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代謝拮抗剤


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名称及び製剤 治療に関する項目 使用上の注意に関する項目 作用機序と体内動態 化学構造及び物性
エノシタビン(劇)

〔効〕急性白血病(慢性白血病の急性転化を含む).

〔用〕(注)1日3.5〜6mg/kgを希釈して2〜4時間で1日1〜2回に分け点滴静注.10〜14日の連続投与,又は6〜10日間連続投与後,休薬して反復. <調製法>本剤10mgに対し注射用水1mLの割に加え水浴中で加温溶解,補液に混合.溶解後は5℃以下で48時間以内に使用.

〔禁〕重篤な本剤過敏歴.

〔慎〕骨髄機能抑制,感染症合併,アレルギー体質,薬物過敏歴,肝障害.

〔相〕他の抗悪性腫瘍薬との併用で骨髄機能抑制などの副作用増強.

〔副〕〔重大な副作用〕ショック,胸部圧迫感,発疹,皮膚の潮紅. 〔その他の副作用〕白血球減少,血小板減少,貧血,骨髄に巨赤芽球様細胞,食欲不振,悪心・嘔吐,腹痛,腹部膨満感,口内炎,倦怠感,腰痛,頭痛,眩暈,しびれ感,ビリルビン,GOT,GPT,Al-Pの上昇,たん白尿,頻尿,BUN,クレアチニンの上昇,紅斑,そう痒感,脱毛,発熱,浮腫,心悸亢進.

〔妊〕動物で催奇形作用→有益時のみ投与.

〔乳〕動物で母乳中へ移行→授乳中止.

〔貯〕冷所.

〔作用機序〕
シタラビンのN4位にベヘノイル基を結合させ,脂質親和性を高め,血中及び組織内濃度を持続化させたもの.
腫瘍細胞内に取り込まれた後に,シタラビンに変換され,更にリン酸化されてDNA polymeraseに拮抗的に作用し,DNA合成を阻害する.N4-succinylcytarabineとなり,シタラビンに変換してから細胞内に入る場合もある.

〔体内動態〕
t1/2:3.0hr
尿中排泄率:ara-C 1.8%(5mg/kg i.v., 24hr)
主な代謝物:ara-C, ara-U

mw:565.79
mp:145〜150℃
★白色の結晶性粉末.におい及び味はない.
[α]20D:+64〜+72°(テトラヒドロフラン)
★ほとんど溶けない.
★シタラビンの誘導体
 シタラビン+無水ベヘン酸→エノシタビン

enocitabin
サンラビン
Sunrabin
(旭化成)
―注:150mg, 200mg, 250mg
添加物:ポリオキシエチレン硬化ヒマン油60, デヒドロコール酸, サリチル酸ナトリウム, チオ硫酸ナトリウム, ブドウ糖
(10mg/mL注射用水)
pH:5.5〜7.0
浸透圧比(生理食塩液対比):約1

カルモフール(局)(劇)

〔効〕消化器癌(胃癌,結腸・直腸癌),乳癌.

〔用〕(内)1日12〜18mg/kgを2〜4回に分服,1日900mgまで.

警告:白質脳症の発現が報告されているので,十分に観察を行いつつ慎重に投与し,初発症状が認められた場合には直ちに投与を中止すること.抗ウイルス剤ソリブジンとフルオロウラシル系薬剤との併用により重篤な血液障害が発現し死亡に至った例も報告されているので併用を行わない.

〔禁〕ソリブジン投与中,重篤な本剤過敏症.

〔慎〕栄養状態不良,肝・腎障害,消化管潰瘍,出血,骨髄機能抑制,感染症合併.

〔相〕アルコール性飲料摂取で脳貧血様症状・意識不明.抗ウイルス剤ソリブジンとの併用で重篤な血液障害→併用禁忌.

〔副〕〔重大な副作用〕言語障害,歩行障害,意識障害,知覚障害,記憶力低下,昏迷,傾眠,痴呆様症状,異常行動,異常言動,寡動,見当識障害,錐体外路症状,四肢麻痺,白質脳症.これらの症状に先立って,下肢筋力低下の訴え,歩行時のふらつき,口のもつれ,めまい・ふらつき,しびれ,もの忘れ,貧血,白血球減少,血小板減少,汎血球減少,激しい下痢,出血性腸炎,虚血性腸炎,壊死性腸炎. 〔重大な副作用(類薬)〕嗅覚脱失,間質性肺炎,重篤な肝障害,安静狭心症,うっ血性心不全. 〔その他の副作用〕頭痛,ねむけ,不眠,食欲不振,悪心・嘔吐,便意,下痢,口内炎,腹部不快感,腹痛,腹部膨満感,胸やけ,口渇,味覚異常,下血,消化管潰瘍,便秘,舌のしびれ感,舌炎,出血傾向,肝障害,GOT・GPT・γ-GTP・Al-P・ビリルビン値の上昇,BUNの上昇,血尿,たん白尿,乏尿,色素沈着,脱毛,角化,光線過敏症,腫脹,水疱,びらん,発疹,そう痒,尿量の増加を伴わない尿意頻数,排尿障害,排尿痛,尿道痛,膀胱部痛,尿失禁,動悸,顔面・腹部・肛門部等に熱感,女性化乳房,全身倦怠感,発熱,浮腫.発汗,冷汗,発赤.

〔妊〕動物で催奇形作用→有益時のみ投与.

〔服薬指導〕アルコール性飲料の摂取は避ける.

〔作用機序〕
脂溶性が高く,弱酸性からアルカリ性領域で肝薬物代謝酵素を介することなく,5-FUを遊離する.経口投与後速やかに吸収され,体内で徐々に5-FUを遊離し,5-FUの代謝拮抗作用により抗腫瘍効果を発揮する.

