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医薬品・医療用具等安全性情報192号(H15/8/28)


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医薬品情報提供ホームページ(医薬品機構、厚生労働省)より

医薬品・医療用具等安全性情報
Pharmaceuticals and Medical Devices
Safety Information No.192
目   次
  1. 重要な副作用等に関する情報
    1. イソニアジド
    2. インフルエンザHAワクチン
    3. 塩酸ノギテカン
    4. スルバクタムナトリウム・アンピシリンナトリウム配合剤
    5. バルサルタン
    6. フルオロウラシル
    7. リン酸オセルタミビル
  2. 使用上の注意の改訂について(その148)
    クロバザム他(27件)
この医薬品・医療用具等安全性情報は,厚生労働省において収集された副作用情報をもとに,医薬品・医療用具等のより安全な使用に役立てていただくために,医療関係者に対して情報提供されるものです。
平成15年(2003年)8月
厚生労働省医薬食品局

1.重要な副作用等に関する情報

 前号(医薬品・医療用具等安全性情報 No.191)以降に改訂を指導した医薬品の使用上の注意のうち重要な副作用等について,改訂内容,参考文献等とともに改訂の根拠となった症例の概要に関する情報を紹介いたします。

【1】 イソニアジド
販売名(会社名) 「純生」アイナ(純生薬品工業)
イスコチン,同錠50mg,同錠100mg,同注(第一製薬)
イソニアジド「三恵」,同錠「三恵」(三恵)
スミフォン,同錠(住友製薬)
ダイアジッド錠(100mg)(日本新薬)
ヒドラジット「オーツカ」,ヒドラ錠「オーツカ」50mg(大塚製薬工場)
薬効分類等 抗結核剤
効能効果 肺結核,その他の結核症

使用上の注意(下線部追加改訂部分)》
[副作用(重大な副作用)] 腎不全,間質性腎炎,ネフローゼ症候群(症状:発熱,皮疹,乏尿,浮腫,蛋白尿,腎機能検査値異常等)
無顆粒球症,血小板減少
〈参   考〉 企業報告

症例の概要

NO. 患者 1日投与量
投与期間
副作用 備考
性・
年齢
使用理由
(合併症)
経過及び処置
1
30代
肺結核
気管結核
(高尿酸血症,関節痛)
400mg
71日間
急性腎不全
投与14日前 咳嗽により他医(A院)受診。
投与開始日 本剤,リファンピシン及び塩酸エタンブトールの投与開始。
投与16日目 結核菌の排菌を認め当院入院。前医の処方に加え,ピラジナミド,アロプリノール及びテプレノンを追加投与開始。
投与69日目 全身の強い関節痛,発熱(38℃)出現。ピラジナミド投与中止。
投与71日目
(投与中止日)
全身皮膚に水疱を伴う紅斑出現。
すべての内服薬投与中止。
中止3日後 投与中止後も発熱(38〜39℃),皮疹持続。
中止4日後 顔面,両下肢の浮腫出現。
中止6日後 BUN46.1mg/dL,血清クレアチニン7.11mg/dLと急激な腎障害が出現し,無尿状態(尿量20mL/日)となる。ステロイドパルス療法(メチルプレドニゾロン1000mg×3日間)開始。
中止7日後 BUN58.1mg/dL,血清クレアチニン8.02mg/dLと更に悪化したため,血液透析開始。
中止9日後 プレドニゾロン20mg経口投与開始。皮疹は改善傾向。BUN36.1mg/dL,血清クレアチニン6.29mg/dLとやや改善。
中止22日後 BUN29.6mg/dL,血清クレアチニン2.17mg/dL及び尿量が1100mL/日まで回復したため,投与中止20日後の透析を最後に透析より離脱。
中止30日後 プレドニゾロン中止。
中止36日後 腎不全回復。
中止37日後 当院退院。退院後はA院に転院。
中止48日後 A院にてDLST施行。本剤及びピラジナミドにて陽性。
企業報告
臨床検査値
  
投与前
投与16日目
中止6日後
中止7日後
中止26日後
中止36日後
BUN(mg/dL)
8.0
10.4
46.1
58.1
30.5
9.8
血清クレアチニン(mg/dL)
0.7
0.84
7.11
8.02
2.17
1.64
併用薬:ピラジナミド,リファンピシン,塩酸エタンブトール,アロプリノール,テプレノン,ジクロフェナクナトリウム

