〔共通事項〕

血清過敏症の予知
(1)皮内試験法：10倍希釈液0.1mLを皮内注.(陽性)30分間に10mm以上の紅斑,血圧降下などの全身症状. (2)点眼試験法：10倍希釈液1滴を片眼に点眼.(陽性)30分以内に眼球結膜のそう痒・充血. (3)軽度の場合原液1mLを皮下注,30分間異常のないことを確認する.

〔備〕抗毒素治療既往歴者にやむを得ず使用するときは除感作処置を行う.

〔効〕ガスえ疽の治療・予防.

〔用〕(注)治療：初回20〜40mLを筋注・静注・点滴静注.症状により3〜4時間ごとに10mLを追加. 予防：なるべく早期に10〜20mLを筋注・静注.約2週間効果持続.

〔禁〕血清過敏症→共通事項参照.

〔副〕血清病.

〔作用機序〕
ガスえ疽の主要病原因クロストリジウムの毒素で免疫したウマの体内に産生する抗体であり,この毒素を特異的に中和する.

freeze-dried gas gangrene antitoxin, equine
(千葉血清)
―注：10mL中15000単位.
pH：6.8〜7.4
浸透圧比(生理食塩液対比)：約1

◆使用上の注意改定指示
H13/01/12

〔効〕ジフテリアの治療.

〔用〕(注)1Vを溶解液10mLで溶解,軽症10〜20mL,中等症20〜40mL,重症・悪性40〜100mL,喉頭ジフテリア20〜60mL,鼻ジフテリア10〜16mLを数回に分け皮下注・筋注・静注・点滴静注.症状により10〜20mL追加.

〔禁〕血清過敏症→共通事項参照.

〔副〕血清病.

〔備〕回復後は破傷風トキソイド,ジフテリアトキソイドによる免疫を付与.

〔作用機序〕
ジフテリア毒素で免疫したウマの体内に産生する抗体であり,ジフテリア毒素を特異的に中和する.ジフテリアの初期に用いると効果的であり,発病後時間が経ちすぎると毒素が組織に強く結合して中和されにくい.

freeze-dried diphtheria antitoxin, equine
(千葉血清)
―注：1V5000単位
pH：6.8〜7.4
浸透圧比(生理食塩液対比)：約1

〔効〕破傷風の治療・予防.

〔用〕(注)治療：1Vを溶解液20mLで溶解,成人60mLを数回に分け皮下注・筋注・点滴静注.症状により総量100mLまで反復投与.6歳以下30mL,新生児10mL. 予防：2.5〜5mLを皮下・筋注.約2週間効果持続.

〔禁〕血清過敏症→共通事項参照.

〔副〕血清病.

〔備〕早期治療(遅くとも開口障害発現直後まで)が必要.回復後は破傷風トキソイドなどによる免疫を付与.

〔作用機序〕
破傷風毒素で免疫したウマの体内に産生する抗体であり,破傷風毒素を特異的に中和する.

freeze-dried tetanus antitoxin, equine
(阪大微研,田辺)
―注：1V12000単位
pH：6.8〜7.4
浸透圧比(生理食塩液対比)：約2