〔体内動態〕
ミフロール
Cmax:2.65μg/mL,
Tmax:2〜4hr(100mg p.o.)
t1/2:1.1hr
5-FU
Cmax:0.19μg/mL,
Tmax:2〜4hr(100mg p.o.)
t1/2:1.3hr
血漿たん白結合率:46.4%
尿中排泄率:
  ミフロール画分 8.5%(24hr)
  5-FU 6.5%(24hr)
主な代謝物:5-FU

mw:257.26
mp:一次分解110〜111℃,二次分解282℃
★白色の結晶性の粉末で,においはなく,味は苦い.
pKa:約6.7
★ほとんど溶けない.

carmofur
ミフロール
Mifurol
(三井)
ヤマフール
Yamaful
(山之内)
―細粒:1g中200mg
―錠:100mg

シタラビン(局)(劇)

〔効〕〔用〕(注)(1)急性白血病(赤白血病,慢性骨髄性白血病の急性転化を含む):<寛解導入>1日0.8〜1.6mg/kgを点滴静注・静注.通常2〜3週間連続投与.小児1日0.6〜2.3mg/kg. <維持療法>上記量を1週1回皮下・筋注・静注. (2)消化器癌(胃癌,胆のう癌,胆道癌,膵癌,肝癌,結腸癌,直腸癌など)・肺癌・乳癌・女性性器癌(子宮癌,卵巣癌など):他の抗腫瘍剤と併用し1回0.2〜0.8mg/kgを週1〜2回点滴静注・静注.他の抗腫瘍剤と併用し1日0.2〜0.4mg/kgを局所動脈内注. (3)膀胱腫瘍:単独で200〜400mg又は他剤との併用で100〜300mgを1日1回又は週2〜3回膀胱内注入.

〔禁〕重篤な本剤過敏症既往歴.

〔慎〕肝・腎障害,骨髄機能抑制,感染症合併.高齢者,小児,妊婦.

〔相〕(1)抗悪性腫瘍薬,放射線照射で骨髄抑制増強. (2)他剤併用療法(5-FU,マイトマイシンC,副腎皮質ホルモンなど)で静脈炎,脱毛. (3)フルシトシンで骨髄抑制増強,フルシトシン効果減弱.

〔副〕〔重大な副作用〕白血球減少,血小板減少,出血,貧血,巨赤芽球様細胞の発現,ショック,呼吸困難,全身潮紅,血管浮腫,蕁麻疹,アナフィラキシー様症状. 〔その他の副作用〕悪心・嘔吐,食欲不振,腹痛,下痢,口内炎,発疹,倦怠感,肝障害,発熱,結膜炎,血栓性静脈炎.

〔過量投与〕間質性肺炎,有痛性紅斑,シタラビン症候群.

〔高齢〕生理機能低下→慎重投与.

〔妊〕動物で催奇形作用→投与しないことが望ましい.

〔乳〕授乳中安全性未確立→授乳中止.

〔他〕(1)承認外投与経路である髄腔内投与でメトトレキサートと併用→中枢神経障害. (2)外国で結膜炎,血栓性静脈炎報告.

〔備〕別名:シトシンアラビノシド cytosine arabinoside.

〔作用機序〕
腫瘍細胞のDNA合成過程においてCDP reductaseとDNA polymeraseを阻害する.また白血病細胞に対する直接的殺細胞作用や白血病細胞の分化を誘導することが報告されている.

〔体内動態〕
t1/2:2〜3hr(100mg/m2, i.v.)
Vd:16.2〜28.8L
CL:6.29L/min
血漿たん白結合率:13.3%
尿中排泄率:100%(24hr)
主な代謝物:uracil arabinoside

mw:243.22
mp:213〜216℃(分解)
★白色の結晶又は結晶性の粉末.においはない.
[α]25D:+153〜+159°(水)
pKa:3.9
★溶けやすい.

cytarabine
キロサイド
Cylocide
(日本新薬)
サイトサール
Cytosar
(ファルマシア・アップジョン)
―注:1mL中20mg, 2mL中40mg, 3mL中60mg, 5mL中100mg, 10mL中200mg
pH:7.5〜9.0
浸透圧比(生理食塩液対比):約1.1〜1.5

◆使用上の注意改定指示
H13/01/12(1)
H13/01/12(2)
H13/09/19(1)
H13/09/19(2)

シタラビンオクホスファート(劇)

〔効〕〔用〕(内)(1)成人急性非リンパ性白血病:1日100〜300mg. (2)骨髄異形成症候群:1日100〜200mgいずれも1日1〜3回に食後分服.2〜3週間連続投与後,2〜3週間休薬,これをくり返す.

〔禁〕重篤な本剤過敏歴.

〔慎〕骨髄機能抑制,感染症合併,肝障害,高齢者,小児,薬物過敏歴.

〔相〕他の抗悪性腫瘍剤との併用により骨髄機能抑制等の副作用を増強.

〔副〕〔重大な副作用〕骨髄抑制.貧血,血小板減少,白血球減少. 〔その他の副作用〕悪心・嘔吐,食欲不振,下痢,下血,黒色便,口内炎,腹痛,GOT・GPT・LDH・Al-P・総ビリルビン上昇,発疹,脱毛,血尿,発熱,倦怠感.

〔妊〕動物で催奇形作用→有益時のみ投与.

〔作用機序〕
プロドラッグであり生体内でシタラビンとなる.従って,作用機序はシタラビンと同じ(DNAポリメラーゼの阻害)である.最終的には核酸合成を阻害して抗腫瘍効果を発揮する.

〔体内動態〕
シタラビンとして
Cmax:3.4ng/mL,
Tmax:24hr(800mg p.o.)
尿中排泄率:0.5%以下(ara-C)
主な代謝物:ara-C, ara-CMP, ara-CTP, ara-U

mw:615.68
mp:220℃で褐色,230℃で黒色化,235℃で発泡
★白色の結晶又は結晶性の粉末である.
[α]20D:+74.0〜+80.0°(希水酸化ナトリウム試液)
pKa:4.38
★溶けやすい.

cytarabine ocfosfate
スタラシド
Starasid
(日本化薬)
―カプセル:50mg, 100mg
テガフール(局)(劇)

〔効〕(内)消化器癌(胃癌,結腸癌,直腸癌),乳癌. (外)消化器癌(胃癌,結腸・直腸癌),乳癌,膀胱癌,頭頸部癌. (注)消化器癌(胃癌,結腸・直腸癌),乳癌,膀胱癌.

〔用〕(内)1日800〜1,200mgを2〜4回に分服. (外)1日750〜2,000mgを1〜2回に分け直腸内に挿入.1回量500〜1000mg.
(注)1日20mg/kgをそのまま静注か,生食又は5%ブドウ糖液300〜500mLと混合し,点滴静注.

警告:(1)抗ウイルス剤ソリブジンとフルオロウラシル系薬剤との併用により,重篤な血液障害が発現し,死亡に至った例も報告されているので,併用を行わないこと. (2)劇症肝炎等の重篤な肝障害が起こることがあるので,定期的に肝機能検査を行うなど,観察を十分に行うこと.異常が認められた場合には直ちに投与を中止し,適切な処置を行うこと.

〔禁〕重篤な本剤過敏歴,ソリブジン投与中.

〔慎〕骨髄抑制,肝・腎障害,感染症合併,水痘,耐糖能異常,胃・十二指腸潰瘍.