NO. 患者 1日投与量
投与期間
副作用 備考
性・
年齢
使用理由
(合併症)
経過及び処置
2
50代
肺結核
(不明)
不明
47日間
間質性腎炎
投与開始日 両肺の浸潤影とGaffky10号にて肺結核と診断され他院入院。本剤,硫酸ストレプトマイシン,リファンピシン及び塩酸エタンブトールによる治療開始。
投与約3週間目 硫酸ストレプトマイシンは中止され,ピラジナミド投与開始。
投与47日目
(投与中止日)
血清クレアチニン2.54mg/dLであったため,抗結核薬はすべて中止。
中止6日後 当院に転院。血清クレアチニン3.78mg/dL,クレアチニンクリアランス14.1mL/min,尿沈渣赤血球1-4/hpf(血尿),尿蛋白1.3g/day。腎生検を施行したところ,尿細管間質性腎炎と 菲薄基底膜病の所見であった。DLSTでは,本剤,硫酸ストレプトマイシンが陽性でリファンピシンは陰性であった。硫酸ストレプトマイシンは腎機能低下前に中止されており,経過からは本剤による間質性腎炎が強く疑われた。レボフロキサシンに加えて塩酸エタンブトール,ピラジナミド,リファンピシンを再開し,肺結核は改善した。ステロイドは使用しなかったが,血清クレアチニン2.00mg/dL,クレアチニンクリアランス28.7mL/minまで改善を認めた。
中止130日後 退院。
企業報告
臨床検査値
  
投与47日目
中止6日後
軽快時
血清クレアチニン(mg/dL)
2.54
3.78
2.00
クレアチニンクリアランス(mL/min)
14.1
28.7
尿沈渣赤血球
1-4/hpf
尿蛋白(g/day)
1.3
併用薬:リファンピシン,硫酸ストレプトマイシン,塩酸エタンブトール,ピラジナミド

NO. 患者 1日投与量
投与期間
副作用 備考
性・
年齢
使用理由
(合併症)
経過及び処置
3
10歳未満
初感染結核症
(急性咽頭炎)
200mg
投与継続
ネフローゼ症候群
投与開始日 同居の祖父にGaffky6号の結核が見つかったため,ツベルクリン反応検査実施。ツ反陽性のため,予防として本剤投与開始。
投与約1ヵ月目 蛋白尿あり。
投与42日目 38℃台の発熱及び感冒症状あり。
投与43日目 抗生剤及び感冒薬投与開始(5日間服用)。
投与46日目 両眼瞼腫脹,腹部膨満,尿量減少出現。体重増加(17→20kg)。
投与47日目 当院受診。全身性の浮腫傾向著明で全身倦怠感著明であった。血液検査上,低蛋白血症,高コレステロール血症,免疫グロブリン(IgG)の低下が認められた。検尿で尿蛋白強陽性(4+),円柱出現を認めたため,ネフローゼ症候群と診断。
投与48日目 当院入院。
投与54日目 ステロイド治療にて回復傾向。
企業報告
臨床検査値
  
投与開始日
投与33日目
投与47日目
投与50日目
投与55日目
血清総蛋白(g/dL)
6.3
5.7
4.1
4.0
4.7
アルブミン(g/dL)
4.4
3.6
1.6
1.7
2.3
総コレステロール(mg/dL)
394
454
487
BUN(mg/dL)
17.0
11.4
10.9
16.9
9.7
血清クレアチニン(mg/dL)
0.4
0.4
0.4
0.5
0.4
尿蛋白
(++++)
(++++)
(±)
併用薬:ベンフォチアミン・B6・B12配合剤,セフジトレンピボキシル,ヒベンズ酸チペピジン,塩酸アンブロキソール,カルボシステイン,塩酸シプロヘプタジン

