名称及び製剤 |
治療に関する項目 |
使用上の注意に関する項目 |
作用機序と体内動態 |
化学構造及び物性 |
10%総合アミノ酸製剤
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〔効〕低たん白血症,低栄養状態,手術前後のアミノ酸補給.
〔用〕末梢静脈内投与:1回200〜400mLを緩徐に点滴静注.投与速度は,アミノ酸の量として10g/hr(1分間約25滴)を基準とする.
中心静脈内投与:1日400〜800mLを高カロリー輸液法により持続点滴注入.
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〔禁〕肝性昏睡又は肝性昏睡のおそれのある患者,重篤な腎障害又は高窒素血症,アミノ酸代謝異常.
〔慎〕高度のアシドーシス,うっ血性心不全,低ナトリウム血症.
〔副〕過敏症→中止,大量・急速投与でアシドーシス.
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〔作用機序〕
分岐鎖アミノ酸(ロイシン,イソロイシン,バリン)の配合率が高いので,筋蛋白の分解抑制や合成促進作用を有する.他のアミノ酸もバランスよく配合されており,体蛋白異化期に効率よく有利に働く.
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別表1参照
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アミパレン
Amiparen
(大塚)
アミゼットB
Amizet B
(テルモ,田辺)
モリプロンF
Moripron-F
(ヘキスト・マリオン・ルセル)
―注:200mL, 300mL, 400mL(アミパレン,アミゼットB)
pH:6.5〜7.5(アミパレン)
6.1〜7.1(アミゼットB)
5.5〜6.5(モリプロンF)
浸透圧比:約3(生理食塩液対比) |
小児用総合アミノ酸製剤 |
〔効〕新生児,乳児及び1〜3歳の幼児の低たん白血症,低栄養状態,手術前後のアミノ酸補給.
〔用〕新生児(出生時体重2kg以上)及び乳児にはアミノ酸として1.75〜2.75g/kg体重/日,1〜3歳の幼児には1.5〜2.5g/kg体重/日を高カロリー輸液法により持続点滴注入.
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〔禁〕肝性昏睡又は肝性昏睡のおそれのある患者,重篤な腎障害又は高窒素血症,アミノ酸代謝異常.
〔慎〕高度のアシドーシス,うっ血性心不全,低ナトリウム血症.
〔副〕過敏症→中止,大量・急速投与でアシドーシス.
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〔作用機序〕
組織の蛋白合成に必要なアミノ酸を供給することにより,生理的に分解・利用されるたん白質,あるいは疾病・外傷時の細胞障害及び破壊により欠乏したたん白質の合成に役立つ.
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プレアミンP
Pleamin-P
(扶桑)
―注:200mL
pH:6.5〜7.5
浸透圧比:2.3〜2.8 |
5%キシリトール配合10%アミノ酸製剤 |
〔効〕低たん白血症,低栄養状態,手術前後のアミノ酸補給.
〔用〕末梢静脈内投与:1回200〜400mLを緩徐に点滴静注.投与速度は,アミノ酸の量として10g/hr前後.
中心静脈内投与:1日400〜800mLを高カロリー輸液法により持続点滴注入.
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〔禁〕肝性昏睡又は肝性昏睡のおそれのある患者,重篤な腎障害又は高窒素血症,アミノ酸代謝異常.
〔慎〕高度のアシドーシス,うっ血性心不全,低ナトリウム血症.
〔副〕過敏症→中止,大量・急速投与でアシドーシス.
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〔作用機序〕
分岐鎖アミノ酸(ロイシン,イソロイシン,バリン)の配合率が高く,異化期の体蛋白の崩壊を抑制すると共に,体組織細胞において蛋白合成を促進する.さらに,キシリトールはエネルギー源となる. |
アミゼットXB
Amizet XB
(テルモ,田辺)
―注:200mL, 300mL, 400mL
pH:6.1〜7.1
浸透圧比:約4(生理食塩液対比) |
5%キシリトール配合12%総合アミノ酸製剤 |
〔効〕手術前後,消化管障害,食事制限等たん白質の摂取又は吸収障害,手術,熱傷等でたん白質の損失が著しい場合,低たん白血症のアミノ酸補給.
〔用〕末梢静脈内投与:1回200mLを緩徐に点滴静注.注入速度は,100mL/hr.