〔相〕(1)抗ウイルス剤ソリブジンとフルオロウラシル系薬剤(テガフール,ドキシフルリジン,フルオロウラシル等)との併用により,フルオロウラシル系薬剤の代謝が阻害され血中濃度が上昇し重篤な血液障害等の副作用が発現するので,併用を行わない. (2)フェニトインの作用増強. (3)他の抗悪性腫瘍剤,放射線照射との併用で骨髄機能抑制等の副作用増強.

〔副〕〔重大な副作用〕汎血球減少,無顆粒球症,貧血,白血球減少,血小板減少,出血傾向,溶血性貧血,劇症肝炎,激しい下痢,出血性腸炎,虚血性腸炎,壊死性腸炎,傾眠,意識障害,知覚障害,錐体外路症状,尿失禁,四肢麻痺,言語障害,歩行障害,見当識障害,記憶力低下,白質脳症,めまい・ふらつき,しびれ,舌のもつれ,歩行時のふらつき,もの忘れ,嗅覚脱失,間質性肺炎,安静狭心症,急性膵炎,消化管潰瘍,消化管出血. 〔その他の副作用〕黄疸,脂肪肝,GOT・GPTの上昇,血尿,たん白尿,BUN,クレアチニンの上昇,食欲不振,悪心・嘔吐,下痢,口内炎,腹痛,腹部膨満感,舌炎,胃腸出血,胸やけ,嚥下困難,味覚異常,心窩部痛,胃・十二指腸潰瘍,胃炎,口角炎,腹鳴,口渇,便秘,倦怠感,眩暈頭痛,興奮,耳鳴,色素沈着,角化,爪の異常,水疱,びらん,皮膚炎,潮紅,浮腫,脱毛,DLE様皮疹,光線過敏症,急性膵炎,そう痒,発疹,蕁麻疹,胸痛,心電図異常(ST上昇),胸内苦悶感,発熱,関節痛,糖尿,灼熱感,血痰,結膜充血,咳・痰.LDH上昇,平均赤血球容積(MCV)増加,血糖値上昇,血清尿酸値上昇,女性化乳房.

〔妊〕動物で催奇形作用→投与しないことが望ましい.

〔乳〕動物で乳汁中へ移行→授乳中止.

〔小児〕安全性未確立.

〔作用機序〕
フルオロウラシル(5-FU)のmasked compoundで,生体内において徐々に活性物質(5-FU, FdUMP, FUTP)に変換され,腫瘍細胞のDNA合成を阻害し,RNAの機能を障害する.

〔体内動態〕
t1/2:7.6hr(2g i.v.)
Vd:0.66L/kg(i.v.)
CL:36.2〜132.0mL/hr/kg(i.v.)
血漿たん白結合率:2.7%
治療域血漿中濃度:フルオロウラシルとして0.01μg/mL(腫瘍内濃度フルオロウラシルとして0.05μg/g以上)

mw:200.17
mp:166〜171℃
★白色の結晶性粉末.においはなく,味は苦い.
pKa:7.65
★やや溶けにくい.

tegafur
フトラフール
Futraful
(大鵬)
―細粒:1g中200mg
―腸溶顆粒:1g中500mg
―腸溶錠:200mg
―カプセル:200mg
添加物:ラウリル硫酸ナトリウム
―腸溶カプセル:200mg
添加物:ラウリル硫酸ナトリウム
―注:10mL中400mg
(フトラフール注)
pH:9.5〜10.5
浸透圧比(生理食塩液対比):約3
フトラフール400
―注射用:400mg(1V)
(注射用水10mLに溶解時)
pH:8.0〜10.0
浸透圧比(生理食塩液対比):約1
―坐剤:500mg, 750mg, 1000mg
フトラフールE
―軟カプセル坐剤:750mg, 1000mg
添加物:中鎖脂肪酸トリグリセリド, ポリソルベート80
カプセル本体にゼラチン, 濃グリセリン, 酸化チタン, パラオキシ安息香酸エチル, パラオキシ安息香酸プロピル, ハードファット

◆使用上の注意改定指示
H13/04/25
H14/10/30

配合剤
ユーエフティ
UFT(劇)
(大鵬)
―カプセル:テガフール100mg, ウラシル224mg
添加物:ラウリル硫酸ナトリウム
―腸溶顆粒:1g中デカフール200mg, ウラシル448mg

〔効〕頭頸部癌,胃癌,結腸・直腸癌,肝臓癌,胆嚢・胆管癌,膵臓癌,肺癌,乳癌,膀胱癌,前立腺癌,子宮頸癌.

〔用〕(内)1日テガフールとして300〜600mgを2〜3回に分服.子宮頸癌:1日600mg.

警告:(1)抗ウイルス剤ソリブジンとフルオロウラシル系薬剤との併用により,重篤な血液障害が発現し,死亡に至った例も報告されているので,併用を行わないこと. (2)劇症肝炎等の重篤な肝障害が起こることがあるので,定期的に肝機能検査を行うなど,観察を十分に行うこと.異常が認められた場合には直ちに投与を中止し,適切な処置を行うこと.

〔禁〕重篤な本剤過敏歴,ソリブジン投与中.

〔慎〕骨髄抑制,肝・腎障害,感染症,水痘,胃・十二指腸潰瘍,耐糖能異常.

〔相〕テガフールに準ずる.

〔副〕〔重大な副作用〕汎血球減少,無顆粒球症,貧血,白血球減少,血小板減少,出血傾向,劇症肝炎,激しい下痢,脱水症状,重篤な腸炎,出血性腸炎,虚血性腸炎,壊死性腸炎,めまい・ふらつき,しびれ,舌のもつれ,歩行時のふらつき,もの忘れ,傾眠,意識障害,知覚障害,錐体外路症状,尿失禁,四肢麻痺,言語障害,歩行障害,見当識障害,記憶力低下,白質脳症,嗅覚脱失,間質性肺炎,安静狭心症,急性膵炎,消化管潰瘍,消化管出血. 〔その他の副作用〕黄疸,GOT・GPTの上昇,脂肪肝,たん白尿,血尿,BUN・クレアチニンの上昇,色素沈着,角化,爪の異常,水疱,びらん,皮膚炎,浮腫,脱毛,潮紅,DLE様皮疹,光線過敏症,急性膵炎,発疹,そう痒,蕁麻疹,食欲不振,悪心・嘔吐,下痢,口内炎,心窩部痛,腹痛,胃・十二指腸潰瘍,胸やけ,腹部膨満感,味覚異常,胃炎,口角炎,舌炎,腹鳴,口渇,便秘,嚥下困難,胃腸出血,倦怠感,眩暈,頭痛,興奮,耳鳴,胸内苦悶感,胸痛,心電図異常(ST上昇等),発熱,咳・痰,関節痛,糖尿,灼熱感,血痰,結膜充血.LDH上昇,血糖値上昇,血清尿酸値上昇,女性化乳房,平均赤血球容積(MCV)増加.