NO. 患者 1日投与量
投与期間
副作用 備考
性・
年齢
使用理由
(合併症)
経過及び処置
4
80代
肺結核
(心房細動,慢性心不全,高尿酸血症,慢性腎不全)
300mg
24日間
無顆粒球症
投与開始前 胸部X線上,胸水貯留認め,胸水穿針の結果滲出液と判明。胸部CT,腫瘍マーカー精査するも異常なし。CRP2〜3であったため,肺結核を疑い結核治療を行うこととした。
投与開始日 本剤及びリファンピシン投与開始。胸水徐々に減少し,抗結核薬有効と思われたが,白血球数徐々に減少。
中止1日後 白血球数1000/mm3(好中球3%)の状態となり,熱発出現。もともとMRSA保菌者であり,感染源不明のため,硫酸アルベカシン,塩酸セフォゾプラン,硫酸ストレプトマイシンを使用し,原因と思われた薬剤(ジゴキシン以外)は,投与24日目の投与を最後にすべて中止した。
中止3日後 フィルグラスチム(遺伝子組換え)75μgによる治療開始。6日間投与を行い,白血球の上昇が認められた。また,種々の抗生剤使用により炎症は徐々に鎮静化した。
中止8日後 回復。
企業報告
臨床検査値
  
投与開始前
投与3日目
投与14日目
中止1日後
中止8日後
中止37日後
白血球数(/mm3
4900
5000
3400
1000
6300
7400
好中球(%)
70.7
57.7
54.3
3.0
75.8
55.2
併用薬:リファンピシン,アスピリン・ダイアルミネート,フロセミド,アロプリノール,フマル酸ケトチフェン,ジゴキシン


【2】インフルエンザHAワクチン
販売名(会社名) インフルエンザHAワクチン“化血研”(化学及血清療法研究所)
インフルエンザHAワクチン「北研」(北里研究所)
インフルエンザHAワクチン「生研」(デンカ生研)
「ビケンHA」(阪大微生物病研究会)
薬効分類等 ワクチン類
効能効果 本剤は,インフルエンザの予防に使用する。

使用上の注意(下線部追加改訂部分)》
[接種要注意者] 気管支喘息のある者
[副反応(重大な副反応)] 肝機能障害,黄疸:AST(GOT),ALT(GPT),γ-GTP,Al-Pの上昇等を伴う肝機能障害,黄疸があらわれることがあるので,異常が認められた場合には適切な処置を行うこと。
喘息発作:喘息発作を誘発することがあるので,観察を十分に行い,症状があらわれた場合には適切な処置を行うこと。
〈参   考〉 企業報告

症例の概要

NO. 患者 1日投与量
投与期間
副反応 備考
性・
年齢
使用理由
(合併症)
経過及び処置
1
60代
インフルエンザの予防
(なし)
不明
1回
肝機能障害,発熱,皮疹
接 種 日 本剤接種。
接種1日後 全身倦怠感,気分不良,頭痛出現。
接種2日後 下痢,発熱,頭痛の増悪,不眠。
接種3日後 顔面に皮疹出現,体温39℃まで上昇。左肩注射部に筋肉痛出現し運動障害を認める。
接種4日後 救急外来受診。顔面の皮疹を指摘される。頭部MRI,髄液検査では異常なし。
接種5日後 夜間より再び発熱し,不眠であった。
接種6日後 頭痛が再発したため,再度受診。皮疹は体幹部に及ぶ。投薬はすべて中止し解熱鎮痛剤のみ処方。
接種8日後 皮膚科受診。中毒疹と疑われる。肝機能検査値上昇。
接種9日後 精査・加療目的で総合診療部入院。安静補液,解熱鎮痛剤にて加療。
接種11日後 解熱傾向を認め,同時に下痢,頭痛,皮疹も軽快。
接種12日後 完全に解熱し,頭痛は消失し,皮疹は顔面のみとなった。顔面のそう痒感が出現。
接種13日後 皮膚科にて皮膚は軽快していると診断され,そう痒感に対し抗ヒスタミン剤を処方される。肝機能検査値が更に上昇。
接種15日後 腹部エコーでは器質的異常はなし。肝機能検査値は下降傾向あり。
接種16日後 左肩の筋肉以外の症状はほぼ軽快したため,当科退院となった。
企業報告
臨床検査値
  
接種7日後
接種8日後
接種13日後
接種15日後
体温(℃)
39.8
39.0
36.4
36.5
AST(GOT)(IU/L)
90
148
203
61
ALT(GPT)(IU/L)
63
97
218
116
LDH(IU/L)
422
532
492
336
Al-P(IU/L)
155
164
205
175
γ-GTP(IU/L)
14
14
27
21
総ビリルビン(mg/dL)
0.4
0.5
0.5
0.5
コリンエステラーゼ(IU/L)
96
併用薬:なし

