプラーゼなど)との併用により,出血傾向が増大.

〔副〕出血性脳梗塞,脳出血,消化管出血,ショック,過敏症→中止.

 

〔作用機序〕
血液中のプラスミノーゲンに作用し,これをたん白分解酵素プラスミンに活性化することにより,フィブリンを溶解する.

mw:約54,000
★健康人尿由来.
★無色澄明の液.

urokinase
ウロキナーゼ
Urokinase
(吉冨)
ウロナーゼ
Uronase
(持田)
―注:6万単位
 12万単位
 24万単位
用時溶解
pH:6.5〜7.5
浸透圧比(生理食塩液対比):1〜2

◆使用上の注意改定指示
H13/02/13(1)
H13/02/13(2)

組織培養ウロキナーゼ

〔作用機序〕
血液中のプラスミノーゲンに作用し,これをたん白分解酵素プラスミンに活性化することにより,フィブリンを溶解する.

〔体内動態〕
尿中排泄率:82.5%(18hr)

mw:28,000〜34,000
★ヒト尿,腎細胞.
urokinase(tissue culture)
アボキナーゼ
Abbokinase
(大日本)
カルトキナーゼ
Cultokinase
(杏林)
―注:6万単位
用時溶解
pH:6.5〜7.5
浸透圧比(生理食塩液対比):1.0〜1.5
イコサペント酸エチル

〔効〕閉塞性動脈硬化症に伴う潰瘍・疼痛・冷感の改善,高脂血症.

〔用〕(内)1日1800mgを食直後3回に分服.ただしトリグリセリドの異常の場合は2700mgを3回まで投与可.

〔禁〕出血中(血友病,毛細血管脆弱症,消化管潰瘍,尿路出血,喀血,硝子体出血など).

〔慎〕月経中,出血傾向,抗凝血剤・抗血小板剤投与中,手術予定.

〔相〕抗凝血薬(ワルファリンなど),血小板凝集抑制薬(アスピリン,インドメタシン,塩酸チクロピジン,シロスタゾールなど).

〔副〕出血傾向→中止.過敏症→中止.GOT・GPT・Al-Pの上昇,黄疸→中止.悪心・嘔吐,胃部不快感,食欲不振,下痢,肝障害.

〔妊〕安全性は確立していない.

〔乳〕授乳中止.

〔貯〕防湿,遮光,高温をさける.

〔服薬指導〕空腹時に服用しない.かまずに服用.

〔作用機序〕
血小板細胞膜のリン脂質のイコサペント酸(EPA)含量を増加させることで,アラキドン酸代謝を競合的に阻害しトロンボキサンA2の産生を抑制する.

〔体内動態〕
Cmax:105μg/mL,
Tmax:6hr(1800mg p.o.)

mw:330.51
bp:177〜178℃
★無色〜微黄色の澄明な液体,わずかに特異なにおいと味がある.
★ほとんど溶けない.

ethyl icosapentate
エパデール
 エパデールS300
 エパデールS600
Epadel
(持田)
―カプセル:300mg, S300mg, S600mg
塩酸サルポグレラート

〔効〕慢性動脈閉塞症に伴う潰瘍,疼痛および冷感等の虚血性諸症状の改善.

〔用〕1回100mgを3回食後に分服.

〔禁〕出血(血友病,毛細血管脆弱症,消化管潰瘍,尿路出血,喀血,硝子体出血等).妊娠又は妊娠している可能性のある婦人.

〔慎〕月経期間中,出血傾向ならびにその素因,抗凝固薬(ワルファリン等),血小板機能抑制薬(アスピリン,塩酸チクロピジン,シロスタゾール等)を投与中,重篤な腎障害.

〔相〕併用注意:ワルファリン,アスピリン,チクロピジン,シロスタゾール(出血を助長).

〔副〕〔重大な副作用(類薬)〕無顆粒球症,血小板減少. 〔その他の副作用〕ビリルビン・GOT・GPT・Al-P・γ-GTPの上昇→中止,丘疹,発疹,発赤→中止,出血傾向→中止,嘔気,心悸亢進,息切れ,眠気,味覚異常,たん白尿,尿潜血,BUNの上昇,クレアチニン上昇,貧血,そう痒,異物感,胸やけ,腹痛,便秘,頭痛,体重増加,血清中性脂肪の上昇,血清コレステロールの上昇,血清アルブミンの減少,血清カルシウムの減少,尿糖,尿沈渣.