〔妊〕動物で催奇形作用→投与しないことが望ましい.

〔乳〕動物で乳汁中へ移行→授乳中止.

〔小児〕安全性未確立.

〔備〕ウラシルはテガフールの活性体であるフルオロウラシルの分解を抑制することで抗腫瘍効果を増強する.

〔作用機序〕
テガフールとウラシルを1:4のモル比で配合したもので,テガフールの活性代謝物5-FUの分解をウラシルがこのモル比で最も強く阻害することが分かった.この結果,腫瘍内の5-FU及びその活性代謝物を高濃度に維持することが可能になった.ユーエフティはテガフール単独投与に比べて,テガフール量として約1/5量で同程度の腫瘍増殖抑制効果を認めた.

〔体内動態〕
テガフール(FT)
Cmax:9.4μg/mL,
Tmax:約2hr(300mg p.o.)
フルオロウラシル(5-FU)
Cmax:0.12μg/mL(300mg p.o.)
ウラシル
Cmax:2.0μg/mL(300mg p.o.)
血漿たん白結合率:3.5%
治療域血漿中濃度:フルオロウラシルとして0.01μg/mL(腫瘍内フルオロウラシル濃度として0.05μg/g以上)

<テガフール>

mw:200.17
mp:166〜171℃
★白色の結晶性粉末.においはなく,味は苦い.
pKa:7.65
★やや溶けにくい.

<ウラシル>

mw:112.09
mp:約335℃(分解)
pKa:9.37
★溶けにくい.

ドキシフルリジン(局)

〔効〕胃癌,結腸・直腸癌,乳癌,子宮頚癌,膀胱癌.

〔用〕(内)1日800〜1200mgを3〜4回で分服.

警告:抗ウイルス剤ソリブジンとフルオロウラシル系薬剤との併用により重篤な血液障害が発現し死亡に至った例も報告されているので併用を行わない.テガフール・ギメスタット・オタスタットカリウム配合剤との併用により,重篤な血液障害等の副作用が発現するおそれがあるので,併用を行わない.

〔禁〕重篤な本剤過敏歴,ソリブジン投与中の患者.

〔慎〕骨髄機能抑制,心疾患とその既往歴,感染症合併,肝・腎障害,水痘,小児.

〔相〕併用禁忌:抗ウイルス剤ソリブジンとフルオロウラシル系薬剤(テガフール,ドキシフルリジン,5-FU,ティーエスワン等)との併用によりフルオロウラシル系薬剤の代謝が阻害され血中濃度上昇し重篤な血液障害等の副作用が発現するので,併用を行わないこと. 併用注意:フェニトイン(めまい,眼振,運動失調等のフェニトイン中毒が現れることがある).他の抗悪性腫瘍剤(副作用増強).ワルファリン(ワルファリンの作用増強するおそれあり).

〔副〕〔重大な副作用〕脱水症状→激しい下痢発現したら中止,汎血球減少,重篤な腸炎,重篤な精神神経障害(白質脳症等),間質性肺炎. 〔重大な副作用(類薬)〕安静狭心症,間質性肺炎.溶血性貧血,劇症肝炎等の重篤な肝障害,肝硬変,急性膵炎,心筋梗塞,不整脈,急性腎不全,ネフロ―ゼ症候群,うっ血性心不全. 〔その他の副作用〕白血球減少,貧血,血小板減少,GOT・GPT・Al-P・ビリルビン上昇,血尿,たん白尿,BUN上昇,下痢,悪心・嘔吐,食欲不振,口内炎,腹痛,倦怠感,ふらつき,指南力低下,構音障害,味覚低下,嗅覚変化,色素沈着,かゆみ,発疹,脱毛,発熱,脳部圧迫感,心電図異常(ST上昇,QT延長,T波逆転),咽頭異和感.口角炎,膵炎,不整脈.

〔妊〕動物で催奇形作用→有益時のみ投与.

〔注意〕フルオロウラシルの異化代謝酵素であるジヒドロピリミジンデヒドロゲナーゼ(DPD)欠損等の患者がごくまれに存在し,このような患者にフルオロウラシル系薬剤を投与した場合,投与初期に重篤な副作用(口内炎,血液障害,神経障害等)が発現するとの報告がある.

〔作用機序〕
腫瘍細胞で活性の高い酵素ピリミジンヌクレオシドホスホリラーゼによって5-FUに変換され,抗腫瘍効果をあらわす.従って,最終的作用機序は5-FUと同じである.

〔体内動態〕
Cmax:1.0〜2.3μg/mL,
Tmax:1〜2hr(800mg p.o.)
5-FUとして
Cmax:0.08〜0.24μg/mL,
Tmax:1〜2hr(800mg p.o.)
血漿たん白結合率:14.6〜40.8%
尿中排泄率:14.8%(p.o., 12hr)
主な代謝物:5-デオキシリボース-1-リン酸, 5-FU

mw:246.20
mp:約191℃(分解)
★白色の結晶性の粉末で,においはない.
[α]20D:+157〜+171°(水)
pKa:7.57
★やや溶けやすい.
油水分配係数:0.042(n-オクタノール/pH7.4)

doxifluridine
フルツロン
Furtulon
(日本ロシュ)
―カプセル:100mg, 200mg
添加物:ラウリル硫酸ナトリウム

◆使用上の注意改定指示
H13/05/31
H14/02/13

フルオロウラシル(局)(劇)

〔効〕(内)消化器癌(胃癌,結腸・直腸癌など),乳癌,子宮頸癌. (注)胃癌,肝癌,結腸・直腸癌,乳癌,膵癌,子宮頸癌,子宮体癌,卵巣癌. 他の抗腫瘍剤又は放射線と併用:食道癌,肺癌,頭頸部腫瘍. (外)S状結腸・直腸癌.

〔用〕(内)1日200〜300mgを1〜3回に分服. (注)単独:(1)1日1回5〜15mg/kgを5日間静注・点滴静注,以後隔日に5〜7.5mg/kgを投与. (2)1日5〜15mg/kgを隔日. (3)1日5mg/kgを10〜20日連日. (4)1日10〜20mg/kgを週1回. (5)必要に応じ1日5mg/kgを動注. 併用療法:1日5〜10mg/kgを単独(1)に準じ,又は週1〜2回. (外)1回100mgを1日1〜2回,1回200mgを1日1回直腸内挿入.

