ロサルタンカリウム |
〔効〕高血圧症.
〔用〕(内)25〜50mgを1日1回経口投与.1日100mgまで.
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〔禁〕本剤過敏歴,妊婦及び授乳婦,重篤な肝障害.
〔慎〕重篤な腎機能障害,肝機能障害及びその既往,両側性腎動脈狭窄又は動脈狭窄を伴う片腎欠損患者.脳血管障害.高齢者.
〔相〕併用注意:K保持性利尿薬の併用で血清K値上昇.
〔副〕〔重大な副作用〕血管浮腫.肝炎.腎不全. 〔その他の副作用〕頭痛,めまい,不眠,浮遊感.低血圧,起立性低血圧,胸痛,口角炎,嘔吐・嘔気,胃不快感,胃潰瘍,肝機能異常,GOT・GPT・LDH上昇.BUN,クレアチニン上昇.発疹,そう痒.赤血球減少,ヘマトクリット低下,好酸球増多.ほてり,倦怠感,浮腫,筋肉痛,血清K,総コレステロール,CPK,血中尿酸値上昇.
〔妊〕投与しない.
〔乳〕授乳中止.
〔小児〕安全性は確立していない.
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〔作用機序〕
内因性昇圧物質アンジオテンシンIIと受容体レベルで拮抗することにより降圧作用を示す.本化合物自体及び活性代謝産物のカルボン酸体が上記活性を示す.アンジオテンシンII受容体のうち,AT1サブタイプに高い親和性を示す.
〔体内動態〕
空腹時単回経口投与後のパラメータ
ロサルタンとして
Cmax:85ng/mL(25mg p.o.),
Tmax:0.8hr(25mg p.o.)
t1/2:2.5hr(25mg p.o.)
カルボン酸体として
Cmax:189ng/mL(25mg p.o.),
Tmax:3.7hr(25mg p.o.)
t1/2:3.8hr(25mg p.o.)
血漿たん白結合率:987%以上
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mw:461.01
mp:262〜265℃
★白色の結晶性粉末で,味は苦い.
pKa:4.3
油水分配係数:8.7(n-オクタノール/pH7)
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カンデサルタンシレキセチル |
〔効〕高血圧症,腎実質性高血圧症.
〔用〕1日1回4〜8mgを経口投与し,必要に応じ12mgまで増量する.ただし,腎実質性高血圧症又は腎障害を伴う高血圧症の場合には1日1回2mgから投与を開始し,必要に応じ8mgまで増量する.
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〔禁〕本剤過敏症既往歴,妊婦又は妊娠している可能性.
〔慎〕薬剤過敏症既往歴,肝障害,重篤な腎障害,両側性腎動脈狭窄,高齢者.
〔相〕併用注意:(1)カリウム保持性利尿薬,カリウム補給薬(血清カリウム値の上昇).
(2)利尿降圧薬(フロセミド,トリクロルメチアジド等)(降圧作用の増強).
〔副〕〔重大な副作用〕血管浮腫,肝機能の悪化. 〔その他の副作用〕発疹,湿疹,蕁麻疹,そう痒,めまい,ふらつき,立ちくらみ,動悸,ほてり,GOT・GPT・LDH・Al-Pの上昇,貧血,白血球減少,白血球増多,好酸球増多.
〔高齢〕過度の降圧は脳梗塞を起こすおそれがある.
〔妊〕投与しない.
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〔作用機序〕
内因性昇圧物質アンジオテンシンIIと受容体レベルで拮抗することにより降圧作用を示す.アンジオテンシンII受容体のうち,AT1サブタイプに高い親和性を示す.なお,カンデサルタンシレキセチルは小腸での吸収過程で活性代謝産物カンデサルタンに代謝される.
〔体内動態〕
カンデサルタンの腸溶性プロドラッグである.
活性代謝物カンデサルタン
Cmax:55.1ng/mL,
Tmax:5.0hr
t1/2α:2.2hr
t1/2β:9.5hr
(4mg p.o.)
F:34.3〜55.6(8mg p.o.)
Vd:1.29L/kg
CL:0.129L/hr/kg
血漿たん白結合率:99%以上
尿中排泄率:8〜9%(カンデサルタン)
主な代謝物:カンデサルタン(活性代謝物), 脱エチル体, グルクロン酸抱合体
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mw:610.67
mp:163.6〜164.1℃(分解)
★白色の結晶又は結晶性粉末.
pKa1:2.1(ベンズイミダゾール環の-N=基)
pKa2:4.6(テトラゾール環の-NH-基)
★ほとんど溶けない.
油水分配係数:>1000(n-オクタノール/pH6.9)
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バルサルタン |
〔効〕高血圧症.
〔用〕通常,成人には40〜80mgを1日1回経口投与する.なお,年齢,症状に応じて適宜増減するが,1日160mgまで増量できる.
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〔禁〕本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者.妊婦又は妊娠している可能性のある婦人.
〔慎〕重篤な腎機能障害,肝障害のある患者,特に胆汁性肝硬変及び胆汁うっ滞のある患者,腎動脈狭窄のある患者,脳血管障害のある患者,高齢者.
〔相〕併用注意:カリウム保持性利尿剤(スピロノラクトン,トリアムテレン等)
カリウム補給製剤(塩化カリウム).
〔副〕〔重大な副作用〕血管浮腫,肝炎,腎不全,過度の血圧低下に伴う失神・意識喪失.
〔その他の副作用〕過敏症(蕁麻疹,発疹)→中止.めまい,頭痛,眠気,白血球減少,好酸球増多,赤血球減少,ヘモグロビン減少,ヘマトクリット減少,低血圧,動悸,腹痛,下痢,便秘,嘔気,嘔吐,GOT,GPT,LDHの上昇,Al-P,ビリルビン値の上昇,咳嗽,咽頭炎,血中尿酸値上昇,BUN上昇,血清クレアチニン上昇,血清カリウム値上昇,けん怠感,CK(CPK)上昇,浮腫,胸痛,血糖値上昇,血清コレステロール上昇,疲労感,血清総蛋白減少.
〔高齢〕高齢者では一般に過度の降圧は好ましくないとされている(脳梗塞等が起こるおそれがある)ので,低用量から投与を開始するなど患者の状態を観察しながら慎重に投与すること.
〔妊〕投与しないこと.
〔乳〕投与を避ける.やむを得ず投与する場合には授乳を中止.
〔小児〕安全性は確立していない.
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〔作用機序〕
選択的AT1受容体ブロッカー.アンジオテンシンII受容体サブタイプAT1受容体に結合し、昇圧系として作用するアンジオテンシンIIに対して拮抗することによって降圧作用をあらわす.
〔体内動態〕
Cmax:0.86μg/mL,
Tmax:2hr(20mg p.o.)
Cmax:1.37μg/mL,
Tmax:3hr(40mg p.o.)
Cmax:2.83μg/mL,
Tmax:3hr(80mg p.o.)
t1/2:3.7hr(20mg p.o.)
4.0hr(40mg p.o.)
3.9hr(80mg p.o.)
尿中排泄率:投与後168hr以内に約13%(糞中86%)
血漿たん白結合率:93%以上
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mw:435.53
mp:約103℃
★白色の粉末.
★水にほとんど溶けない.
分配係数:3.62(1-オクタノール/水)
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