〔妊〕動物で胚胎児死亡率増加,新生児生存率低下→投与しない.

〔乳〕動物で乳汁中へ移行→投与しない,又は授乳中止.

〔作用機序〕
血小板および血管平滑筋の5-HT2受容体に対して特異的な拮抗作用を示すことによって,血小板凝集抑制と血管収縮抑制作用を現す.

〔体内動態〕
Cmax:0.54μg/mL,
Tmax:54min(100mg p.o.)
t1/2:41min
血漿たん白結合率:95%以上
尿中排泄率:44.5%(代謝物を含む, 24hr)
主な代謝物:脱エステル体, 芳香環の水酸化体, 脱メチル体

mw:465.97
mp:153〜157℃(分解)
★白色の結晶性の粉末で,においはなく,味は苦い.
pKa:3.74, 8.45
★やや溶けにくい.

sarpogrelate HCl
アンプラーグ
Anplag
(三菱化学-東京田辺)
―錠(劇):50mg, 100mg

◆安全性情報
H13/01/31

 

チソキナーゼ(天然型t-PA)

〔効〕急性心筋梗塞における冠動脈血栓の溶解(発症後6時間以内).

〔用〕160万単位:1回160万単位を生理食塩液(局),ブドウ糖注射液(局)20mLに溶解し,10分間で冠動脈内に注入.開通の有無を冠動脈造影により確認しながら行う.最大640万単位まで. 360万単位,1440万単位:1440万単位を生理食塩液(局)約100mLに溶解し,10%を急速(1〜2分)に,残りを1時間で静注.

〔禁〕出血中(消化管出血,尿路出血,後腹膜出血,頭蓋内出血,喀血),頭蓋内,脊髄の手術・障害(2か月以内),頭蓋内腫瘍,動静脈奇形,動脈瘤,出血性素因,重篤な高血圧症.

〔慎〕高齢者,特に75歳以上,大手術・臓器生検・血管穿刺(動注療法,動脈穿刺等)・外傷後10日以内,脳血管障害既往歴,左心房内血栓の疑い(心房細動を伴う僧帽弁狭窄症等),亜急性細菌性心内膜炎,急性心膜炎,重篤な肝・腎障害,消化管潰瘍,消化管の憩室炎,大腸炎,活動性結核,月経期間中,分娩・流早産後10日以内,糖尿病性出血性網膜症又は他の出血性眼疾患,本剤又は他のたん白製剤過敏歴,血液凝固阻止作用を有する薬剤,血小板凝集抑制作用を有する薬剤及び他の血栓溶解剤を投与している患者.

〔相〕併用注意:抗凝血剤(ヘパリン,ワルファリン,アルガトロバン等),血小板凝集抑制剤(アスピリン,ジピリダモール,塩酸チクロピジン等),血栓溶解薬(ウロキナーゼ等)との併用により本剤の出血傾向が増強.

〔副〕〔重大な副作用〕脳出血,後腹膜出血→中止,ショックの可能性. 〔その他の副作用〕出血傾向,血尿,皮下出血,発疹・発赤→中止.GOT・GPTの上昇,悪心・嘔吐,構語障害,眩暈,発熱,悪寒・戦慄.

〔妊〕動物で高用量で胚・胎児死亡→投与しない.

〔貯〕遮光.

〔作用機序〕
天然型組織プラスミノーゲン活性化因子である.血栓の構成たん白であるフィブリンに親和性が高く,血栓に集積し,プラスミノーゲン活性化作用によりプラスミノーゲンのプラスミンへの変換が促進される.生成したプラスミンがフィブリンを分解し,血栓を溶解する.

〔体内動態〕
Cmax:370ng/mL,
Tmax:投与終了直後(240万単位 i.v.)
Cmax:1.6μg/mL,
Tmax:投与終了直後(480万単位 i.v.)
t1/2:40.6〜46.3hr

アミノ酸527残基よりなる.

mw:約63,000(ゲルろ過)
 約70,000(電気泳動)
★無色澄明の液体.
★ヒト肺に由来する二倍体線維芽細胞で産生.

tisokinase
プラスベータ
Plasvata
(旭化成)
ハパーゼコーワ
Hapase Kowa
(興和)
―注:160万単位, 360万単位, 1440万単位
用時溶解
pH:6.0〜7.0
浸透圧比:約2 (160万単位を生理食塩液(局), 5%ブドウ糖注射液(局)20mLに溶解)
添加物:アルブミン

◆使用上の注意改定指示
H14/02/13

ベラプロストナトリウム

〔効〕慢性動脈閉塞症に伴う潰瘍・疼痛・冷感の改善.