警告:(1)メトトレキサート・フルオロウラシル交代療法:メトトレキサート・フルオロウラシル交代療法は高度の危険性を伴うので,投与中及び投与後の一定期間は医師の監督下に患者を置く.
また,緊急時に十分に措置できる医療施設及び癌化学療法に十分な経験を持つ医師のもとで,本療法が適切と判断される症例についてだけ行う.
(2)テガフール・ギメスタット・オタスタットカリウム配合剤との併用により,重篤な血液障害等の副作用が発現するおそれがあるので,併用を行わない.
(3)抗ウイルス剤ソリブジンとフルオロウラシル系薬剤との併用により,重篤な血液障害が発現し,死亡に至った例も報告されているので,併用を行わないこと.

〔禁〕(内)(注)重篤な本剤過敏歴,テガフール・ギメスタット・オタスタットカリウム配合剤,ソリブジン投与中.

〔慎〕消化管潰瘍・出血. (内)(注)肝・腎障害,骨髄抑制,感染症,心疾患・その既往歴,水痘.

〔相〕併用禁忌:テガフール・ギメスタット・オタスタットカリウム配合剤. 抗ウイルス剤ソリブジンとフルオロウラシル系薬剤(テガフール,ドキシフルリジン,フルオロウラシル等)との併用により,フルオロウラシル系薬剤の代謝が阻害され血中濃度が上昇し重篤な血液障害等の副作用が発現するので,併用を行わない.

〔副〕〔重大な副作用〕激しい下痢,出血性腸炎,虚血性腸炎,壊死性腸炎等の重篤な腸炎,汎血球減少,白血球減少,好中球減少,貧血,血小板減少等の骨髄機能抑制,白質脳症,錐体外路症状,言語障害,運動失調,眼振,意識障害,痙攀,顔面麻痺,見当識障害,四肢末端のしびれ感,譫妄,記憶力低下,自発性低下,尿失禁,うっ血性心不全,心筋梗塞,安静狭心症,急性腎不全,間質性肺炎,消化管潰瘍,重症な口内炎,肝動脈内投与において,肝・胆道障害(胆嚢炎,胆管壊死,肝実質障害等),手足症候群(手掌・足蹠の紅斑,疼痛性発赤腫脹,知覚過敏等,類似化合物(テガフール等)で劇症肝炎等の重篤な肝障害,肝硬変,心室性頻拍,急性膵炎,ネフロ―ゼ症候群,嗅覚脱失. 〔その他の副作用〕食欲不振,下痢,悪心・嘔吐,味覚異常,口渇,腹部膨満感,腹痛,下血,便秘,口角炎,舌炎,胸やけ,肝障害,たん白尿,BUN上昇,クレアチニン値上昇,クレアチニンクリアランス低下,倦怠感,めまい,色素沈着,脱毛,浮腫,びらん,水疱,そう痒感,紅潮,爪の異常,光線過敏症,発疹,心電図異常(ST上昇,T逆転,不整脈等),胸痛,胸内苦悶,流涙,カテーテル先端付近の動脈壁の変性,血栓形成,発熱,頭痛,糖尿.

〔妊〕(内)(注)動物で催奇形作用→投与しないこが望ましい. (外)安全性未確立.

〔乳〕(内)(注)授乳中の安全性未確立→授乳中止.

〔服薬指導〕ドライシロップは,口内・食道への障害を防ぐために2gあたりを50〜100mLの水に溶かして服用.

〔作用機序〕
ピリミジン代謝拮抗薬.腫瘍細胞内でfluorodeoxy UMP(FdUMP)に転換され,deoxy UMPと拮抗してチミジル酸合成酵素を抑制し,DNA合成を阻害する.またRNAに組み込まれてfluoro RNAを生成することやリボソームRNA形成を阻害することも関与する.

〔体内動態〕
Cmax:0.92μg/mL,
Tmax:10min(300mg p.o.)
血漿たん白結合率:7.5〜10.3%
尿中排泄率:約10%

mw:130.08
mp:約282℃(分解)
★白色の結晶又は結晶性の粉末で,においはない.
pKa:8.01
★やや溶けにくい(12.5mg/mL).
油水分配係数:0.1(n-オクタノール/pH7.4)

fluorouracil
5-FU
(協和発酵)
―ドライシロップ:1g中50mg
―錠:50mg, 100mg
―注:5mL中250mg
添加物:トリスアミノメタン
pH:8.2〜8.6
浸透圧比(生理食塩液対比):約4
―坐剤:100mg

◆使用上の注意改定指示
H13/05/31
H14/05/01

ヒドロキシカルバミド(劇)

〔効〕慢性骨髄性白血病.

〔用〕(内)1日500〜2000mgを1〜3回に分服.維持量1日500〜1000mgを1〜2回に分服.

〔禁〕本剤過敏歴,妊婦.

〔慎〕肝・腎障害,骨髄抑制,感染症合併,水痘.

〔相〕他の抗悪性腫瘍薬,放射線照射で骨髄抑制が増強.

〔副〕〔重大な副作用〕肺浸潤. 〔その他の副作用〕貧血,白血球減少,血小板減少,出血傾向,巨赤芽球症,下痢,腹痛,口内炎,食欲不振,胃痛,嘔気・嘔吐,黄疸,ビリルビン・GOT・GPT・Al-Pの上昇,BUN・クレアチニン・尿酸の上昇,発疹,蕁麻疹,皮膚潰瘍,紅斑,皮膚及び爪萎縮,鱗屑形成,紫色丘疹,色素沈着,脱毛,発熱,倦怠感,浮腫,頭痛,眩暈,手のしびれ,舌のしびれ感,不快感.

〔妊〕投与しない.

〔乳〕授乳中止.

〔作用機序〕
リボヌクレオチド還元酵素の阻害により細胞内のプリン体含量(dATP, dGTP)を急激に低下させDNA合成抑制.

〔体内動態〕
t1/2:120〜198hr(50mg/kg p.o.)
尿中排泄率:49〜76%(26〜60mg/kg p.o.)
主な代謝物:アセトヒドロキサム酸

H2NCONHOH

mw:76.06
mp:133℃(分解)
★白色〜微黄白色の結晶性粉末.
★溶けやすい.

hydroxycarbamide
ハイドレア
Hydrea
(ブリストル)
―カプセル:500mg

◆使用上の注意改定指示
H13/09/19
H15/02/12

塩酸プロカルバジン(局)(劇)

〔効〕悪性りんぱ腫(ホジキン病,細網肉腫,りんぱ肉腫).