NO. 患者 1日投与量
投与期間
副反応 備考
性・
年齢
使用理由
(合併症)
経過及び処置
2
80代
予防接種
(C型肝硬変,胃炎,不眠症,前立腺肥大,心室性期外収縮,便秘症)
0.5mL
1回
肝障害
接 種 日 本剤接種直後,アレルギー等の症状発現なし。
接種10日後 褐色尿出現。
接種11日後 診察医受診(受診時特に自覚症状なし)。血液検査で肝障害を認め,同日入院。入院後,安静補液にて血液検査データの改善を認めた。
接種26日後 退院となった。
企業報告
臨床検査値
  
接種
38日前
接種
3日前
接種
11日後
接種
15日後
接種
22日後
接種
25日後
接種
32日後
総ビリルビン(mg/dL)
0.7
0.8
1.3
1.2
1.0
0.7
1.0
Al-P(IU/L)
249
332
417
326
323
314
330
AST(GOT)(IU/L)
59
57
715
455
182
64
53
ALT(GPT)(IU/L)
68
60
1101
677
277
128
61
LDH(IU/L)
325
347
664
473
313
265
336
γ-GTP(IU/L)
70
56
152
152
161
144
131
併用薬:ブロチゾラム,ニフェジピン,ラフチジン,塩酸メキシレチン,ウルソデスオキシコール酸,塩酸フラボキサート,クエン酸モサプリド,酸化マグネシウム,水酸化アルミニウムゲル・水酸化マグネシウム

NO. 患者 1日投与量
投与期間
副反応 備考
性・
年齢
使用理由
(合併症)
経過及び処置
3
70代
インフルエンザの予防
(なし)
0.5mL
1回
薬剤性肝障害
既往歴 高血圧,脳梗塞後遺症
接 種 日 本剤接種。
接種1日後 39℃以上の高熱出現。
接種2日後 救急受診。
高熱以外のかぜ症状は一切なし,ジクロフェナクナトリウム錠処方。
接種3日後 高熱持続し,再度救急受診。
AST(GOT)99IU/L,ALT(GPT)73IU/L,白血球数6200/mm3,CRP12mg/dL以上のため入院。
接種4日後 一般病床へ転科。
HAV,HBV,HCV,HCMV,EBV及びマイコプラズマ抗体陰性。
抗核抗体陰性,IgE330IU/mL(上昇)。
インフルエンザウイルス抗体価(ペア血清)
 A型:8倍→16倍,B型:4倍→8倍。
 発熱以外に,かぜ症状等全くなし。
接種7日後 解熱。
接種13日後 肝障害は,ほぼ回復。
接種18日後 回復。退院。
企業報告
臨床検査値
  
接種3日後
接種5日後
接種8日後
接種13日後
白血球数(/mm3
6200
3700
4200
5700
AST(GOT)(IU/L)
99
87
39
21
ALT(GPT)(IU/L)
73
88
48
20
Al-P(IU/L)
467
431
341
LDH(IU/L)
500
477
427
γ-GTP(IU/L)
184
157
108
LAP(IU/L)
124
117
90
総ビリルビン(mg/dL)
0.3
0.3
0.3
BUN(mg/dL)
17.0
血清クレアチニン(mg/dL)
0.6
CRP(mg/dL)
≧12
併用薬:不明