中心静脈内投与:糖液等と配合し24時間持続点滴注入.
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〔禁〕肝性昏睡又は肝性昏睡のおそれのある患者,重篤な腎障害又は高窒素血症,アミノ酸代謝異常.
〔慎〕高度のアシドーシス,うっ血性心不全,肝障害,腎障害.
〔副〕過敏症→中止,大量・急速投与でアシドーシス.
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〔作用機序〕
たん白質の成分であるアミノ酸を含むので,手術例・非手術例において体組織細胞での各種体たん白質の合成素材として利用される. |
プロテアミン12X
Proteamin 12X
(田辺)
―注:20mL, 200mL
pH:5.7〜6.7
浸透圧比:約6(生理食塩液対比) |
分岐鎖アミノ酸製剤 |
〔効〕食事摂取量が十分にもかかわらず低アルブミン血症を呈する非代償性肝硬変患者の低アルブミン血症の改善.
〔用〕1回1包を1日3回.
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〔禁〕先天性分岐鎖アミノ酸代謝異常.
〔副〕便秘,下痢,腹部膨満感,腹部不快感,嘔気,BUN上昇,血中アンモニア値の上昇等→減量,一時中断,GOTの上昇等.
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〔作用機序〕
非代償性肝硬変患者の血中アミノ酸インバランスの是正を介して,アルブミン合成促進をもたらす. |
リーバクト顆粒
Livact
(味の素,ヘキスト・マリオン・ルセル)
―末:1包4.74g |
腎不全用必須アミノ酸製剤 |
〔効〕慢性腎不全時のアミノ酸補給.
〔用〕1回1包を1日3回食後.
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〔禁〕高度の肝障害.
〔副〕過敏症→中止,悪心,嘔吐,食欲不振,口内不快感(口内乾燥感,口渇感を含む),腹部膨満感.
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〔作用機序〕
血清尿素窒素の上昇抑制,血清たん白・アルブミンの増加,窒素平衡の改善,uremic toxinの産生抑制により,たん白,アミノ酸代謝是正効果を示し,腎不全病態の進行を遅延させる. |
アミユー顆粒
Amiyu
(ヘキスト・マリオン・ルセル)
―末:1包2.5g |
腎不全用総合アミノ酸製剤 |
〔効〕低たん白血症,低栄養状態,手術前後の急性・慢性腎不全時のアミノ酸補給.
〔用〕慢性腎不全:1日1回200mLを緩徐に点滴静注.1日400mLを中心静脈内に持続点滴注入.
急性腎不全:1日400mLを高カロリー輸液法により持続点滴注入.
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〔禁〕肝性昏睡又は肝性昏睡のおそれのある患者,高アンモニア血症,先天性アミノ酸代謝異常.
〔慎〕心臓,循環器系に機能障害,肝障害又は消化管出血,高度の電解質異常又は酸・塩基平衡異常.
〔副〕過敏症→中止,大量・急速投与でアシドーシス.
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〔作用機序〕
たん白合成を亢進すると共に,筋たん白の分解を抑制することにより栄養状態の改善をもたらす. |
ネオアミユー
Neoamiyu
(ヘキスト・マリオン・ルセル)
―注:200mL
pH:6.6〜7.6
浸透圧比:約2 |
肝性脳症改善アミノ酸製剤
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〔効〕慢性肝障害時における脳症の改善.
〔用〕1回500〜1000mLを500mL/3〜5hrで点滴静注.
経中心静脈輸液法:500〜1000mLを糖質輸液に混和し24時間かけて持続注入.
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〔禁〕重篤な腎障害,アミノ酸代謝異常.
〔慎〕高度のアシドーシス,うっ血性心不全.
〔副〕〔重大な副作用〕低血糖,高アンモニア血症→中止. 〔その他の副作用〕過敏症→中止,大量・急速投与でアシドーシス.
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〔作用機序〕
肝性脳症時の血中及び脳内遊離アミノ酸パターンを是正して,脳内アミン代謝異常を改善する.さらにアンモニア代謝を是正して,高アンモニア血症を改善する.
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アミノレバン
Aminoleban
(大塚)
―注:200mL, 500mL
pH:5.5〜6.5
浸透圧比:約3(生理食塩液対比) |