〔用〕(内)初期1日50〜100mgを1〜2回に分服.1週間以内に漸増し,臨床効果発現まで1日150〜300mgを連日投与.寛解導入までの総投与量は通常5〜7g.

〔禁〕重篤な本剤過敏歴.

〔慎〕肝・腎障害,骨髄抑制,感染症合併,水痘,小児.

〔相〕(1)バルビツール系薬,フェノチアジン系薬,三環系抗うつ薬,交感神経興奮薬の作用を増強. (2)アルコールに対する耐性低下.

〔副〕〔重大な副作用〕間質性肺炎痙攣発作. 〔その他の副作用〕白血球減少,血小板減少,出血,貧血,肝障害,BUN上昇,食欲不振,悪心・嘔吐,下痢,便秘,腹痛,口渇,口内炎,脱毛,発疹,紅斑,色素沈着,そう痒,皮膚肥厚,振戦,頭痛,眩暈,神経過敏,多幸症,発熱,筋力低下,筋肉痛,感覚異常,腱反射の低下,嗜眠,倦怠感,心悸亢進.

〔妊〕動物で催奇形作用→投与しないことが望ましい.

〔乳〕授乳中の安全性未確立→授乳中止.

〔作用機序〕
DNA,RNA及びたん白の合成を阻害し,腫瘍細胞の増殖を抑制する.

〔体内動態〕
Cmax:0.6μg/mL,
Tmax:1hr(30mg p.o.)
t1/2:3hr(p.o.)
尿中排泄率:67〜70%(30mg i.v., 24hr)
主な代謝物:アゾ誘導体, テレフタル酸イソプロピルアミド

mw:257.76
mp:223℃(分解)
★白色〜淡黄色の結晶性粉末.においはなく,味は苦い.
★溶けやすい.

procarbazine HCl
ナツラン
Natulan
(ロシュ)
―カプセル:50mg
添加物:黄色4号(タートラジン), 赤色3号, ラウリル硫酸ナトリウム, 亜硫酸水素ナトリウム

メトトレキサート(局)(劇)

〔効〕〔用〕<通常療法>(1)急性・慢性りんぱ性・慢性骨髄性白血病:(内)1日5〜10mgを1週間に3〜6日服用.幼児1.25〜2.5mg,小児2.5〜5mg,(注)前記投与量を1週間に3〜6日静注・髄腔内注・筋注・動注・腫瘍内注. (2)絨毛性疾患(絨毛癌,破壊胞状奇胎,胞状奇胎):(内)(注)1クール5日間とし1日10〜30mgを分服・筋注,通常7〜12日間休薬.
<メトトレキサート・ホリナート救援療法>(1)肉腫(骨肉腫,軟部肉腫など):(注)週1回100〜300mg/kgを約6時間で点滴静注,その3時間後よりホリナート15mgを3時間ごとに9回静注,以後6時間ごとに8回静注・筋注. (2)急性白血病,悪性りんぱ腫:(注)週1回30〜100mg/kgを約6時間で点滴静注,(1)と同様にホリナートを投与.
<メトトレキサート・フルオロウラシル交代療法>メトトレキサート1回100mg/m2(3mg/kg)を静注後,1〜3時間後にフルオロウラシル1回600mg/m2(18mg/kg)を静注又は点滴.その後ホリナートを投与.本療法の間隔は1週間.ホリナートの投与は本剤投与後24時間日からホリナートとして1回15mgを6時間間隔で2〜6回静注,筋注,経口投与.

警告:メトトレキサート・ホリナート救援療法及びメトトレキサート・フルオロウラシル交代療法は高度の危険性を伴うので投与中及び投与後の一定期間は患者を医師の監督下におくこと.本療法の開始にあたっては添付文書を熟読のこと.

〔禁〕重篤な本剤過敏歴,肝・腎障害,胸水・腹水.

〔慎〕骨髄抑制,感染症合併,水痘.

〔相〕次の薬品で本剤の作用増強:サリチル酸などの非ステロイド性抗炎症薬,スルフォンアミド,テトラサイクリン,クロラムフェニコール,フェニトイン,バルビツレート.

〔副〕〔重大な副作用〕ショック,アナフィラキシー様症状(冷感,呼吸困難,血圧低下等),骨髄抑制,汎血球減少,劇症肝炎,肝不全,肝組織の壊死・線維化,硬変,急性腎不全,尿細管壊死,重症ネフロパチー,間質性肺炎,肺線維症,皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群),出血性腸炎,壊死性腸炎,痙攀,失語,片麻痺,脳症,痴呆,ギランバレー症候群,昏睡. 〔その他の副作用〕発疹,蕁麻疹,そう痒,発熱,貧血,白血球減少,血小板減少,出血,敗血症,低ガンマグロブリン血症,黄疸,脂肪肝,GOT・GPT・Al-Pの上昇,血尿,BUN・クレアチニンの上昇,消化管潰瘍・出血,口内炎,腹痛,下痢,食欲不振,悪心・嘔吐,メレナ,イレウス,光線過敏症,紅斑,色素沈着,色素脱出,皮下斑状出血,座瘡,脱毛,頭痛,ねむけ,眼のかすみ,項部緊張,背部痛,しびれ感,味覚異常,意識障害,咳嗽,呼吸困難,無精子症,卵巣機能不全,月経不全,流産,膀胱炎,倦怠感,耳下腺炎,結膜炎,低たん白血症.

〔妊〕催奇形性を疑う症例報告,動物で催奇形作用→投与しないことが望ましい.

〔乳〕授乳中の安全性未確立→授乳中止.

〔備〕本剤の作用はホリナートで拮抗される.

〔作用機序〕
葉酸代謝拮抗薬.腫瘍細胞において核酸合成に必要な活性葉酸を産生させるdihydrofolate reductaseを阻害して,細胞増殖を抑制する.抗葉酸代謝拮抗薬のロイコボリンを併用するメトトレキサート・ロイコボリン救援療法により,高用量で高い抗腫瘍効果が得られる.