NO. 患者 1日投与量
投与期間
副反応 備考
性・
年齢
使用理由
(合併症)
経過及び処置
4
50代
インフルエンザの予防
(なし)
0.5mL
1回
気管支喘息の増悪,蕁麻疹,関節炎
既往歴 気管支喘息,湿疹がよくできるが原因不明
接 種 日 中等度の呼吸困難があり,維持液及びジプロフィリンの点滴,硫酸サルブタモール吸入で症状はいつも軽減していた。
本剤接種
夕方より呼吸困難が増悪,蕁麻疹,全身関節痛と腰痛が出現。
接種1日後 微熱も出現。
接種2日後 ベタメタゾン・d-マレイン酸クロルフェニラミン配合剤内服で経過観察。
蕁麻疹のみ消失,他の症状は変わりなし。
以後,ベタメタゾン・d-マレイン酸クロルフェニラミン配合剤内服。点滴するも中発作があり症状軽快しない。
多発性関節炎症状は全くとれない。
接種16日後 プレドニゾロン内服を開始。
接種18日後 呼吸困難軽減,微熱消失,関節痛消失。
 白血球数4800/mm3,ヘモグロビン14.9g/dL,ヘマトクリット44.3%,血小板数24.4×104/mm3
 Al-P184IU/L,AST(GOT)22IU/L,ALT(GPT)15IU/L,LDH291IU/L,CPK79IU/L,γ-GTP12IU/L
 総ビリルビン0.5mg/dL
 BUN18mg/dL,血清クレアチニン0.8mg/dL
 CRP0mg/dL,RA(−)
接種32日後 軽快。
企業報告
併用薬:テオフィリン,塩酸クレンブテロール,プロキシフィリン・塩酸エフェドリン・フェノバルビタール配合剤,プランルカスト水和物,硫酸サルブタモール,維持液,ジプロフィリン


【3】 塩酸ノギテカン
販売名(会社名) ハイカムチン注射用(日本化薬)
薬効分類等 抗腫瘍性植物成分製剤
効能効果 小細胞肺癌

使用上の注意(下線部追加改訂部分)》
[慎重投与] 間質性肺炎,放射線肺炎,肺線維症の既往歴又は合併症のある患者者
[副作用(重大な副作用)] 間質性肺炎:間質性肺炎があらわれることがあるので,胸部X線検査等を行うなど観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと。
〈参   考〉 企業報告

症例の概要

NO. 患者 1日投与量
投与期間
副作用 備考
性・
年齢
使用理由
(合併症)
経過及び処置
1
50代
肺小細胞癌
(StageIV)
1.4mg
10日間
(5日間投与を1コースとして2コース)
間質性肺炎
(前治療)カルボプラチン(計2450mg),エトポシド(計1560mg),塩酸イリノテカン(計900mg),パクリタキセル(計920mg),塩酸ゲムシタビン(計3600mg),シスプラチン(計400mg),放射線療法,濃厚血小板輸血
2コース目終了
約9日後
体動時呼吸苦あるが,SpO290%台,胸部X線上も以前と変化なく経過。
2コース目終了
12日後
CT上変化なし。
2コース目終了
14日後
AM6:00チアノーゼあり。AM10:00 SpO269〜70%(room air)と低下。見当識障害あり。体温37.7℃。O210L/分をマスクで投与し,SpO292〜94%と落ち着く。胸部X線,CTにて両肺に間質影の増強を認めた(左胸水少量)。ステロイドパルス療法施行(3日間)。異型肺炎も考え,塩酸シプロフロキサシン静注(600mg×14日間)を開始した。
2コース目終了
15日後
SpO292〜94%,胸部X線上は肺炎像やや改善も,SpO2が低下したため,BiPAPを装着した。
2コース目終了
17日後
コハク酸プレドニゾロンナトリウム静注(60mg×4日間)。
2コース目終了
20日後
O2マスクで10L/分の状態。急な呼吸不全増悪あり。BiPAP装着し,この日より呼吸管理が続く。
2コース目終了
21日後
コハク酸プレドニゾロンナトリウム静注(50mg×7日間)。
2コース目終了
28日後
コハク酸プレドニゾロンナトリウム静注(40mg×7日間)。
2コース目終了
35日後
コハク酸プレドニゾロンナトリウム静注(30mg×9日間)。
2コース目終了
38日後
IPAP14→16cmH2O
2コース目終了
41日後
IPAP18→20cmH2Oと設定を強くしないと酸素飽和度が保てない。
2コース目終了
42日後
血圧保たれているが,SpO290%前後。尿量減少。意識レベルも次第に低下。
2コース目終了
44日後
ステロイドパルス療法(コハク酸メチルプレドニゾロンナトリウム静注1000mg×2日間)。呼吸状態の改善はみられないが,挿管は望まれず。
2コース目終了
45日後
朝より無尿状態。血圧60〜80mmHg,脈拍90〜100回/分,SpO280%台後半。死亡を確認
(死因:呼吸不全悪化,剖検:なし)。
企業報告
併用薬:濃グリセリン・果糖,リン酸ベタメタゾンナトリウム,塩酸グラニセトロン,ナルトグラスチム(遺伝子組換え),塩酸ラニチジン,フロセミド,塩酸ピオグリタゾン,グリベンクラミド,ボグリボース,ゾピクロン,メトクロプラミド