〔用〕(内)1日120μgを3回に分服.

〔禁〕出血中(血友病,毛細血管脆弱症,上部消化管出血,尿路出血,喀血,硝子体出血など),妊婦・その可能性.

〔慎〕抗凝血薬・抗血小板剤投与中,月経中,出血傾向・その素因.

〔相〕抗凝血薬(ワルファリンなど),抗血小板薬(アスピリン,チクロピジンなど),血栓溶解薬(ウロキナーゼなど)→出血傾向を助長.

〔副〕出血傾向・ショック・肝機能障害(黄疸や著しいGOT,GPTの上昇),間質性肺炎,狭心症,心筋梗塞. 〔その他の副作用〕血小板・白血球減少,過敏症→中止.

〔妊〕安全性未確立→投与しない.

〔乳〕授乳中止.

〔作用機序〕
血小板及び血管平滑筋のcAMPを増加させ,Ca2+の流入とトロンボキサンA2生成を抑制することで,抗血小板作用と血管拡張作用を示す.プロスタサイクリン(PGI2)誘導体.

〔体内動態〕
Cmax:0.44ng/mL,
Tmax:1.4hr(100μg p.o.)
t1/2:約1.1hr
血漿たん白結合率:82〜90%
尿中排泄率:84%(24hr)
主な代謝物:β酸化, 15-OHの酸化, 13位二重結合の水素化

mw:420.48
mp:205〜208℃
★白色の吸湿性の粉末で,においはない.
★溶けやすい.
pKa:4.3

beraprost sodium
プロサイリン
Procylin
(科研)
ドルナー
Dorner
(東レ,山之内)
―錠(劇):20μg

アスピリン(局)

〔効〕(1)下記疾患における血栓・塞栓形成の抑制. [狭心症(慢性安定狭心症,不安定狭心症), 心筋梗塞, 虚血性脳血管障害(一過性脳虚血発作(TIA),脳梗塞)].
(2)冠動脈バイパス術(CABG)あるいは経皮経管冠動脈形成術(PTCA)施行後における血栓・塞栓形成の抑制.

〔用〕通常,成人には1錠(アスピリンとして81mg)を1回量として,1日1回経口投与する.なお,症状により1回4錠(アスピリンとして324mg)まで増量できる.

〔禁〕(1)本剤及び本剤の成分又はサリチル酸系製剤に対し過敏症の既往歴のある患者. (2)消化性潰瘍のある患者. (3)出血傾向のある患者. (4)アスピリン喘息(非ステロイド性消炎鎮痛剤等による喘息発作の誘発)又はその既往歴のある患者. (5)出産予定日12週以内の妊婦.

〔慎〕(1)消化性潰瘍の既往歴のある患者. (2)血液の異常又はその既往歴のある患者. (3)出血傾向の素因のある患者. (4)肝障害又はその既往歴のある患者. (5)腎障害又はその既往歴のある患者. (6)高血圧の患者. (7)過敏症の既往歴のある患者. (8)気管支喘息のある患者. (9)アルコール飲料の常用者. (10)高齢者. (11)小児. (12)手術前1週間以内の患者. (13)非ステロイド性消炎鎮痛剤の長期投与による消化性潰瘍のある患者で,本剤の長期投与が必要であり,かつミソプロストールによる治療が行われている患者. (14)月経過多の患者.