〔体内動態〕
t1/2:約2hr(200mg/kg d.i., 6hr)
F:70%
Vd:30〜50L(d.i.)
CL:2.1mL/min/kg
血漿たん白結合率:
 正常人 50.4%
 癌患者 32.3%
尿中排泄率:68〜100%(200mg/kg, 24hr)
主な代謝物:7-OH-メトトレキサート, ポリグルタメート-メトトレキサート
治療域 >0.01μmol
中毒域
 大量投与時 >5μmol(投与後24時間日の濃度)
 50mg/m2以下の少量投与時 >1μmol(投与後24時間目の濃度)

mw:454.45
mp:185〜204℃(分解)
★黄褐色の結晶性粉末.
[α]20D:+19.0〜+24.0°
pKa:4.84, 5.51
★ほとんど溶けない.

methotrexate
メソトレキセート
Methotrexate
(レダリー,武田)
―錠:2.5mg
―注:5mg, 50mg, 8mL(1V)中200mg
(2.5mg/mL注射用水)
pH:7.0〜9.0
浸透圧比(生理食塩液対比):約1
(25mg/mL注射用水)
pH:7.0〜9.0
浸透圧比(生理食塩液対比):約1
(200mgバイアル)
pH:8.0〜9.0
浸透圧比(生理食塩液対比):約0.9
メルカプトプリン(局)(劇)

〔効〕急性白血病,慢性骨髄性白血病.

〔用〕(内)緩解導入として1日2〜3mg/kgを単独又は他の抗腫瘍剤と併用して服用.緩解後は導入量を下回る量.

〔禁〕重篤な本剤過敏歴.

〔慎〕肝・腎障害,骨髄抑制,感染症合併,水痘.

〔相〕アロプリノールで本剤の作用増強.本剤を通常量の約1/3〜1/4に減量.

〔副〕白血球減少,血小板減少,出血,肝障害,黄疸→中止,血尿,乏尿,食欲不振,悪心・嘔吐,潰瘍性口内炎,下痢,発疹,紅斑,発熱,脱毛.

〔妊〕動物で催奇形作用→投与しないことが望ましい.

〔乳〕授乳中の安全性未確立→授乳中止.

〔備〕略号:6-MP.

〔作用機序〕
プリン代謝拮抗薬.腫瘍細胞内でチオイノシン酸一リン酸(TIMP)に変換し,これがイノシン酸からアデニルコハク酸やキサンチン酸への転換を阻害するため,アデニン,グアニンリボヌクレオチドの生合成を妨げる.

〔体内動態〕
Cmax:約10μg/mL,
Tmax:2hr(16.9mg/kg p.o.)
t1/2:0.90hr
F:12%
Vd:0.56L/kg
CL:11mL/min/kg
血漿たん白結合率:18.8%
尿中排泄率:11%(5.0〜45.1mg/kg p.o., 6hr)
主な代謝物:チオ尿酸(尿中排泄), メチルチオイノシン酸(活性体)

mw:170.19
mp:313〜314℃(分解)
★淡黄色〜黄色結晶又は結晶性粉末.においはない.
pKa:7.7, 11.0
★ほとんど溶けない.

mercaptopurine
ロイケリン
Leukerin
(レダリー,武田)
―散:1g中100mg
テガフール・ギメスタット・オタスタットカリウム配合剤(劇)

〔効〕胃癌.

〔用〕初回投与量を体表面積に合わせて基準量(1.25m2未満12テガフール相当量40mg/回,1.25m2以上〜1.5m2未満は50mg/回,1.5m2異常は60mg/回)とし,朝食後及び夕食後の1日2回,28日間連日経口投与し,その後14日間休薬する.これを1クールとして投与を繰り返す.

警告:(1)従来の経口フルオロウラシル系薬剤とは投与制限毒性(Dose Limiting Toxicity, DLT)が骨髄機能抑制という点で異なり,特に臨床検査値に十分に注意する必要がある.頻回に臨床検査が実施でき,緊急時に十分な措置ができる医療施設及び癌化学療法に十分な経験を持つ医師のもとで,用法・用量を厳守して本剤の投与が適切と判断される症例についてのみ投与する. (2)劇症肝炎等の重篤な肝障害が配合成分であるテガフール等で報告されているので,定期的に肝機能検査を行うなど観察を十分に行い,肝障害の早期発見に努める. (3)他のフッ化ピリミジン系抗悪性腫瘍剤あるいは抗真菌剤フルシトシンとの併用により,重篤な血液障害等の副作用が発現するおそれがあるので,併用を行わない. (4)抗ウイルス剤ソリブジンとフルオロウラシル系薬剤との併用により,重篤な血液障害が発現し,死亡に至った例も報告されているので,併用を行わない.

〔禁〕重篤な過敏症の既往歴.骨髄機能抑制,腎障害,肝障害,他のフッ化ピリミジン系抗悪性腫瘍薬を投与中の患者,フルシトシン,ソリブジンを投与中の患者,妊婦.

〔慎〕骨髄機能抑制,腎障害,肝障害,感染症,耐糖能異常,間質性肺炎,手術後の補助療法.

〔相〕併用禁忌:フルオロウラシル(5-FU等),テガフール・ウラシル配合剤(ユーエフティ等),テガフール(フトフラール等),ドキシフルリジン(フルツロン),カルモフール(ミフロール,ヤマフール),フルシトシン(アンコチル,ドメラジン,アルシトシン,ココール).ソリブジン(ユースビル). 併用注意:フェニトイン,ワルファリンカリウム,他の抗悪性腫瘍薬,放射線照射等.

〔副〕〔重大な副作用〕汎血球減少,無顆粒球症,脱水症状,重篤な腸炎,間質性肺炎,消化管潰瘍,溶血性貧血,劇症肝炎等の重篤な肝障害,肝硬変,白質脳症等の重篤な精神神経障害,狭心症,心筋梗塞,不整脈,急性腎不全,ネフロ―ゼ症候群,嗅覚脱失,急性膵炎,消化管出血. 〔その他の副作用〕白血球減少,好中球減少,血小板減少,赤血球減少,ヘモグロビン減少,ヘマトクリット値減少.出血傾向(皮下出血斑,鼻出血,凝固因子異常),好酸球増多,白血球増多.GOT上昇,GPT上昇,ビリルビン上昇,Al-P上昇,黄疸.BUN上昇,クレアチニン上昇,たん白尿.食欲不振,悪心・嘔吐,下痢,口内炎.腹痛,腹部膨満感,心窩部痛,胃炎,腹鳴,白色便,口角炎,舌炎,味覚異常.色素沈着.紅斑,落屑,潮紅,水疱,手足症候群,皮膚潰瘍,皮膚炎,脱毛,爪の変色,単純疱疹,皮膚の乾燥・荒れ.発疹.そう痒.全身倦怠感.しびれ感,頭痛,頭重感.血圧低下,血圧上昇,心電図異常,レイノ―症状.流涙,結膜炎,眼痛.LDH上昇,発熱.全身熱感,鼻炎,咽頭痛,痰,糖尿.

〔妊〕投与しない.

〔乳〕授乳中止.