NO. 患者 1日投与量
投与期間
副作用 備考
性・
年齢
使用理由
(合併症)
経過及び処置
2
70代
肺小細胞癌
(StageIIIA)
[間質性肺炎]
1.5mg
10日間
(5日間投与を1コースとして2コース)
間質性肺炎の増悪
(前治療)カルボプラチン(計2750mg),エトポシド(計2250mg)。
2コース目終了
1日後
やや呼吸困難の訴えあり。
2コース目終了
2日後
胸部X線上,両下肺野の間質陰影軽度増加が認められ,SpO295%(以前は97〜96%)と軽度の低下を認めたが経過観察とした。
2コース目終了
8日後
労作後SpO288%と低下がみられ,適宜O2〜3L/分吸入。
2コース目終了
10日後
胸部X線上,右下肺野の結節(肺癌)は不変で,両下肺野の間質陰影の増悪が認められた。
2コース目終了
11日後
胸部CTにより,両下葉を中心としたすりガラス様陰影(間質影)の増悪を認めた。間質性肺炎急性悪化と判断し,メチルプレドニゾロン1000mg×3日間のステロイドパルス療法を開始した。
2コース目終了
13日後
胸部X線上の間質陰影の改善あり。安静時血液ガス(動脈血)分析で,PaO279.9mmHg,PaCO2 41.8mmHg,SaO298.7%と回復傾向が認められた。
2コース目終了
14日後
プレドニゾロン経口30mgに変更。
2コース目終了
17日後
分間歩行にてSpO277%(room air)まで低下。安静時O21L/分,労作時O23L/分とした。
2コース目終了
23日後
胸部X線上間質影の悪化なし。ただし改善はみられなかった。
2コース目終了
28日後
プレドニゾロン経口25mgに減量。(経過観察中)
企業報告
併用薬:トリアゾラム,ブロチゾラム,クロキサゾラム,塩酸マプロチリン,アカルボース,スクラルファート,d-マレイン酸クロルフェニラミン,塩酸グラニセトロン,ロキソプロフェンナトリウム,フィルグラスチム(遺伝子組換え)


【4】 スルバクタムナトリウム・アンピシリンナトリウム配合剤
販売名(会社名) ユナシン-S静注用0.75g,同静注用1.5g(ファイザー)
薬効分類等 主としてグラム陽性・陰性菌に作用するもの
効能効果 ブドウ球菌属,大腸菌,プロテウス属,インフルエンザ菌のうちβ-ラクタマーゼを産生し,アンピシリンに耐性の本剤感性菌による下記感染症
  • 肺炎・肺化膿症
  • 膀胱炎
  • 腹膜炎

使用上の注意(下線部追加改訂部分)》
[副作用(重大な副作用)] 間質性肺炎,好酸球性肺炎:発熱,咳嗽,呼吸困難,胸部X線異常,好酸球増多等を伴う間質性肺炎,好酸球性肺炎があらわれることがあるので,このような症状があらわれた場合には投与を中止し,副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。
〈参   考〉 企業報告

症例の概要

NO. 患者 1日投与量
投与期間
副作用 備考
性・
年齢
使用理由
(合併症)
経過及び処置
1
70代
誤嚥性肺炎 3g
7日間
間質性肺炎
既往歴 慢性蕁麻疹
投与開始日 誤嚥性肺炎のため入院。胸部X線写真にて両肺下葉に陰影が認められた。本剤3gの静注投与を開始した。酸素3L/日の投与を開始した。
投与5日目 胸部X線写真の陰影消失し,肺炎は軽快していた。
投与7日目
(投与中止日)
熱,咳,だるさが出現した。胸部X線写真において両肺にびまん性の陰影を認めた。薬剤性間質性肺炎とマイコプラズマ感染の両方を疑い,本剤の投与を中止した。夕刻,蕁麻疹が腹部,腰に出現した。
中止1日後 塩酸ミノサイクリン,クラリスロマイシン,イミペネム・シラスタチンナトリウムの投与を開始した。呼吸不全となり酸素吸入10L/日まで増量した。ステロイドパルス療法(メチルプレドニゾロンナトリウム1000mg)を開始した。皮膚科にて中毒疹と診断された。
中止3日後 ステロイドパルス療法を終了した。プレドニゾロン60mgに減量,その後徐々に減量し終了した。
中止4日後 胸部X線写真の陰影は消失した。症状は軽快となった。
中止23日後 酸素吸入を終了した。
中止32日後 退院となった。
マイコプラズマ抗体価(−),クラミジア抗体価(−)[検査日不明]
〈DLST〉
 スルバクタム(+),アンピシリン(−),ロキソプロフェンナトリウム(−)
企業報告
臨床検査値
  