〔相〕併用注意:(1)痛風治療剤(スルフィンピラゾン,プロベネシド)[痛風治療剤の尿酸排泄作用を減弱]. (2)抗血小板剤(塩酸チクロピジン,オザグレルナトリウム等),抗凝血剤(ワルファリン,ヘパリン製剤等),血栓溶解剤(ウロキナーゼ製剤,t-PA製剤等),プロスタグランジンE1製剤及びI2誘導体製剤[出血傾向が増強することがある]. (3)糖尿病用剤(インスリン製剤,トルブタミド等)[血糖降下作用を増強することがある]. (4)メトトレキサート[本剤及びメトトレキサートの作用を増強]. (5)リチウム製剤[リチウム中毒を起こすおそれ]. (6)チアジド系利尿剤[利尿・降圧作用を減弱するおそれ]. (7)フロセミド,アゾセミド,ピレタニド[本剤の副作用が増強することがある]. (8)非ステロイド性消炎鎮痛剤[非ステロイド性消炎鎮痛剤の血中濃度が低下するおそれ]. (9)非ステロイド性消炎鎮痛剤[出血を増加し,腎機能低下をもたらすことがある]. (10)オキシカム系消炎鎮痛剤(ピロキシカム等)[両剤又は一方の薬剤の副作用の発現頻度を増加させるおそれ]. (11)アルミノプロフェン[ラットの実験でアスピリンの胃潰瘍を増強したとの報告]. (12)ニトログリセリン[ニトログリセリンの作用を減弱するおそれ]. (13)テトラサイクリン系抗生物質,ニューキノロン系抗菌剤[テトラサイクリン系抗生物質またはニューキノロン系抗菌剤の作用を減弱]. (14)副腎皮質ホルモン剤(ベタメタゾン,酢酸コルチゾン,メチルプレドニゾロン等)[高用量の本剤とこれらの薬剤の併用時,本剤の血中濃度が増加]. (15)乳酸ナトリウム[本剤の尿中排泄を増加]. (16)バルプロ酸ナトリウム[バルプロ酸ナトリウムの作用を増強]. (17)フェニトイン[フェニトインの総濃度を減少]. (18)アセタゾラミド[アセタゾラミドの副作用を増強]. (19)アンジオテンシン変換酵素阻害剤[ACE阻害剤の降圧作用が減弱]. (20)β-遮断剤[β-遮断剤の降圧作用が減弱].

〔副〕〔重大な副作用〕ショック,アナフィラキシー様症状.喘息発作の誘発.皮膚粘膜眼症候群,中毒性表皮壊死症,剥脱性皮膚炎.再生不良性貧血.脳出血,消化管出血,肺出血等の重篤な出血. 〔その他の副作用〕胃腸障害,嘔吐,腹痛,胸やけ,便秘,下痢,消化性潰瘍,食道炎,口唇腫脹,吐血,吐き気.悪心,食欲不振,胃部不快感.蕁麻疹.発疹,浮腫.そう痒,皮疹,膨疹,発汗.めまい,興奮.頭痛.GOT上昇,GPT上昇.肝障害.腎障害.血圧低下,血管炎.心窩部痛.過呼吸,気管支炎,鼻出血.鼻炎.角結膜炎.耳鳴,難聴.貧血,白血球減少,血小板減少.代謝性アシドーシス.倦怠感.

〔高齢〕高齢者では腎機能,肝機能などの生理機能が低下しているため,副作用があらわれやすいので,患者の状態を観察しながら慎重に投与すること.

〔妊〕妊娠末期には投与しないこと.

〔乳〕本剤投与中の授乳は避けさせること.

〔小児〕慎重に投与すること.

〔他〕in vitroの試験において,アスピリン等のグルクロン酸抱合により代謝される薬剤が抗ウイルス剤(ジドブジン)のグルクロン酸抱合を阻害したとの報告がある.

〔注意〕本品は吸湿により分解されるので,アルミシートで包装された状態のままで患者に渡す.

〔作用機序〕
アセチル基によって血小板シクロオキシゲナーゼを不可逆的に阻害して血小板のトロンボキサンA2(TXA2)の産生を抑制することにより,血小板凝集を抑制し血小板血栓の形成を阻止する.

〔体内動態〕
Cmax:約1μg/mL,
Tmax:0.5hr(80mg p.o.)
t1/2:0.4hr(80mg p.o.)
アスピリンの経口投与後,アスピリンの血中濃度半減期は短いにもかかわらず,TXA2産生抑制作用や血小板凝集抑制作用は血小板の寿命期間(7〜10日)継続する.これは,アスピリンのアセチル基によるシクロオキシゲナーゼ阻害作用は不可逆的であり,かつ血小板はシクロオキシゲナーゼの合成能を有しないためと考えられている.


アスピリン

mw:180.16
mp:約136℃
★白色の結晶,粒又は粉末で,においはなく,わずかに酸味がある.
★水に溶けにくい.


アルミニウムグリシネート

mw:135.06(無水物)
★白色の粉末又は粒で,においはなく,味はわずかに甘い.
★水又はエタノールにほとんど溶けない.

MgCO3
炭酸マグネシウム

mw:84.30
★白色の軽くてもろい塊又はかさ高い粉末で,においはない.
★水又はエタノールにほとんど溶けないが,希塩酸にあわだって溶ける.

aspirin
バファリン
Bufferin
(ブリストルマイヤーズ・ライオン)
―81mg錠


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