〔小児〕安全性は確立されていない.

〔作用機序〕
有効成分はテガフールであり,肝臓で5-FUに変換されて奏効する.ギメスタットは5-FUの分解酵素であるジヒドロピリジンデヒドロゲナーゼを阻害することによって5-FUの作用を増強・延長させる.オクタスタットカリウムは5-FUのリン酸化酵素を阻害することによって消化管障害を軽減する.

〔体内動態〕
テガフールはフルオロウラシル(5-FU)に変換され,さらにリン酸化されFdUMP, FUTPに変換されて効果を発揮する.
ティーエスワン32〜40mg/m2を経口投与後.
テガフール
Cmax:1971.0ng/mL,
Tmax:2.4hr
t1/2:13.1hr
フルオロウラシル
Cmax:128.5ng/mL,
Tmax:3.5hr
t1/2:1.9hr
ギメスタット(DPD阻害薬)
Cmax:284.6ng/mL,
Tmax:2.1hr
t1/2:3.0hr
オタスタットカリウム(OPRT阻害薬)
Cmax:78.0ng/mL,
Tmax:2.3hr
t1/2:3.0hr
血漿たん白結合率:
 テガフール:49〜56%
 フルオロウラシル:17〜20%
 ギメスタット:32〜33%
 オタスタットカリウム:7〜10%
尿中排泄率(72hr):
 テガフール7.8%
 フルオロウラシル7.4%
 ギメスタット52.8%
 オタスタットカリウム2.2%
主な代謝物:
 テガフール:5-FU, FdUMP, FUMP, FUTP
 ギメスタット:硫酸抱合体
 オタスタットカリウム:シアヌル体

テガフール

mw:200.17
mp:166〜171℃
★白色の結晶性粉末で,においはない.
pKa:7.65
★やや溶けにくい.
油水分配係数:
 0.835(クロロホルム/pH2)
 0.801(クロロホルム/pH6)
 0.007(クロロホルム/pH10)

5-FU

ギメスタット

mw:145.55
mp:約262℃(分解)
★白色の結晶性の粉末で,においはない.
pKa1:1.6, pKa2:4.1
★極めて溶けにくい.
油水分配係数:
 4.93(n-オクタノール/pH2)
 0.054(n-オクタノール/pH7)

オクスタットカリウム

mw:195.18
mp:300℃以上
★白色の結晶性の粉末で,においはない.
pKa1:1.1(カルボキシル基), pKa2:6.6(イミノ基), pKa3:11.8(イミノ基)
★溶けにくい.
油水分配係数:0.00008以下(n-オクタノール/pH7)

ティーエスワン
TS-1
(大鵬)
―カプセル

◆使用上の注意改定指示
H13/04/25

塩酸ゲムシタビン(劇)

〔効〕非小細胞肺癌.

〔用〕1回1000mg/m2を30分かけて点滴静注し,週1回投与を3週連続し,4週目は休薬する.これを1クールとし投与を繰り返す.

警告:(1)週1回投与を30分間点滴静注により行う. (2)高度な骨髄抑制のある者,及び胸部単純X線写真で明らかで,かつ臨床症状のある間質性肺炎又は肺線維症のある患者には投与しない. (3)放射線増感作用を期待する胸部への放射線療法との同時併用は避ける. (4)投与に際しては,緊急時十分対応できる医療施設において,癌化学療法に十分な経験を持つ医師のもとで,本剤の投与が適切と判断される症例についてのみ投与する.また,禁忌,慎重投与の項を参照して適応患者の選択に十分注意する. (5)投与に際しては臨床症状を十分に観察し,頻回に臨床検査(血液学的検査,肝機能検査,腎機能検査等)を,また,定期的に胸部X線検査等を行い,異常が認められた場合には適切な処置を行う.

〔禁〕高度な骨髄抑制,間質性肺炎又は肺線維症,胸部への根治的放射線療法を施行している患者,重症感染症,重篤な過敏症の既往歴,妊婦.

〔慎〕肝障害,腎障害,高齢者,心筋梗塞の既往.

〔相〕併用禁忌;放射線照射. 併用注意:他の抗悪性腫瘍薬.

〔副〕〔重大な副作用〕骨髄抑制,間質性肺炎,アナフィラキシー様症状,心筋梗塞,うっ血性心不全,肺水腫,気管支けいれん,成人呼吸促迫症候群,腎不全,溶血性尿毒症症候群. 〔その他の副作用〕発疹,そう痒感.頻脈,心室性期外収縮,発作性上室頻拍,心電図異常(ST上昇),血圧低下,血圧上昇,狭心痛,動悸.呼吸困難,PIE(肺好酸球湿潤)症候群,喘息,咳嗽,喀痰,息切れ.総たん白低下,アルブミン低下,BUN上昇,電解質異常,たん白尿,血尿.クレアチニン上昇,乏尿.食欲不振,悪心・嘔吐.下痢.胃部不快感,便秘,口角炎,舌潰瘍.GOT・GPT・Al-P・LDH・ビリルビン上昇,A/G比低下,ウロビリン尿.頭痛,知覚異常.脱毛.疲労感,発熱.血小板増加,体重減少,体重増加,関節痛,疼痛,悪寒,眼底出血,体温低下,頭部ほてり感,尿糖陽性.

〔高齢〕慎重に投与.

〔妊〕投与しない.

〔乳〕授乳を中止.

〔小児〕安全性は確立されていない.

〔作用機序〕
プロドラッグであり,生体内で参加された二リン酸化物と三リン酸化物が活性を示す.これらの活性代謝物はDNA合成を阻害することによって抗腫瘍効果を発現する.殺細胞作用は主にDNA合成が行われているS期の細胞に対し特異的である.

〔体内動態〕
Cmax:21.9μg/mL,
t1/2β:22min(1250mg/m2, d.i.)
CL:187L/hr
Vd:36.2〜85.3L
血漿たん白結合率:10%
尿中排泄率:10%未満(7d)
主な代謝物:ウラシル体(dFdU)

mw:299.66
mp:約237℃(分解)
★白色〜微黄白色の結晶性の粉末.
pKa:4.2
[α]20D:+44〜+50°(水)
★やや溶けやすい.
油水分配係数:pH3〜11でクロロホルム相に分配しない.

gemcitabine HCl
ジェムザール
Gemzar
(日本イーライリリー)
―注:1V中200mg, 1g(200mgバイアルは5mL以上, 1gバイアルは25mL以上の生理食塩液に溶解)
pH:約3
浸透圧比(生理食塩液対比):約2(16mg/mL)
 約3(40mg/mL)
添加物:D-マンニトール

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