投与開始日
投与4日目
投与5日目
投与7日目
(投与中止日)
中止1日後
中止4日後
中止9日後
中止12日後
中止18日後
白血球数(/μL)
7600
7400
8500
13400
16500
10600
8000
好酸球(%)
9.3
13
12
0
13
CRP(mg/dL)
3.9
1.3
1.2
8.2
10.4
3.4
LDH(IU/L)
300
315
393
429
267
併用薬:臭化水素酸デキストロメトルファン,テオフィリン,ロキソプロフェンナトリウム,テプレノン,オキシメテバノール

NO. 患者 1日投与量
投与期間
副作用 備考
性・
年齢
使用理由
(合併症)
経過及び処置
2
70代
肺炎 6g
4日間
薬剤性肺臓炎
既往歴 胃潰瘍,器質化肺炎,慢性C型肝炎
喫煙歴 40年間(30本/日)
投与19日前 鼻汁及び微熱が出現した。
投与16日前 近医を受診し,感冒薬を投与された。その後いったん,症状が軽快となった。
投与10日前 咳,38℃台の発熱が出現した。
投与6日前 近医を受診し,胸部X線写真から肺炎と診断され,レボフロキサシン600mgの投与を受けた。
投与3日前 38〜39℃の発熱が続くため,総合病院内科へ紹介入院となった。入院時,体温38.2℃,脈拍86回/分,胸部聴診所見上,右下肺野背面で捻髪音を聴取した以外に異常は認めなかった。胸部X線写真から右下肺野外側に浸潤影を認め,前医で撮影された胸部X線写真とほぼ同様であった。白血球数は正常であり,膿性痰もみられなかったことから非細菌性肺炎を疑い,塩酸ミノサイクリン200mgの点滴静注投与を開始した。
投与開始日 症状並びに炎症所見の改善がみられず,膿性痰も出現したため塩酸ミノサイクリンを中止し,本剤6gの点滴静注投与を開始した。
投与4日目
(投与中止日)
38〜39℃の発熱が続き,末梢血好酸球増多,CRPの上昇,血沈の亢進,軽度の肝機能障害並びに低酸素血症が認められ,アレルギー性病変の関与が示唆された。また,マイコプラズマ抗体価の上昇もみられた。胸部X線写真から,右下外側の肺炎像は吸収され,新たに右中肺野に陰影の出現を認めた。本剤の投与を中止し,塩酸セフォゾプラン2gの点滴静注投与を開始した。
中止2日後 塩酸セフォゾプランを中止し,エリスロマイシン1.5gに変更した。
中止4日後 気管支鏡検査施行,気管支肺胞洗浄液(BALF)から,好酸球分画の増加(46%)が認められ,経気管支肺生検(TBLB)の病理組織像でも好酸球浸潤を強く認めた。リンパ球の浸潤,器質化肺炎,肺胞II型上皮の腫大を認めた。入院後のペア血清で,マイコプラズマCF抗体価の上昇(32倍から128倍へ)がみられた。マイコプラズマ肺炎とこれに伴う器質化肺炎と考えたが,薬剤リンパ球刺激検査の結果,本剤のみ陽性(464%)だったため,マイコプラズマ肺炎に本剤による薬剤性肺臓炎が併発していると診断された。
中止8日後 プレドニゾロン30mgから投与を開始し,速やかに解熱し,胸部X線像も改善した。
中止16日後 退院となった。
〈気管支肺胞洗浄液(BALF)〉[中止2日後]
 好中球28.0%,リンパ球10.4%,マクロファージ9.6%,好酸球46.0%
〈DLST〉[中止4日後]
 本剤(+)
企業報告
臨床検査値
  
