脳・脊髄
躯幹部・四肢(MRI)

〔禁〕〔原則禁忌〕一般状態の極度に悪い患者,気管支喘息,重篤な肝腎障害.

〔慎〕アレルギー体質,薬物過敏症の既往歴,けいれん,てんかん及びその素質.

〔副〕ショック,過敏症,眩暈.

〔作用機序〕
ガドペンテト酸中のガドリニウムイオン(Gd³⁺)は常磁性を示し,磁気共鳴現象において水素原子核(プロトン)の緩和を促進(緩和時間を短縮),このためMRI画像上でコントラストが増強される.

〔体内動態〕
t1/2：0.9〜1.9hr(i.v.)
Vd：72mL/kg
CL：1.0mL/min/kg
血漿たん白結合率：約2%
尿中排泄率：90.7〜99.3%(i.v., 24hr)

mw：742.79
mp：125℃付近から徐々に脱水,着色及び分解が起こるが融解及び発泡は見られず,強熱しても無機物であるGdが残存したため融点は設定していない.
★白色の粉末又は塊,においはなく,酸味がある.
[α]20D：-6.28〜-6.94°
pKa：約2.7, 約9.4
★極めて溶けやすい.

脳・脊髄(MRI)

〔副〕(承認後報告)アナフィラキシーショック,発疹,蕁麻疹,眩暈,頭痛,味覚異常,嘔気・嘔吐・口渇,熱感.

〔作用機序〕
ガドペンテト酸メグルミンと同じ.

〔体内動態〕
t1/2：1.1hr(i.v.)
Vd：216mL/kg
CL：1.49±0.35mL/min/kg (0.1mmol/kg)
血漿たん白結合率：ほとんど認められない.
尿中排泄率：84.8〜90.1%(i.v., 24hr 0.1〜0.4mL/kg)
主な代謝物：ほとんど代謝しない.

mw：558.69

gadoteridol
プロハンス
ProHance
(ブリストル・エーザイ)

◆使用上の注意改定指示
H15/01/08

肝腫瘍の局在診断のための肝臓造影(MRI)

〔禁〕一般状態が極度に悪い.ヘモクロマトーシス等鉄過剰症.本剤又は鉄注射剤に過敏.

〔妊〕ウサギにおける気管形成期投与試験において大量投与で心臓奇形の報告あり.

〔備〕(1)調製には必ず5%ブドウ糖液を使用.その他の注射剤との混合禁. (2)血管外漏出により漏出部位周囲に色素沈着が生じることあり.

〔作用機序〕
組織の水プロトン緩和時間を短縮させることによるMRIコントラスト増強剤であるが,常磁性物質として酸化鉄コロイドを含有する.

〔体内動態〕
t1/2：15hr
CL：4.2mL/min/kg
尿中排泄率：ほとんどない

(Fe2O3)m(FeO)n
ただし,nとmの存在比率は,0 < n/m < 1の範囲にある.

★暗褐色〜黒色のコロイド液で,においはない.

(内)散：1包3g(クエン酸アンモニウム600mg：鉄として95〜115mg)

消化管(MRI)

〔禁〕鉄過剰歴,鉄過敏歴.

〔作用機序〕
鉄イオン(3価)の不対電子対が消化管内の水プロトンの緩和時間を短縮させ,MR信号強度を増加させることにより造影効果を表す.

〔体内動態〕
排泄：ほとんど吸収されず,糞便中に排泄される.

クエン酸アンモニウムとクエン酸第二鉄の錯体で一定の化学構造を持たない.

mw：分子量をもたない.
★赤褐色,深赤色,褐色又は帯黄褐色の結晶又は結晶性粉末で,においはないか,又はわずかにアンモニア臭があり,塩味及び弱い鉄味がある.
★極めて溶けやすい.

ferric ammonium citrate
フェリセルツ
Ferriseltz
(大塚)