投与6日前
投与3日前
投与開始日
開始4日目
(投与中止日)
中止2日後
中止8日後
中止16日後
白血球数(/μL)
7500
8100
7400
8500
8500
7600
7400
好中球(桿状核)(%)
8
9
3
5
12
9
好中球(分葉核)(%)
63
69
68
74
78
48
好酸球(%)
3
5
9
3
0
0
CRP(mg/dL)
6.7
8.6
7.3
10.6
8.9
8.5
<0.2
ALT(GPT)(IU/L)
7
10
13
40
79
21
AST(GOT)(IU/L)
18
11
12
34
45
11
併用薬:レボフロキサシン,塩酸ミノサイクリン,塩酸セフォゾプラン


【5】 バルサルタン
販売名(会社名) ディオバン錠20mg,同錠40mg,同錠80mg(日本チバガイギー)
薬効分類等 血圧降下剤
効能効果 高血圧症

使用上の注意(下線部追加改訂部分)》
[副作用(重大な副作用)] 間質性肺炎:発熱,咳嗽,呼吸困難,胸部X線異常等を伴う間質性肺炎があらわれることがあるので,このような場合には投与を中止し,副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。
〈参   考〉 企業報告

症例の概要

NO. 患者 1日投与量
投与期間
副作用 備考
性・
年齢
使用理由
(合併症)
経過及び処置
1
60代
高血圧
(糖尿病性腎症,原田病,陳旧性心筋梗塞,胃炎,狭心症)
40mg
108日間
間質性肺炎
30代の頃から糖尿病,高血圧あり近医通院中。
投与13日前 腎機能障害あり。また,食事療法,血圧コントロール目的のため当院腎臓内科入院。
投与開始日 本剤投与開始。
投与31日目 原田病にてA病院眼科入院。ステロイドパルス療法開始。
投与56日目 経口プレドニゾロン40mg投与開始。
投与63日目 経口プレドニゾロン35mgに減量。
投与70日目 経口プレドニゾロン30mgに減量。
投与80日目 経過観察目的で,当院転院となった。
投与86日目 全身倦怠感,発熱出現。咳(+),呼吸困難(−),ベルクロ・ラ音(−)。
投与87日目 胸写上淡い間質性陰影出現(両全肺野,特に両下肢に強く出現)。
投与92日目 食事摂取量低下したため開始輸液点滴。
投与94日目 解熱傾向。食欲改善したため点滴中止。経口プレドニゾロン25mgに減量。
投与98日目 経口プレドニゾロン20mgに減量。
投与105日目 胸写上間質性陰影増悪したため当院呼吸器内科受診。
投与108日目
(投与中止日)
本剤投与中止。メシル酸ドキサゾシン8mg開始。
中止3日後 胸写上間質性陰影改善傾向にある。
中止10日後 経口プレドニゾロン15mgに減量。
中止43日後 退院。
中止98日後 DLST(ステロイド非投与時)で,本剤陰性。
企業報告
臨床検査値
  
投与7日前
投与81日目
投与107日目
中止13日後
中止18日後
赤血球数(×104/mm3
323
309
340
319
ヘモグロビン(g/dL)
10.4
10.0
11.0
10.3
白血球数(/mm3
8300
10100
13500
11800
好中球(%)
79.5
73.2
好酸球(%)
0.8
1.2
好塩基球(%)
0.2
0.2
単球(%)
5.1
4.9
リンパ球(%)
14.4
20.5
血小板数(×104/mm3
28.7
22.0
AST(GOT)(IU/L)
19
11
ALT(GPT)(IU/L)
25
13
Al-P(IU/L)
127
128
γ-GTP(IU/L)
30
19
LDH(IU/L)
376
LDH(IU/L)(測定法変更)
275
383
242
228
総ビリルビン(mg/dL)
0.5
0.6
BUN(mg/dL)
26.5
35.2
クレアチニン(mg/dL)
2.4
1.89
血清カリウム(mEq/L)
4.6
4.6
血清ナトリウム(mEq/L)
143
137
尿蛋白
(3+)
(3+)
動脈血pH
7.378
PaO2(Torr)
94.5
PaCO2(Torr)
35.9
KL-6(U/mL)
3620